口演童話とストーリーテリング

『子どもの文化を学ぶ人のために』川端 有子/編 ( 世界思想社 )
を読んで、「口演童話」が一つの項目に挙げられていることにまず驚きました。2002年の出版ですので、その時点での認識なのだなと思います。

 その中の一つとして、ストーリーテリングも紹介されています。図書館での活動として「作品重視の立場に立つ語り方」というような説明です。語りを英語で言えば「ストーリーテリング」なんだけれども、日本では特殊なやり方を指す、というふうな書き方でしたので、私にも合点がいきました。以前からこのブログに書いている「暗誦型」ですね。
 あまり手足を動かさずに一点を見つめ、活字の通り口に出していきます。

いくつか不思議に思っていることを書きます。

1、グローバル化が進んでいます。「他はどうあれ関係なく、日本の図書館ではこうなの」みたいなことがこれからいつまでも通じるのかどうか。

2、「みんなの図書館」を標榜しながら、「図書館ではこうする」と、決めたのは誰なのでしょうか。

3、これから始める方々に「このやり方がストーリーテリングで、それ以外は日本の図書館ではストーリーテリングとは言わない」と説明することに、なんの抵抗もないのでしょうか。

4、「子どもの目を見て語れるから読み聞かせよりもいい」とされていますが、それならば、丸暗記せずに本を持ち、ときどき聞き手に目線を飛ばしながら朗読するのは程度が低いということでしょうか。

5、私のように子ども時代に、暗誦型であれ、口演童話型であれ、そういう語りを聞いたことがない人間も多いです。さて、年を取って「語り」を始めようとしたときに、どちらが楽しく始められるでしょうか。

6、「語り」をする人間の根源的な願いは「語りたいことがある」から「いてもたってもいられずに口を開く」のではないでしょうか。民話ってそうして生まれていくのではないでしょうか。作品を伝えたいのならば暗記する手間をかけずに文字を心をこめて朗読すればいいような気がしますが。
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