2019.2.3 21:00~
『草野マサムネのロック大陸漫遊記』
TOKYO FM
https://www.tfm.co.jp/manyuki/
スピッツは、今はスタジオワークの最中だそうで。
もともとラジオ好きな彼は何台もラジオを所有しているけれど(よく言ってますよね)、今はこの前の誕生日に番組スタッフから贈られたラジオがお気に入り。「レトロなデザイン+温かみのある音」が50代の中高年の耳に心地いいとか。
ハイファイの高音色のオーディオもいいけれど、「ミッドロウ、これだな」と感じている冬の夜だそうだ。
草野「この場を借りまして」とスタッフへのお礼(笑)。
さてさて、今夜のテーマは「大和言葉のバンド名で漫遊記」。
外来語に対する大和言葉。英語や漢語由来ではない日本古来の語句が使用されているバンド、ということですね。
草野「大和言葉のバンド名であって、日本語のバンド名というしばりではない」
つまり、「凛として時雨」も「世界の終わり」も、「凛」や「世界」が音読み、つまり漢語由来ということで、対象にはならない。「シシャモ」もアイヌ語由来なので外したそうだ。
フォークグループには以前から結構あったが(「赤い鳥」や「かぐや姫」など)、J-POP系でも案外あるんだそうだ。「ケツメイシ」とか「ゆず」・・・。
草野「『ゆず』はデビュー当時、いい名前だなあと思った」
(なかなかユニークなテーマ?)
オンエア曲
01 SUGINAMI MELODY(スピッツ)
02 カロン(ねごと)
03 オゾンのダンス(たま)
04 Disco(ミツメ)
05 風の仕業(森は生きている)
06 解(あぶらだこ)
07 メロディ(踊ってばかりの国)
08 少年(黒夢)
09 HIMITSUスパーク(カラスは真っ白)
漫遊前の一曲は、スピッツで「SUGINAMI MELODY」(2002年、26thシングル「ハネモノ」のカップリング)。
草野「最近は、スピッツのライブで使っているSEの原曲」
力みのないボーカルのハスキーな声が本当に心地よい佳曲。
個人的なことですが、10年以上前から約10年間、杉並区のはずれに仕事場を構えていました。SUGINAMIがタイトルに、ってちょっとうれしかった記憶が。
スピッツファンの知り合いも、当時ここに住んでいましたっけ。ね?
一曲目は、「今年のツアーをもって解散を発表しているバンド」、ねごとの「カロン」(2011年、デビューシングル)。
草野「4人ともステージ映えするカッコいいバンドだと思っていたので、惜しいですね」
それぞれのこれからの活躍を!という先輩バンドマンからのエール。
「ねごと・・・、いいバンド名」と。
スピッツも結成当初は大和言葉のバンド名と考えていたこともあった、と。
草野「ゆくゆくは外国のバンドに『これ、どういう意味?』ときかれるようなバンドになりたかった」
イギリス人が英語でバンド名をつけるように、普通に日本語でつける・・・というような。
草野「でも当時、『スピッツ』をこえるバンド名がなかなか思いつかなかった。『ねごと』を思いついてたら、今スピッツが『ねごと』だった可能性もあるかもしんない」
スピッツ主催のイベントにも出演していたし、映画『トリガール』の主題歌で「空も飛べるはず」をカバーしたり・・・。スピッツとのつながりも深かったガールズバンド。
この番組を視聴していたのか、メンバーのバンホーテンさやこさんがこんなツイートを。
https://twitter.com/suyaco_zz/status/1092048280865857537?s=11
次は、たまで「オゾンのダンス」(1990年、2ndシングル)。
草野「当時、音楽性でもやられたな、と思ったけれど、何より、このバンド名にやられたな」
「たま」からは、球体、魂(たましい)も思い浮かぶし、ネコの名前のようでもあり、いろいろなものを内包していて、「ステキな名前。感服しました」と。
ああ、日なたの縁側で聴いていたい。ちょっとクスクス笑ったり、のびをしたり、あくびをしたり。そんなふうな思い出にもつながるなあ。
この曲、オリコン14位だったそうだ。ある意味、スゴイ時代だろ。
そして、やっぱりこの曲を聴いたときの衝撃は忘れられないし、歌詞も怖いし、で、「今日 人類がはじめて 木星についたよ♪」が脳内をグルグルする。そして、柳原さんと知久さんのハーモニーが美しい。
たま さよなら人類
次は、ミツメで「Disco」(2012年、『eye』)。
去年の新木場サンセットに出演。
草野「地元の友達にいそうな感じで親近感のもてる佇まい。音のほうも、シンプルで、パートごとの音の隙間の見せ方がうまい、ステキなバンドサウンド」
私は別の日の新木場サンセット参加だったのだが、この日のことを知らせてくださった方のメッセージをまとめたものがココにあり。
そして、ミツメのボーカル、川辺さんが・・・。
https://twitter.com/kawabemoto/status/1092076511568355330?s=11
そして、もう解散してしまったバンドだけれど、「森は生きている」で「風の仕業」(2014年、2nd『グッド・ナイト』)。
草野くん曰く、「森は生きている」というバンド名だけで「勝利」。「少なくともオレは、『森は生きている』というバンドがいる、と知った段階で、聴かなくちゃ、と思った」そうだ。
草野「バンド名はたぶんロシアの戯曲からきていると思うが、歌詞が文学的でインテリジェンスを感じさせる。それでいてロックな屈折もあって、オレにないものをいっぱい持っている。(だからこそ?)自由な心で聴ける音楽」
この「風の仕業」は「フルートの音がとてもかわいい」と。
(芝居の「森は生きている」は、中学か高校のときに、俳優座の公演を観たっけ・・・)
そして、メッセージコーナー。
「もっと大胆に軽くいきたけれど、慎重になりすぎてしまう」というリスナーからのメッセージ。「マサムネさんは慎重派? それとも何も考えずに行動しちゃう派?」
草野「慎重に見えて、意外と何も考えずに・・・のタイプかな。チョイ慎重?」
でもリスナーさんのそういう面も自分の持ち味だから、いつかその慎重さで助かるときがあるかも、と。
16歳の若いリスナーに、「これからたくさん経験を積んで、その経験に基づいて早い決断ができるようになるかも」と、優しいおじさんの回答でした。そうだよね。
「タイムトラベラーだったら、過去に行きたい? それとも未来?」
ブラタモリ的な見方から、1500年くらい前の東京に行けるなら・・・と。
東京って坂が多いから、じつは丘や谷がかつてはあって、それが今は隠れてしまっている状態。だから、東京のもともとの地形、風景が見たい! 知りたい! と。
(なにげなくではあるけれど、自分が今いる場所の50年前、100年前、飛んで500年前とか、見てみたいとはすごく思います)
そして、1983年結成のバンド、あぶらだこの「解」(1989年、3rd『あぶらだこ』)
高校のころにはすでにインディーズシーンでは有名だったそうだ。
当時のパンクバンドのバンド名は「ここでは口にできないような」ヤバそうなのがたくさんあったが、それ以上に「あぶらだこ」という響きに、得体の知れないヤバさを勝手に感じていたんだそうだ。曲も「独自で、相当ヤバイ」。
このバンドのアルバムはすべて『あぶらだこ』というタイトルで、そのジャケットの写真から、「亀盤」「木盤」「青盤」という通称があるとか。
ちなみに3rdは「亀盤」で、「これ、名盤です」と。
でも、こんなジャケット、やだー(笑)。
次は、踊ってばかりの国で「メロディ」(2018年、5th『君のために生きていくね』)。
「森は生きている」「ヤバいTシャツ屋さん」「ゲスの極み乙女。」「夜の本気ダンス」といったバンド名が「ここ10年くらいで増えている」と。
アドリブで、スピッツも「闇夜を駆けるスピッツとか?」と言ってみたけど、イマイチ?と笑うDJ。
バンド名「踊ってばかりの国」は、90年代の女性ロックバンド、ハバナ・エキゾチカの1stアルバムのタイトルからとったそうだ。
草野「ハバナ・エキゾチカ・・・、オレ、アルバム持ってるわ」
ハバナ・エキゾチカはファンクっぽい感じだけれど、この踊ってばかりの国は「ファンクっぽさはなくて、むしろジャックスとか、初期のピンク・フロイドとかのサイケ感にポップな要素もあわさって、独特な音楽を奏でている。なんか赤いステージ照明が合いそうなバンド」と。
youtubeでライブのようすを見たけど、引きこまれますね。
次の曲は「チック・チック・チック」というらしい。
!!! / 踊ってばかりの国
最後は、黒夢で「少年」(1997年、11thシングル)。
バンド名は、当時は英語やフランス語のバンド名が多かったので「日本語で」とこだわったこと、また、前身バンドのGARNETの楽曲名からつけた、というのが有力。
日本語にこだわったことは、「この動機はよくわかるー、共感しちゃう」と。そして、バンド名をきいたときは「やられたな」と思ったそうだ。
黒夢は「最初はビジュアル系のイメージが強かった」と。
この「少年」のPVは、「ボーカルの清春くんが上半身裸で、イギー・ポップみたいなカリスマ性で歌っていて、カッコいい!」。
この曲は22年前の作品だということに驚くが、サウンドが今聴いてもカッコいい、と。
PVではなくライブシーンを。息をのんでしまう・・・。
黒夢 「少年」 Live
くるり、yonige、おとぎ話、忘れらんねえよ、MONO NO AWARE、など、ほかにも大和言葉のバンドはあるけれど、また次回に。リクエスト回で取り上げてもいいかも、ということだ。
最後に、「オレ自身はたぶん一生、スピッツというバンドのメンバーな気がするんで。でももし別のバンドを組むとしたら?と想像していろいろ楽しんでいる」と。
最近は「ハナムグリ」なんてバンド名もいいのでは?と思っているとか。歌詞(「トゲトゲの木」)にも使っているし、好きそうな語。
そして、「ちょっぴりタイムマシン」のコーナー。
「いいバンドなのにすでに解散しちゃって惜しいな」ということで、カラスは真っ白の「HIMITSUスパーク」(2015年、3rdミニアルバム『HIMITSU』)。
草野氏はかなりはまっていたそうで、このアルバムは捨て曲なし! とくにオープニング曲の「HIMITSUスパーク」は「今で言う『神曲』」と。
アニメーションをこらぼしたPVと楽曲が独特の世界を走り抜ける。
カラスは真っ白(A crow is white) "HIMITSUスパーク" (Official Music Video)
そして、来週は月一で取り上げている「ワンアーティスト特集」で、「ライドで漫遊記」。
スピッツデビュー当時は「ライド歌謡」を目指していたほど影響を受けた、イギリスのシューゲイザーのバンド。インタビューで、「ライド歌謡」、よく言ってましたね。
これも楽しみ・・・。
ホントだ!
ゆずは「柚子」だし、ケツメイシは「決明子」なんですね。
漢語由来でした・・・。納得!