生きていれば。

2017.12.20（水）


 この時期になると、なんで何かに追い立てられるような気分になるんだろう。これがまた、ちょっとキツイ。若いころはどうだったのかな。慌ただしいのは苦手だけど、「クリスマス～♪」とか言って浮かれてたのかな。覚えてないなあ。

 震災後の初めての年末だったから、もう6年も前になる。深夜、事務所の最寄りの私鉄沿線の駅のホームで電車を待っていた。あの頃はホームも街も暗かった。
 電車の通過を告げる放送を聞きながら、疲れもあってぼんやり立っていたら、電車が入ってきた瞬間に私の横をサッと風が通り過ぎた。風というか影というか、そんな鋭い気配を感じるや否や、電車が大きな鈍いブレーキ音を立てた。電車はホームを通り抜け、数十メートルも先で停車した。
 何が起こったのか、すぐにはわからなかった。だけど、すぐ横を見たら、そこに立っているはずの人がいなかった。はっきりとは記憶にないけれど、2、3メートル脇に男性が立っていたはずだった。
 深夜のホームに人は少なく、駅員さんたちは慌ただしい動きを見せつつも、異様なほどの静けさだった。
 
 相方には話したけれど、この夜のことをそれ以外には話すことができなかった。今でもそうだ。
 それがなぜ今？と思われるかもしれない。昨夜のドラマ「明日の約束」での日向先生の言葉に触発されたのだろうか。
 誕生は選べないけれど、死は選ぼうと思えば・・・そう考えることもある。現実に、本当に身近な人間が自分の最期を選んで亡くなっている。年の瀬のこんな日の夜に。
 好きにすればいい、と思うこともある。だけど、やっぱり生きていれば・・・、どうにか道は開ける、誰かに声をかければ後戻りできる、そう信じる気持ちもあるのだ。
 死にたいと思うほどの苦しみも試練も、またそこまで思いつめる真面目さもない人間だから、「わかるの？」と言われると恥ずかしい限りだ。だけど、長く生きていればそれなりの山も谷も経験してきた。もうここまでかな、と思っても、静かに待っていれば（努力なんてしなくても）道がちょっとだけ見えてくることもある。そんな日も通ってきた。
 だから、声を大にしては言えないけれど、でも、「生きていれば」と言い続けようと思う。
　誰かに、誰か私よりずっと若い人に苦しみを告げられたら、静かにちゃんと寄り添えるくらいの余裕をもって、これからを生きていきたいと思う。
　そんな夜です。



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　



　「明日の約束」最終回。毎回、真剣な顔で見ていました。思うこと、感じること、たくさんありました。
　https://www.ktv.jp/yakusoku/index.html
　抑えた演技の井上真央さん、さすが。
　そして、日向先生、母親に「これからは私のために生きていきます」「いつかあやまってください」・・・、言えてよかったですね。
　「今」だから言えたのかもしれない。あの母親にもまだ「これから」があるから。

　そして「監獄のお姫さま」最終回。こちらはずっと笑ってハラハラして見ていました。
　http://www.tbs.co.jp/pripri-TBS/
　おばさんたちと看守の先生、最後までかっこよかったし、すてきでした。クドカンの脚本、おもしろかった。

　火曜の２つの番組。毎週録画して深夜に見ていたけれど、濃～い時間だったなあ。
　ちょっと寂しくなるな。




　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　




　スペースシャワーTV、スピッツ特集！
 https://www.spaceshowertv.com/spitz/
　12月23日です！