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kamacci映画日記 VB-III

広島の映画館で観た映画ブログです。傾向としてイジワル型。美術展も観ています。

ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男

2018年06月26日 | ★★★☆☆

首相就任前後のチャーチルというマイナーテーマだが、日本人がアカデミー賞メイクアップ賞を取ったことで一躍名を挙げた本作。これが何と、横川シネマで上映。同館で上映前に5人以上の観客が待っているのを初めて見た。(笑)

さて、主演のゲイリー・オールドマンのことは「シド・アンド・ナンシー」から意識していて、「JFK」のオズワルドに「レオン」「ロストインスペース」「フィフス・エレメント」「ハンニバル」とエキセントリックな悪人役の印象が強かったが、いつしか「ハリポ」シリーズに出るようになり、「裏切りのサーカス」ではジョージ・スマイリー、そしてチャーチルでアカデミー賞主演男優賞って、勝ち組人生ゲームだな。
極論、鉤十字のTシャツでいきがっていたシド・ヴィシャスがウィンストン・チャーチルですよ。(笑)

かって主演女優賞を取った「メリル様のメリル様によるメリル様の」映画が批判されていたのに対し、本作のゲイリー・オールドマンは本当に彼を意識させない。顔立ちはもちろん、声も普段とは違うので、時々、目元に彼を見出すことができるだけ。

一方、アカデミー賞ばっかりにスポットライトが当たっているが、正直なところ、そこがなければ映画としてさほど面白いわけではない。
映画そのものはナチの猛進撃にダンケルクの撤退が重なり、抗戦継続か和平交渉かで揺れる英国内閣とチャーチルの決断が描かれるが、物語としては起伏に乏しい。
そうして思うと同じ戦時下の政治ドラマとして「日本のいちばん長い日」とか「ヒトラー最期の12日間」がいかに面白い映画かと再認識する。(ただし、映画に描かれるようにあそこまで和平交渉に傾いていたとは新発見。)

舞台もほとんどが室内、顔ぶれも似たようなブリトンばかりなので、その分、カメラワークと音楽が頑張って映画にメリハリをつけているのが今風。1950年代に同じテーマの映画が撮られていたら、さぞ退屈な映画だったろう。

せっかくなので、ゲイリー・オールドマンのチャーチルで「第二次世界大戦回顧録」を映画化してほしいが、上映時間は最低20時間はないとムリだな。

ところで、ジョージ6世役で出ていたベン・メンデルゾーンだが、ついてっきりナチのリッベントロップ外相役だと思っていたよ。(笑)






題名:ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男
原題:Darkest Hour
監督:ジョー・ライト
出演:ゲイリー・オールドマン、クリスティン・スコット・トーマス、リリー・ジェームス

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