日時:8月30日
映画館:サロンシネマ
パンフレット:820円。タランティーノ映画の常道として、テキスト情報盛りだくさん。
1960〜70年代と言えば、映画的には夢のような時代。
さらに本作の舞台となる1969年はワタシの生まれた年でもあり、50歳になった今年、何か感じるものがある。
その1969年に起きたチャールズ・マシスン事件を背景にした、タランティーノらしさが溢れた作品。これまでの作品同様、何が起きるかわからないので、直前は一切の情報をシャットアウト。買った映画雑誌も封を開けない。
過去のタランティーノ作品
>>ヘイトフル・エイト
>>ジャンゴ/繋がれざる者
>>イングロリアス・バスターズ
>>グラインドハウスUSA版
>>デス・プルーフinグラインドハウス
デカプリオ扮するリック・ダルトンはそろそろ落ち目のTV俳優で映画俳優への転身(当時はこの格差がシビアだった)に悪戦苦闘中。
ブラピのクリフ・ブースはリックのスタントマン兼雑用係兼長年の親友。
マーゴット・ロビー(今、「キダー」と入力したのは正しい間違い。)は実在の人物シャロン・テート。
映画はこの三人の3日間をタランティーノらしいダラダラ話と得体の知れない緊張感で語る。
時系列を解体した話法はいつもながらなのだが、実話がベースにあることもあり、知識が多ければ多いほど楽しめるし、妄想と現実、カメラの向こう側とこっち側を行ったり来たりする語り口が楽しくて仕方ない。(過去と現代を行き来するのはレオーネの「ウエスタン(ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ザ・ウエスト)」とか「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」の影響だよなと改めて思わせる。)
開幕早々、アル・パチーノのエージェントがリックの経歴と映画・テレビの旧作をフォーマットとあわせてクドいほど説明してくれ、ダミアン・ルイスのスティーブ・マックイーンはシャロン・テートの男の好みを自分と比較して笑わせてくれる。
ブルース・リーとカート・ラッセル、ゾーイ・ベルのくだりはゾクゾクするようなワンカット撮影で、オチにも大笑い。
「対決!ランサー牧場」でのダルトンの撮影現場は虚実が行き交う夢のような世界。映画好きが虚構の世界に憧れるものが詰まっている。
さらに虚実織り交ぜたポスターアートやCMも楽しい。この世界では、ポスターは威勢がいいが大して面白くない「コマンチ・アップライジング」とか黒澤版「トラ!トラ!トラ!」が見られるのだろう。
監督自身この映画をおとぎ話と認めているが、ワタシも同感。もう途中から「この映画終わってほしくない、ずっとこの世界にいたい」と思わせてくれる。
イタリアに渡ったリックはそこそこの成功を収める。あのくだりはまさにワタシの大好きなマカロニ裏話のまんまだし、レオーネとコルブッチの違いが認知されていないのはバート・レイノルズが自伝で語っているとおり。それにItalian Producer役の外見はまさにセルジオ・コルブッチ!!
やはり「人間行き詰まったらマカロニウエスタン」ですね。
その後の展開は・・・。大好きですけどね。
タランティーノ映画にしては珍しく観終わった後に重苦しさがなく、何となしに希望と爽やかな気分で劇場を後にできる。あの時産まれた子はワタシと同じ歳だった・・・と思うと涙しますけど。
ところで、リックがイタリアで出たスパイアクション「ダイノマイト作戦」(時代的にはユーロクライムものじゃないかという気もするが)の監督はアントニオ・マルゲリティってことになっている。彼だったら、車のジャンプシーンはミニチュアで撮影しただろうな。どうでもいいことだけど。(笑)
映画館:サロンシネマ
パンフレット:820円。タランティーノ映画の常道として、テキスト情報盛りだくさん。
1960〜70年代と言えば、映画的には夢のような時代。
さらに本作の舞台となる1969年はワタシの生まれた年でもあり、50歳になった今年、何か感じるものがある。
その1969年に起きたチャールズ・マシスン事件を背景にした、タランティーノらしさが溢れた作品。これまでの作品同様、何が起きるかわからないので、直前は一切の情報をシャットアウト。買った映画雑誌も封を開けない。
過去のタランティーノ作品
>>ヘイトフル・エイト
>>ジャンゴ/繋がれざる者
>>イングロリアス・バスターズ
>>グラインドハウスUSA版
>>デス・プルーフinグラインドハウス
デカプリオ扮するリック・ダルトンはそろそろ落ち目のTV俳優で映画俳優への転身(当時はこの格差がシビアだった)に悪戦苦闘中。
ブラピのクリフ・ブースはリックのスタントマン兼雑用係兼長年の親友。
マーゴット・ロビー(今、「キダー」と入力したのは正しい間違い。)は実在の人物シャロン・テート。
映画はこの三人の3日間をタランティーノらしいダラダラ話と得体の知れない緊張感で語る。
時系列を解体した話法はいつもながらなのだが、実話がベースにあることもあり、知識が多ければ多いほど楽しめるし、妄想と現実、カメラの向こう側とこっち側を行ったり来たりする語り口が楽しくて仕方ない。(過去と現代を行き来するのはレオーネの「ウエスタン(ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ザ・ウエスト)」とか「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」の影響だよなと改めて思わせる。)
開幕早々、アル・パチーノのエージェントがリックの経歴と映画・テレビの旧作をフォーマットとあわせてクドいほど説明してくれ、ダミアン・ルイスのスティーブ・マックイーンはシャロン・テートの男の好みを自分と比較して笑わせてくれる。
ブルース・リーとカート・ラッセル、ゾーイ・ベルのくだりはゾクゾクするようなワンカット撮影で、オチにも大笑い。
「対決!ランサー牧場」でのダルトンの撮影現場は虚実が行き交う夢のような世界。映画好きが虚構の世界に憧れるものが詰まっている。
さらに虚実織り交ぜたポスターアートやCMも楽しい。この世界では、ポスターは威勢がいいが大して面白くない「コマンチ・アップライジング」とか黒澤版「トラ!トラ!トラ!」が見られるのだろう。
監督自身この映画をおとぎ話と認めているが、ワタシも同感。もう途中から「この映画終わってほしくない、ずっとこの世界にいたい」と思わせてくれる。
イタリアに渡ったリックはそこそこの成功を収める。あのくだりはまさにワタシの大好きなマカロニ裏話のまんまだし、レオーネとコルブッチの違いが認知されていないのはバート・レイノルズが自伝で語っているとおり。それにItalian Producer役の外見はまさにセルジオ・コルブッチ!!
やはり「人間行き詰まったらマカロニウエスタン」ですね。
その後の展開は・・・。大好きですけどね。
タランティーノ映画にしては珍しく観終わった後に重苦しさがなく、何となしに希望と爽やかな気分で劇場を後にできる。あの時産まれた子はワタシと同じ歳だった・・・と思うと涙しますけど。
ところで、リックがイタリアで出たスパイアクション「ダイノマイト作戦」(時代的にはユーロクライムものじゃないかという気もするが)の監督はアントニオ・マルゲリティってことになっている。彼だったら、車のジャンプシーンはミニチュアで撮影しただろうな。どうでもいいことだけど。(笑)
題名:ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド 原題:Once Upon a Time in Hollywood 監督:クエンティン・タランティーノ 出演:レオナルド・ディカプリオ、ブラット・ピット、マーゴット・ロビー |
1969年なら「さらばネブラスカ」
テレビ公開なら「ネブラスカ無頼/殺しはジムに任せろ!」
あたりでどう?
下敷きにしていただけでした。(^_^;)
古き良き時代を 映画にしたのですね。
タランティーノ監督は、セルジオ・レオーネ監督「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ザ・ウェスト」を見て映画監督になろうと思ったらしく、本作でもご愛敬でイタリア映画をこき下ろしていました。