若林奮の紙芝居

図録に載っているものを個人的にスキャンして保存してあるのですが、プロの作品だからこのままブログに上げていいのかどうかわかりません。本を開いた状態で写真に撮ってのせます。

2003年の秋から2004年の正月にかけて、新潟市の美術館で「作家からの贈り物展」がありました。作家たちが家族(主に自分の子ども)のために作ったおもちゃ類の展示です。見に行って、ひどく気に入って、図録を買いました。作家別のミニブックと全体のカタログとが箱に入っていました。箱そのものは捨ててしまいましたが、中に入っている冊子類は、いつも使う引き出しの奥底に入れてあり、忘れた頃に取り出しては飽かず眺めています。どれも、私の頭の中のどこかのスイッチをON・OFF・ON・OFF するような刺激をくれます。

特に気に入ったのが、若林奮(いさむ)の作品で、二人の娘を主人公にしたミニ絵本や紙芝居です。ガラスケースの前で、私はひどく興奮してしまいました。が、この作家は、この展覧会が始まる直前に亡くなられたそうで、悲しいです。
で、紙芝居「かたつむりよりはやい」がミニ本の中に写真として収められているのですが、これがとても楽しいのです。「1、かたつむりより はやい あり」「2、あり より はやい さえこ、かおう(二人の娘さんのことか)」「3、かおう、さえこ より はやい ねこ。 ねこより はやい ねずみ」「4、ねずみ より はやい きりん」~~~ときて、 7 は ことばがなく、 動物や女の子が 出てきた順番に走る絵で オチです。
アニメーションがそのまま絵になっているような構成で、動物たちはもちろん右から左に向かって走っていて、紙芝居のスタイルがぴったりはまるのです。天才は、絵カードを引くという特徴から、即座にこの構成を思いついたのでしょう。手づくりのミニ舞台も向かって左が抜けるように開いている構造になっていて、もしかしたら街頭紙芝居をよく知っている方だったのかもしれません。
いつか、こういうのを自分でも作ってみたいと、眺めてはため息をついています。動物でなく、たとえば走るものがバケツやホウキ、ハサミや時計など、日用品にするとか、そうするとオチをどうしようとか、想いをめぐらせています。

 

 

 

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