kamacci映画日記 VB-III

広島の映画館で観た映画ブログです。傾向としてイジワル型。美術展も観ています。

ニューヨーク1997

2010年01月01日 | よく分かる解説
この欄は「kamacci映画日記」はマニアックすぎて分からないという閲覧者のための項目です。
よりマニアックな人は「この程度かい!」などと揶揄しないように。

ニューヨーク1997
1980年代を代表するJ・カーペンターのSFアクション映画。原題は「Escape from New York」なのだが、「ニューヨーク1997」の方がはるかにカッコいい。

1980年代、犯罪発生率上昇に業を煮やしたアメリカ政府はマンハッタン島全体を巨大な刑務所(囚人自治区)にしてしまう。
1997年、米ソ中サミットに向かう途中の大統領専用機がその中に墜落し、大統領は受刑者のボス、デュークに捕らわれてしまう。刑務所所長のホークは元軍の特殊部隊隊員で名うての犯罪者、SDプリスキン(通称:スネーク)に大統領救出を命令。スネークは恩赦と体内に埋め込まれた時限爆弾解除を条件に大統領救出に向かうというお話。

とにかく、マンハッタン島が巨大な刑務所になるというアイディアとカッコよすぎるスネークのキャラ、偉大なるマンネリのJ・カーペンターの音楽、ほどよいキッチュさとチープさ、そして青野武の吹き替えで、ワタシたちの世代のアホたんどもを惹きつけてやまない。

ひと頃のSFアクション(特にマカロニ系)に限らず、後年の映画・マンガ・ゲームに対して、この映画と「マッド・マックス2」が与えた影響は書ききれないくらい。

ところで、ワタシが結婚したのは1997年。この映画のおかげで、結婚記念日を忘れることはあっても、結婚年を忘れることはない。

and NOW...
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エンツォ・G・カステラーリ

2009年01月01日 | よく分かる解説
この欄は「kamacci映画日記」はマニアックすぎて分からないという閲覧者のための項目です。
よりマニアックな人は「この程度かい!」などと揶揄しないように。

エンツォ・G・カステラーリ(カステラッリ)
イタリアの映画監督。本名エンツォ・ギロラーミ。
父は映画監督のマリノ・ギロラーミ、叔父も映画監督のロモロ・グリリエリ、兄は俳優のエニオ・ギロラーミ、俳優のマッシモ・ヴァンニはいとこという映画一家に生まれる。
1960年代からアルベルト・デ・マルティーノやレオン・クリモフスキーに助監督として付き、1966年「荒野のお尋ね者」で監督デビュー。(E.G.ローランド名義)
その後、マカロニ・ウェスタン(「黄金の三悪人」「七人の特命隊」「ケオマ」)、マカロニ・コンバット(「空爆大作戦」「地獄のバスターズ」)、マカロニ・ポリスアクション(「超犯罪ハイクライム」「ビッグバイオレンス」)、マカロニ・SFアクション(「ブロンクス・ウォーリアーズ」「カーバイオレンス」)と撮りまくり、マカロニ・アクションの第一人者となる。
(「サンゲリア」の監督オファーもあったが、これを断り、ルシオ・フルチが監督することになった。)

「ブロンクス・ウォーリアーズ」や「カーバイオレンス」のイタリアのパクリ物の監督というイメージが強く、実際、本人も「「ニューヨーク1997」の影響を受けた」とか「「ブリット」を見て、無性に刑事物が撮りたくなった。(超犯罪ハイクライム)」などと公言している。

しかし、多くの作品で登場する「皮肉な運命の翻弄される主人公」の描き方などカステラーリ映画の見るべき点はもっとちゃんと評価されても良いと思う。

自作にもしょっちゅう顔を出しており、「イングロリアス・バスターズ」には俳優として出演している。しかし、俳優としての当たり役は何といってもTVシリーズ「戦争の嵐」のムッソリーニだろう。(このドラマ、リッベントロップ役がアントン・ディフェリングであり、彼ら2人がツーショットで登場する場面もあるのだ。)

数多くのインタビューに答えており、これらから人となりがよく分かって、なかなか面白い。

【フィルモ・グラフィー】
1966年 荒野のお尋ね者
1967年 黄金の三悪人
1968年 西部をひっくり返した3人組(日本未公開)
    ジョニー・ハムレット(DVD)
    七人の特命隊
1969年 空爆大作戦
1970年 冷酷なる瞳
1971年 エットーレ(日本未公開)
1972年 テデウム(日本未公開)
1973年 死神の骨をしゃぶれ/超犯罪ハイクライム
1974年 復讐の銃弾(ビデオ)
1975年 スカラムーシュの恋と冒険(日本未公開)
    オニオン流れ者
1976年 ビッグ・バイオレンス(TV公開)
    ケオマ/ケオマ・ザ・リベンジャー(ビデオ、TV公開)
1977年 ローマ麻薬ルート大追跡
1978年 地獄のバスターズ
1979年 シャーク・ハンター(ビデオ)
    センシヴィータ(日本未公開)
1980年 コブラ/フランコ・ネロ 殺しの罠(ビデオ)
1981年 ジョーズ・リターンズ(ビデオ)
1982年 ブロンクス・ウォーリアーズ/1990年の戦士(ビデオ、TV公開)
1983年 ブロンクスからの脱出(ビデオ)
    マッド・ファイター(ビデオ)/カーバイオレンス(TV公開)
1984年 砂漠の戦士/黒いライオン(ビデオ)
1985年 ライト・ブラスト(ビデオ)/キラー・コップ恐怖の熱線殺人(TV公開)
1986年 シンバッド(日本未公開)
1987年 炎の戦士ストライカー(ビデオ)
1989年 刑事ハマー/カリブの暑い風(ビデオ)
1991年 エクストララージ(TVシリーズ、日本未公開)
1994年 熊のジョナサン(日本未公開)
1996年 サンダカンの帰還(TV、日本未公開)
1997年 炎の砂漠(TVシリーズ、日本未公開)

【出演作】
カステラーリはちょくちょく自作に顔を出している。
超犯罪ハイクライム
 開幕で船上パーティーを取材するテレビリポーター。
ビッグ・バイオレンス
 商店主の1人。
地獄のバスターズ
 ドイツ軍士官。オープニングで「撃て!」と叫ぶ。
コブラ/フランコ・ネロ殺しの罠
 倉庫のゴロツキ。
ブロンクス・ウォーリアーズ
 社長秘書(副社長?)。ちなみに社長役は兄のエニオ・ギロラーミ。
砂漠の戦士/黒いライオン
 基地の看守
ブロンクスからの脱出
 地上げ実行部隊の通信オペレーター。

自作以外では・・・
戦争の嵐
 ベニト・ムッソリーニ
イングロリアス・バスターズ
 ドイツ将校
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死神の骨をしゃぶれ/超犯罪ハイクライム

2009年01月01日 | よく分かる解説
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死神の骨をしゃぶれ/超犯罪ハイクライム
原題:La Polizia incrimina la legge assolve(警察は逮捕し、法は逃がす)

ジェノバ警察のベッリ警部(フランコ・ネロ)は、新たに進出してきたマルセイユの麻薬コネクションの捜査を進めていた。重要参考人を激しいカーチェイスの末逮捕するが、護送中、彼の目の前で爆殺される。警察は捜査を進めるが、一方でコネクションの進出を疎ましく思う地元の犯罪組織との抗争も激化し、殺人事件が多発する。地元の犯罪組織のボス、カフィエロ(フェルナンド・レイ)もベッリに協力し、コネクションの壊滅を狙うが、その最中、事件の深い闇を知った上司のスカヴィノ警視(ジェームズ・ホイットモア)が暗殺される。執念の追跡の末、暗殺犯を逮捕するベッリ。しかしカフィエロがコネクションによって撃ち殺され、遂にはベッリの娘もコネクションの手で轢き殺される。復讐に燃えるベッリは銃撃戦の末、コネクションを一掃する。しかし事件の黒幕の存在に気付き、さらに強大な敵に向かって行くのだった。

オープニングのカーチェイスから迫力あるシーンの連続で、テンポのよい編集と音楽があわさって最後まで飽きさせないカステラーリの傑作の1つ。70年代のキーワードともいえる「ダーティー」と「バイオレンス」が満ちた作品で、この後、イタリアではマカロニ・ポリスものがブームを迎えた。ただし、同時期のハリウッドの刑事ものにも傑作が多かったことや、マカロニ・ウェスタンの何でもありの世界に比べ、現実世界の制約が生じたことなどから、マカロニ・ウェスタンほどのブームにはならなかった。ちなみに、OPのカーチェイスの曲は、「デス・プルーフ in グラインド・ハウス」でも、ここぞ!という時にかかる。

カステラーリの盟友、フランコ・ネロの刑事はマカロニウエスタンとはうって変わって「熱い」。(銃の扱いは下手だけど。)「「ブリット」を見て、無性に刑事アクションが撮りたくなった。」とインタビューで柳の下のどじょうを公言するカステラーリが、正直すぎて好き。
ベッリの娘アニー役はカステラーリ監督の娘、ステファニア。そんな彼女を無残に轢殺するカステラーリは鬼である。

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ファイヤー・フォックス

2009年01月01日 | よく分かる解説
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ファイヤー・フォックス
クレイグ・トーマス原作の冒険小説をクリント・イーストウッドが監督・主演で映画化した作品。
冷戦まっただ中、ソ連が開発した思考制御が可能な最新鋭戦闘機「ファイヤー・フォックス」ことMIG31(もちろん架空)をイーストウッド扮するパイロット、ミッチェル・ガントがソ連から盗み出すというお話。
前編はスパイスリラー、後半はドッグファイトの空中戦アクションとなる。思考制御装置は当然、ソ連製なので、ロシア語で考えないと作動しないってとこがミソだった。
ガントはベトナム戦争のトラウマを抱えているという設定なのだが、イーストウッドだとちょっとそのように見えない。(笑)ファイヤー・フォックスの黒づくめの機体と黒いパイロットスーツのイーストウッドはなかなかカッコいいのだ。(あと、音楽も)
今や、ファイヤー・フォックスといえばブラウザだけどね。(ちなみにワタシもユーザー)
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空爆大作戦

2009年01月01日 | よく分かる解説
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空爆大作戦
(原題:La Battaglia d'Inghilterra、英題:Battle Squadron、Eagles Over London)
原題からして、「空軍大戦略(Battle of Britain)」のヒットを受けて製作されたマカロニ・コンバットもの。
第二次大戦のフランス降伏直後、ドイツ軍は来たるべきイギリス侵攻に備え、コマンド部隊をダンケルクからの撤退するイギリス軍に紛れさせて、イギリス本土に潜入させる。主人公のイギリス軍将校のスティーブンス(フレデリック・スタッフォード)はこの陰謀に気付くが、撤退のどさくさで、ドイツ軍コマンド部隊は潜入に成功してしまう。やがて英国本土決戦(バトル・オブ・ブリテン)がはじまり、英独の激しい空中戦が繰り広げられる中、スティーブンスはドイツ軍コマンド部隊を追うが、破壊工作は続けられ、レーダー基地も破壊される。コマンド部隊は最後の標的として、英空軍の指令センターを攻撃するが、スティーブンスたちの活躍により破壊は免れ、英空軍も独空軍に勝利したのだった。
史実とは異なるものの、ダンケルクの撤退にスパイを紛れこませるアイディアは秀逸。こういった光るワンアイディアがマカロニものの良さだ。3倍モードでダビングを重ねても、そうは見えないドイツ軍側の面々、ルイジ・ピステリ、フランシスコ・ラバル、エドワルド・ファハルドがマカロニ的に豪華。
主人公はダンケルクでフランシスコ・ラバルに命を救われ、英本土で友情を温めるのだが、実は彼はドイツ軍のコマンドであり、最後には敵味方に分かれる。この辺の「運命によって戦わざるを得ない」というストーリー展開は、カステラーリ親方の得意とするところ。
実写、記録フィルム、ミニチュアをおり混ぜた空中戦シーンや爆破シーンはそれなりに迫力がある。画面分割シーンも当時の映画として斬新だが、画面によっては逆効果になっているあたり、カステラーリらしい。
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荒鷲の要塞

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荒鷲の要塞
アリスティア・マクリーン原作の第二次大戦スパイ・コマンドもの映画。
ノルマンディー上陸作戦の機密情報を握るアメリカ軍の将軍がドイツ領内に不時着し捕虜となる。米英混成特殊部隊が救出に向かうが、実はこの救出作戦には別の目的があった・・・
緩急織り交ぜたストーリー展開に加え、ロン・グッドウィンのカッコいいテーマ、アルプス山中を飛ぶユンカースJu52、冬季迷彩ヤッケ、アントン・ディフェリングのナチ将校、アルブスの古城、二重スパイ、MP40とMG42の大乱射、サイレンサーにブービートラップ、大爆発して宙に吹き飛ぶキューベルワーゲンといずれも楽しすぎ。
ワタシはこれを中学生の時に見て以来、戦争映画から抜け出せなくなってしまった。
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続・夕陽のガンマン

2009年01月01日 | よく分かる解説
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続・夕陽のガンマン
「マカロニ」と並んでワタシの映画日記で最も頻出する単語。(ワタシのPCは「ぞく」と入力すると、「続・夕陽のガンマン」と「続・荒野の用心棒」が単語登録してある。)マカロニ・ウェスタン(イタリア製西部劇)の代表作の1つで、「荒野の用心棒」「夕陽のガンマン」に続くセルジオ・レオーネ監督の世に言うドル3部作の3作目。

南北戦争中、強奪された20万ドルを巡り、いい奴、悪い奴、汚ねえ奴の3人がそれぞれを出し抜きつつ、お宝を狙うというストーリー。20万ドルの存在を知る悪い奴(リー・バン・クリーフ)、隠してある墓地の名を知る汚ねえ奴(イーライ・ウォラック)、墓地の名前は知らないが墓の名前は知っているいい奴(クリント・イーストウッド)が手を組んだり裏切ったりする三つ巴の人間関係が話を面白くする。

イタリア語原題の「Il Buono, il Brutto, il Cattivo(英題:The Good,Bad and the Ugly)」というタイトルの語感、原色を背景にしたカッコいいタイトル、見事な画面づくり、銃器に対するこだわり、劇中何度も使われる「人間には2種類ある。○○な人間と××な人間だ。」の名セリフ、ラストの三角決闘、そしてモリコーネの音楽と見せ場がたっぷり。

後生の映画監督に多大な影響を与え、タランティーノやスティーブン・ソマーズなど序の口。「パイレーツ・オブ・カリビアン」のゴア・ヴァービンスキー、「JSA」のパク・チャヌクなど引用された作品、影響を受けた監督は数知れず。
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アントン・ディフリング

2009年01月01日 | よく分かる解説
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アントン・ディフリング
ブロンド、色白、青い目、薄い唇と、60年代の戦争映画でナチ役として欠かせない顔だった。文字通り「ナチをやらせれば、世界一ィィィィィィィ!」
出演作は。「荒鷲の要塞」「テレマークの要塞」「誇り高き戦場」「暁の七人」「勝利への脱出」「戦争の嵐」などなど。
その風貌から東欧とか冬の森がよく似合う。さらに仁内達之の吹き替えが、これまたウォッカとおいしい料理のようによく合うのだ。(笑)

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