オリジナル紙芝居作り・結果

幸運なことに、毎年、子ども手作り紙芝居を試してみるチャンスに恵まれます。

対象者は、2回とも今年は小学生だけだった。時間は、どちらも約2時間。2回合計すると、参加者は23人。全員が作ることができました。
今年は作り方の紙を配り、ちょっと説明して子どもはそれを見て作っていくようにしました。
いつも心を配るのは、最初でつまづく子どものこと。

どうしても主人公が決められないとか、主人公を動かすということに構えてしまうこと。長い絵本の話が頭にあって、それを作りたいと思うこと。
 「今どきの子どもは、自由に考えることができないらしい」と噂に聞きました。間違えることや、人と違うことを恐れ、上手に作れないと困ると萎縮したり、指図されることに慣れていること、などが考えられます。それは、「偉い先生に習ってその通りにしよう」「誰かに指摘してもらって修正しよう」という、私たちボランティアたちの姿に重なります。
子どもたちからも「~していいですか?」という声を何度も聞きました。みんな、ここから始めるのですね。

○ 最初の段階で止まった子には、主人公を何にするか聞いて、一枚目だけ私が下絵の大まかなところを書きました。その後、朝起きたらどうしたか、などと聞いて、本人が考えて本人が作っていきました。突破口を開いたように、自分でおしゃべりしながら書き加えていく様子を見るのは、楽しいです。子どもが補助なし自転車に乗れるようになった瞬間を思い出しました。
 その時、私は、膝をついてあごを机に乗せんばかりのスタイルで、子どもを下から見上げていました。これが良かったのかも。

○ 下絵を16枚、12枚、と描き続けた子もいました。下絵をコピーしてハサミで切り、ホチキスでセリフ面とくっつけて、ちいさい紙芝居に仕立てました。これは、何人にもやってあげました。いきなり「コピー、ホチキス」などと予定外のことを言い出しましたが、主催者の人もすぐ対応してくれました。
 これなら2時間コースも、全員が何かしらの形で完結できます。これを見ながら、お家で板目紙サイズも完成できます。なんといっても、ちいさい紙芝居は、おもちゃ感覚で楽しいですね。そうでした、下絵を描く紙を、A4でなくB4で用意してくださったのです。「子どもには小さ過ぎる」という配慮だったと思います。
 終わらない様子があった子には、「つづく、にして、とりあえず終わらせよう」と言って納得してもらいました。

 コピーせずに直に描いたのを切っても良かったんだけど、他人の私がそれにハサミを入れるのが、ちょっと気後れしました。自分で「なーんだ、これ、そのまま切ればいいじゃん、また作ろう」と気づいてくれるといいのだけれど。
 
○ 保護者が一緒じゃなかったのが良かったですね。余計な口を挟むのが、一番良くない。そのかわり、やはり子どもは10人が限度というところでしょう。

○ 板目紙に書き写す時に、裏面にセリフの番号を大人が書いておきました。一つ後の番号です。これで、間違う確率がぐっと減る。

○ 最初に「主人公を決める」ということからスタートしましたが、一年生には主人公という言葉が難しいらしい。キャラクター、とか、誰が、とか、言うといい。

○ 縦書きの習慣があんまり無い様子。縦に書いても左から右に行が進んだりします。下絵の時はいいことにしました。

○ 画面に番号を書くのをつい忘れてしまう子が多い。

○ 出来た紙芝居を演じるのは、みんな楽しそうだし、見るのもとても好きみたい。

○ よく書けない漢字を「教えてっ」と言われることが多かった。こっちはワープロ慣れしているので、ちょっとドキドキした。みんな全身で考えて、大人の協力を引っ張り出しながら、言葉を探している様子が、感動的だ。

○ 横から口出しされて困った子がいたので、席を替えてもらった。「物を作る時って、他の人のこと気にしないんだよ、自分のことだけ自由に考える」と言っておいた。その後、口出しした子の近くに何度も行くようにした。口を出した子も出された子も、魅力的な作品を作りました。

○ 絵本をまねして描こうとした子がいなかったのが、全員作ることができた原因の一つだと思う。去年は、絵本で止まってしまった大きい男の子がいたので。絵本を真似しないでやるのが、コツなんでしょうね。

○ 去年自宅で何枚にも描きつづけて完成させた男の子の作品を、今年、見ることができました。こうやって、できたらクレヨンか絵の具かで描いてもらい、図書館に寄贈して、皆が子どもの声を聴くことに面白さを見つけていって欲しい。「この面白さを新潟の子どもたちにも」と口にした、10年以上も前の箕面の時間を、くり返して自分に言い聞かせています。でも、自分ひとりで暴走してもいけない。
 手作りのコンクールは、子どもの応募が少なくなっている傾向があるそうだ。学校としての団体応募も良いのですが、結局、強制とかちゃんとした物を作るという圧迫感が見えてくる。そういったものから離れた作品があるといい。

○ 中学生が作った『うらしまたろう』は、今度、「豊かな海づくり大会」のイベントのときに使おうと思います。「海に関係した紙芝居」という指定なので。

○ 私のブログは、「市立図書館は職員が回覧している」そうなので、訪問施設にはこのページがご挨拶ということにします。今回は、たいへんお世話になりました。来年につなげられると良いですね。全国の子ども手作り推進派の方が、参考にしていただけますように。

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