2022.09.18
「ロック大陸漫遊記」
FM TOKYO
9月も4週目!
草野くんの知り合いの、アラフィフで水泳を習い始めた方は、「今度シニアの試合に出るんだよね~」と。
とくに水泳が得意、という人ではなかったが、それをきいて、「この年になって習い事、っていいよなあ」とうらやましく思った。
それじゃ、「オレの場合は何を習いたい?」と考えて、常々、トルコの弦楽器サズを習いたいと言ってたけど、「もう一つ思いついた!」。
「外野フライをとる練習をしたいです!」
スピッツの草野球時代もそういう練習をしたかったけど、「ちゃんと外野フライを打てる人がいなかった」(そうか~。ピッチングマシンというわけにいかないしね)
松山坊っちゃんスタジアムを借りて試合をしたとき、「忘れもしない・・・、華麗にランニングキャッチをしたことがあった!」。
「あの成功体験を再び味わいたい」
なので、「コーチ料も支払いますし、広いスタジアムも借りますので、外野フライを受ける練習をしたい、と思う50代の今日この頃です」
外野フライがとれるようになったら、次は「ショートバンド」とかね・・・、らしい。
そして、今週は、ワンアーティスト特集、【ザ・クラッシュで漫遊記】。
セックス・ピストルズ、ダムドと並んで、70年代UKパンクのオリジネーター的バンド。
三大バンドと言われ、「オレら世代のロックミュージシャンに多大な影響を与えた」。
オンエア曲
01 未来コオロギ(スピッツ)
02 Janie Jones(The Clash)
03 White Riot(The Clash)
04 Tommy Gun(The Clash)
05 London Calling(The Clash)
06 Let's Go Crazy(The Clash)
07 Should I Stay or Should I Go(The Clash)
08 Rock the Casbah(The Clash)
09 PIED PIPER(the pillows)
漫遊前の一曲は、スピッツで「未来コオロギ」(2013年、14thアルバム『小さな生き物』)。
「かなり秋めいてきて、街の植え込みからもエンマコオロギの鳴き声が聞こえてきます・・・ということで、コオロギと言えば、スピッツではこの曲でしょうか」と。
(ロックな曲で「コオロギ」は出てこない? 大好きだ! 『小さな生き物』のオープニングで心をつかまれた。イントロのギターの美しさ、歌声に寄り添うような優しいベースラインも心地よい。この曲について、誰かと語り合いたい。乾いた優しさが今も沁みる。乾いているから、いつ聴いても自分をしっかりもって受け止められる。歌詞も乾いていて深い)
最初の曲は、「衝撃的なデビューアルバムのオープニングを飾る曲」、The Clashの「Janie Jones」(1977年、デビューアルバム『The Clash 白い暴動』)。
草野くんが「いちばん聴いたクラッシュのアルバム。このシンプルなバンドサウンドがこれ以降のパンクロックのお手本になった感じかな」。
(シンプルで攻撃的で、そして気持ちいい楽曲。)
ファッション的にも「セックス・ピストルズと人気を二分していた」。
セックス・ピストルズは曲もファッションも「ちょっと人を食ったようなシニカルな姿勢が売りだった」が、The Clashは「同じ反体制でも、「よりマジでガチでストレートな印象」。
ピストルズが「破れたTシャツ、安全ピンなどの子どもっぽいアイテムを身につけて人を食っていた」のに対して、The Clashは「マジに革ジャン&リーゼントみたいな感じだった」。
ここでバンドの「簡単なプロフィール」を。
70年代初頭のロンドンは、パブロック、ジャズ、そのほかのアンダーグラウンドなバンドでひしめいていた。
その中でのちにパンクにジャンル分けされるLONDON SSで活躍したミック・ジョーンズらはバンド解散後、新しいバンド結成のためにメンバーを探し始める。パブロック・バンド、101'ers に所属していたドラマー、ジョー・ストラマーをスカウト。彼はセックス・ピストルズを見て、「これからはパンクの時代が来る!」と判断して、新バンドへの合流を決意。
1976年6月に、のちに三大バンドと言われるようになるThe Clash結成。
そして7月に、シェフィールドのクラブでのセックス・ピストルズのギグに登場してステージデビュー。
The Clash Live in München 1977
(これは、1977年、ミュンヘンでのライブ)
次は、「彼らのデビューシングル」、「White Riot 白い暴動」(1977年、デビューアルバム『The Clash 白い暴動』)。
スピッツが結成当時よく対バンしていたクラップスというバンドがよくカバーしていたそうだ。
草野「スピッツにとっては、最初に友達になったバンドなんですよね。みんな元気かなあ」
80年代後半の日本のバンドブームの、とくにパンク系のバンドにとっては、「よくこういう曲やってたなあ、というひな型のような曲」。
(「1987→」のイントロを聴いたとき、この曲が蘇った私です。次はこの曲のMV。)
The Clash - White Riot (Official Video)
メッセージコーナー。
「草野マサムネにドラマ出演の依頼」について。
「演技なんてできないと断ったそうですが・・・、もしエキストラで出演するなら、どんな役がいいですか。ラーメン屋の店主とか、飲み屋で盛り上がってるサラリーマンとか、遊園地の家族連れとか、すごい怪物から逃げまどう民衆の一人とか、時代劇で町民をやるのもおもしろそう」と。(ふむふむ)
草野くんはギターを持っていると安心するので、「主人公がやってる親父バンドのギタリスト。もちろんセリフなんかもなくて、みんなでうなずくだけ・・・みたいのだったら楽しそうかな」。
「バンドマンとして出る」以外にはイメージがわかない、そうだ。
でも、こういうことを公共の電波で言うと、「ありがたいことにオファーが来ちゃったりするんで、なるべく言わないようにしている」そうだ。
(そのうち、実現したりして?? ないだろうなあ)
メンバーに・・・だったら?
「テツヤとかは、見た目からおのずと決まってきちゃう・・・、怪しい人(笑)。怪しいバンドのギタリストになっちゃうかな」
「田村は、半沢直樹のドラマとかでスーツ着て後ろのほうにいるビジネスマンの役とかできそうだよね」
「﨑ちゃんは、バンダナ巻いて、職人さんの役とかできそうだよね」
(・・・と、メンバーについては楽しそうに答えていましたね)
次の曲は、「デビューの翌年、本国で大ブレイクしたアルバム」から「Tommy Gun」(1978年、2ndアルバム『Give ‘Em Enough Rope 動乱(獣を野に放て)』)。
2ndアルバムはデビューアルバムに比べて、「よりストレートパンクロック」。
ブラック・サバスやブルー・オイスター・カルトなどのハードロックバンドのプロデュースで有名なサンディー・パールマンをプロデューサーに迎えたことで、「カチッと整ったサウンド」がハードロックではないかと、人によっては苦手だという人もいるなかで、「オレはすごいカッコいいと思います」。
後半には、「水戸黄門リズム(コチラ)も出てきて、そのあたりも聴きどころ」と。
次は、「彼らがアメリカでブレイクした3rdアルバムから」、「London Calling」(1979年、3rdアルバム『London Calling』)。
草野くんがリアルタイムで最初に聴いたのがこの楽曲。
パンクとかハードロックなどのジャンルもまだよくわからずに、「チープ・トリックやクイーンなどと並べて聴いていた」。
だから、このアルバムで彼らが普通のパンクロックからの脱却を試みた、ということは「あとから知った」。
オープニングのこの曲の印象的なイントロのリフを弾きながら、「あ~あなたに さようならって 言えるのは 今日だけ♪」と「22歳の別れ」を歌って、「悲しげで、すでにパンクっぽくないよね」。
2曲目はロカビリー風味で、3曲目以降はカントリーあり、フォークあり、レゲエあり、と「いろんな挑戦をしています」。
雑食系の挑戦はこのあともっと強くなるが、草野くん自身は「シンプルなパンクロックなクラッシュが好きで、さかのぼってアルバムを聴くようになった。それでも、歌詞はしっかりパンクです」。
(「London Calling」については、ココで田村くんと語り合っている)
(やっぱり歌詞の意味を知らないと、この曲は正しく味わえないんだなと、昔思った記憶がある。最初に聴いたときは、「哀愁」あふれる光景が浮かんで消えていたっけ。“This is London Calling.” はBBCが第二次世界大戦中に占領地向けの放送で使用した「This Is London Calling」(こちらロンドン)からきている・・・とは)
次は、「Let's Go Crazy」(1980年、4thアルバム『Sandinista!』)。
海外も含めてロンドン以外の3か所で録音され、最終的に3枚組になったアルバム。
草野くん自身は「パンクロックなクラッシュが好き」なんだけれど、雑食なクラッシュも音楽的におもしろく、この「Let's Go Crazy」はそんなタイプの曲。
10代のころリアルタイムで聴いたときは、「こういうラテンのアレンジはちょっと苦手だったけど、年齢を重ねたせいか、今聴くとステキに感じられる。夏の暑い日にビールをラッパ飲みしながら聴きたいですね」と。
曲終わりで、効果的に使われているスティールパンについて。
スピッツも「魔法のコトバ」のときに試してみて、「意外に合わないね~」と却下したことがあったそうで、「いつか試してみたいと思います」。
次の曲は、「オリジナルメンバーそろっての最後のアルバムから」、「Should I Stay or Should I Go ステイ・オア・ゴー」(1982年、5thアルバム『Combat Rock』)。
このアルバムが、The Clash最大のヒット作。
従来のパンクロックと、それにとらわれない曲とのバランスがとてもよく、「全体的にキャッチー、パワフルなロックアルバムの名盤」と。
サウンドもクリアで気持ちよく、この曲はとくに「パンク回帰な曲」。
(メッセージもストレートで響く)
The Clash - Should I Stay or Should I Go (Official Visualiser)
最後は、「唯一、全米チャートトップテン入りのナンバー」、「Rock the Casbah」(1982年、5thアルバム『Combat Rock』)。
ロックミュージックによる解放感、高揚感をテーマにうたった楽曲。
歌詞にアラビア由来の言葉がちりばめられていることから、湾岸戦争のときに士気を高揚させるために使われたりして、「メンバー的には大変不本意だった」そうだ。
草野「アメリカって、そういうの多い気がするね。あんまり好きじゃない政治家にキャンペーンソングとして使われちゃったりね。そういうの、ちょっと怖い気がしますけどね」
このアルバムのリリース前に、ドラムのトッパー・ヒードンさん脱退、83年には「なんとミックさんが解雇されて」、85年にラストアルバム『Cut the Crap』がリリースされたが、草野くんは「あくまで個人的な感想ですけど、クラッシュの作品と呼んでいいの?という微妙な内容だった」ということだ。
そして、86年に解散。
2002年には、ジョー・ストラマーさんが亡くなり、「再結成というのはなかなか難しい状況」だが、レアトラックの音源などはリリースされていて、相変わらずバンドの人気の高さがうかがわれる。
特集の最後に。
80年ごろの音楽雑誌で、ライブ前の彼らをレポした記事があり、そこで彼らがトイレットペーパーでネクタイを作ったりして、とてもリラックスした雰囲気だった。
草野「オレらには本番前にあんな余裕ないけど、今思えば、あれは演出だったのかな? でも、スピッツも今度(本番前に)、トイレットペーパーでネクタイを作る選手権でもやってみようかな」
(この番組で、The Clashの話題が出たり曲が流れたりするたびに、翌日電車の中で彼らのアルバム『London Calling』を聴いたりしている。明日もそうかな。2ndアルバムにするかな?)
「ちょっぴりタイムマシン」のコーナーは、the pillowsの「PIED PIPER」(2008年、15thアルバム『PIED PIPER』)。
(イントロは、「ガラクタ」)
先日特集した「ロック大陸でまだかけていない重要バンド」。「邦楽で言えば、彼らかな」と。
スピッツにとっては「顔見知りのバンド」。アマチュアのころからの対バン仲間。
the pillowsをカバーした曲をかけたことはあるけれど、the pillows自体はかけていない。
最初はバンド名をステキだなと思って、会うたびに「バンド名、いいよね」と言っていた草野くん。
アルバムがよくて、曲もサウンドもジャケットも詞もカッコいい、「当時よく聴いていました」。
(この曲を選ぶなんて、すてきだな。いつもながら、なんて艶っぽい声・・・。久しぶりにアルバムを聴きたくなった。)
(ココで彼らのパフォーマンスを見たのは、10年以上前の新木場サンセット)
(以下は、デビュー当時のライブ映像)
キミがいる/the PILLOWS
そして来週は、【ワウペダルで漫遊記】。
古くからある、エレキギターのエフェクターで、これを踏むたびに「ワーウワーウ」とか「チャカポコ チャカポコ」いう。
ZO-3できかせてくれました。(たしかに、「チャカポコ チャカポコ」と聞こえる)
そんなワウペダルを使ったロックナンバーで!
「草野さん、何回接着しても剥がれるんですけど」
(あるある。プレゼントでもらったメガネケースの中の布地。何度貼り付けても剥がれる・・・)
台風はあちこちで暴れて温帯低気圧になったようだけど。
みなさんのところでは、どうでしたか。
ここでは、いつの間にか、秋の虫たちの歌声が復活。
風が気持ちいい。