神奈川絵美の「えみごのみ」

傘と帯と着物と

「白の日傘、お店に送りました」久保紀波さんからメールがきた。
-ご都合の良いときにどうぞ-とあったが、いてもたってもいられない。


早速、銀座のギャラリー「日々」までいただきに行ってきて、
自宅のベランダで記念撮影(笑)。

すこーし生成りがかった手織りの麻地。
軸は樫、持ち手は桜で、
するっと滑らかに仕上げてあるのに、実に良く手になじむ。


柄についている革ひもは、差していないときに手首にかけると
携帯しやすく、置き忘れも防げる。
先端もとても丁寧なつくり。

手作りなので、一本いっぽん微妙に違う紀波さんの傘。
その中でも私がいただいたものは、特に端正で、柄がすっとまっすぐで
とびきりの美人さんだと思う。


「日々」のスタッフさんが、並木通りで写真を撮ってくださった。
緊張して、ポーズもぎこちないワタシ

それでも、この後立ち寄った、銀座一丁目の「きもの 青木」さんで
お若いスタッフさんに褒められた。
「お店に入ってくるときに、傘が何てステキなんだろうって思いました。」


この日の私は……

長く眠らせてしまった型染めの小紋。
今回、半衿は真っ白にこだわって。

顔まで入れるとこんな感じですが……

まあ、室内なので色が良く出ておらず、
似合っているのか、いないのか、正直よくわかりません……

それでも、ギャラリー「日々」のスタッフさんに
帯をたいへん、褒められた。
「こういう帯、初めてみました! ……えっ、全部、織なんですか!?」
80代の男性が織ったものとお話したら、またまたビックリ。



銀座五丁目から、日本橋まで銀座通りをゆっくり散策。
(この写真は日本橋の手前)


高島屋では、浅田真央選手の写真展が。
会場内は撮影禁止(一部許可スペースあり)なので、みなこうして
ショーウインドウの写真を撮っていた。

高島屋からさらに10数分銀座通りを歩くと、三越に着く。

東日本伝統工芸展(~21日)を観るために、エレベーターを待っていたら……。


背後で、ひそひそ、ひそひそ。
悪い感じではなく、「いいわね、素敵ね」と聞こえたので、
振り向いてみると、

「とても素敵なお着物ね、とみなで話していたんですよ」
3人のご婦人がニコニコしながら立っていた。
「こちらは、紅型なの?」
  「いえいえ、草木染の型染めなんです」
-そんな、いい着物じゃないんですよ-
あまりにもお三方がにこやかで、着物を褒めてくださって、
一緒にエレベーターに乗ってもなお、いいわあ、いいわあと
他のお客さんの視線も集めてしまい、私は照れてもごもご、もじもじするばかり。

私が先に、降りたのだが、
別れ際にも 「いってらっしゃーい
実にフレンドリー。

そして扉が閉まる瞬間、
「季節に合ったの花、いいわねえ」


……?




これは、たぶんかと。(違うかな)
  4/18追記:…と書きましたが、コメントやメールで多数「藤では?」といただいて
       おります。全体では、下から上へ咲くような柄付けが目立ったので、
       桐かなと思ったのですが、
       藤ならなおさら、今の時期に合った着物ということで嬉しいです


でも、いいの、いいの。
こうして、あまり季節を主張しない小付の着物でも、
目に留めた方が季節に合った柄に見立ててくださるのって、
とってもステキなことだと思う。

私もつい、いい気分になってしまって、
(こういうテイストの着物でも、似合うんだ私、きっと!)
-これからは、柄がいーっぱいのはんなり路線にしてみようかな-

長い眠りから覚めた小紋、面目躍如たる働きである。



※久保紀波さん「アトリエkinami」のサイトはコチラ
※東日本伝統工芸展のサイト(三越内)はコチラ

コメント一覧

神奈川絵美
れいうささんへ
こんにちは
確かに! 道明のときには帯揚げは無地がいいかもですね。
秋口には、帯周りを落ち着かせて着てみたいかも
れいうささんの草木染の型染め、いつか拝見したいです~ピンクでも、あまり派手派手しくならず、着やすいのでは・・・と想像しております。

日傘・・・私も折り畳みを愛用していたのですが、
久保紀波さんのこの傘は、持ち手が優れもので、
閉じているときも携帯しやすいです
れいうさ
久保さんの日傘、やっぱり素敵ー
私はどうも日傘が邪魔に思えることが多く、折り畳みにしてしまいます。
着物を着るときは、身も心ももっと優雅にしないとダメですよねぇ

私も草木染の型染小紋を持っています。
嫁入り前に母が用意してくれたもので、「ザ・娘さん!」的ピンクなものですから、
今着るにはちょっと気恥ずかしいのですが、
春になると自然に手を通していますね。
草木染の色合いが何とも言えない美しさなのです。
絵美さん、次回は是非道明で!帯揚げは無地がいいかなあ
神奈川絵美
やのめさんへ
こんにちは
松と藤について、とてもわかりやすくご教示くださいまして
ありがとうございます!
一層、愛着がわいてきます。
>店頭で見つけることが難しい
おっしゃる通りですよね。手がかかっているものは
お値段が張りますし、そうするとそうそう売れるもの
でもないので、つくる方も控えてしまいますよね。
ネットオークション等で、時代的にやや旧めのものを
探すというのは、一つの方法ですね。
私も、見てみようと思います

ふふ、日傘はとりあえず、後姿美人を目指してみようと
(笑)
神奈川絵美
とうこさんへ
こんにちは
傘、ぜひぜひ! 実物はとても小さいのですが、
差すと絵になりますよ~

ふふ、こういう優しげな柄の着物だと、声もかけやすい
のかしら。藤といい、今回はいろいろ勉強になりました
神奈川絵美
朋百香さんへ
こんにちは
いただいた当初は、買ったものの私にはイマイチだった
かなあと思い、しまいこんで忘れてしまっていたので、
それがここにきて、活用できる! とわかると嬉しさも
倍増ってものですよね
褒めていただけるとなおさら、木にでも登りたくなります(笑)
芽生え帯、ご縁があってホントに良かったです~
神奈川絵美
香子さんへ
こんにちは
レース帯も、季節的にそろそろ、、、ですよね。
芽生え帯は、着物の藍色とマッチして
自分としては心地よいです

日傘~雨が降らなければ、ぜひ
やのめ
こんばんは
今では、型染めの小紋の良いものは、ちょっとした訪問着ほどのお値段だったり、そもそも、店頭で見つけることが難しいものになってしまっていますね。
私は、ネットオークションでアウトレットの反物を探すことが多いのですが、ちょっと個性的な総柄の小紋が多く、見るだけでも楽しいです。
もう結論が出ているようですが、お召しのおきものの模様について。松と藤は相性の良い取り合わせとして、一緒に描かれることが多い組み合わせです。日本舞踊の藤娘でも、背景は藤の絡んだ老松と決まっていますね。このおきものにも、松が一緒に書かれていることから、桐ではなく藤と判断できると思います。
日傘もとっても素敵ですね。こんな日傘をさした着物美人が歩いていたら、ついていってしまいそうです~
とうこ
端正で美しい日傘・・・本当に素敵です。
傘をよくなくす私・・・それが心配ですが、ホームページを見て、お願いしようか迷っています。
お着物、平置きの画像より、絵美さん纏われている方が、何倍も素敵!!やはり、着物は着ている姿ですね。
藤だと、私も思っていました。
お声を掛けたくなるような着姿。。。私もお見かけしたら、思わず声かけているかも!
朋百香
http://www.tomoko-358.com
絵美さま
私もー! とーっても良くお似合いだと思います。
自分ではちょっと・・・と思っていたものが、意外に
皆さんから好評だと嬉しいですよね。
芽生え帯もピッタリで、褒められるのってやっぱり
女性には嬉しいし、テンション上がります~♪
芽生え帯なかなか使えますね、良かったですよ、
お求めになって。きっと他にも合うきものがありそう
香子
仁平さんのレース帯の方が合いそうな気がしてたんですが
こうして拝見すると芽生え帯合いますねえ♪
そしてまあ、華奢でお洒落な日傘~
来月は直に拝見出来るかしら、ワクワク
神奈川絵美
セージグリーンさんへ
こんにちは
ふふ、馬子にも衣裳、野武士にも日傘、ですよ
芽生え帯をいただいたおかげで、この5年も放っておいた着物が生き返ったともいえるかな。ホント良かったです。

私、つい最近、周りの方に
「藤の柄のものを持っていないので、何か欲しいなあ」
と言い回っていたのでした
灯台下暗し、ですねぇ。
セージグリーン
まぁ、凄くお似合いではないですか!
美人傘が美しい人を更に美しく見せていますね。
芽生え帯がしっくり合っていますね。
これから歳を重ねるのに、よいパートナーができたお言う感じですよ。
桐の花は上向きに咲きますから、「藤」だと思います。(Tomokoさんが同じ事を書いていらっしゃいました、、、)
神奈川絵美
Tomokoさんへ
こんにちは~
この日傘、上背がそれほどない方でも、とてもしっくり
なじむと思いますよ~。着尺を利用しているとのことで
実物をご覧になると、小さくてびっくりされるかと思います

>桐のお花はほら、上に向かって咲きますし
そうなんですよね。
上半身アップの写真では、下から上への柄つけが
とても多いので、桐かなあと思ってしまいましたが、
まあ、小紋ですから、わかりませんよね。
小菊のような花もあるし、おっしゃる通り、
おりこうさんの春秋柄なのかもですね。
私、藤のモチーフものは何も持っていなかったので
良かったです
神奈川絵美
りらさんへ
こんにちは
この日傘、本当に美人さんで、いやなところが一つもありません。見た目も、操作性も。
小さいのですが、それがいいんんですよね。

ところで、「藤」なんですね!
この写真では、上から下がった柄部分を
載せてみたのですが
実は下から上へ向かっている柄の方が目立って
…(上半身アップ画像)。
でもまあ、小紋なので柄つけはわかりませんね。

実はメールでも、着物友から「藤かな」といただきまして・・・。
であればなおさら、今の時期に合った着物ということで
着てみて良かったです
Tomoko
風子さんの感想に同じく。笑
こういう雰囲気、今までの絵美さんの着姿には見られなかったものが現れてるみたいで、とても似合ってると思います~。
日傘も良~い風情。人さまが差し翳してるのみるとうっとりしちゃいます。
(私はチビのせいか風情よりもたたんだときの柄の長さや紫外線カット力優先で色気ナシ~/苦笑)
柄は藤ですネ。桐のお花はほら、上に向かって咲きますし藤が下がって咲くじゃないですか。菊も見えてますか?さわやかな春秋ものってイメージで重宝しそうですね~。
布も箪笥の眠りから覚めていきいきしてるのでは?
りら
ステキな日傘ですねぇ。
ホント、端正という言葉がピッタリに思えます。
もう日傘の季節なんですよね~。

そしてそして、このお着物!
一見地味っぽく感じますが、全身像を拝見すると春らしくていい雰囲気ですねぇ。
お声をかけてくださった方たちの気持ちが分かりますわぁ。

ところで、この柄、私も「藤」かな?っと思いました。
「松」と「藤」ではないでしょうか?
神奈川絵美
straycatさんへ
こんにちは
いやー、ワタシもこういうの着慣れなくて(笑)。
でもそういっていただけると、自信がつくというか、
カン違い度が高くなるというか
一年後にがらっと好みが変わっていたらどうしよう、ナンテ。

でも一方で、品好くあまり派手でない総柄の着物って
今はもう意外と見つけにくいのかも、とも思ったりします。こういうちょいレトロ感覚って、却って新鮮で、いいものですね
straycat
ほんとにお似合いです~
実を言うと、私も絵美さんのいつものイメージからはちょっと遠いかなと思っていたのですが、お写真を拝見すると実によくお似合い。
>柄がいーっぱいのはんなり路線にしてみようかな-
わー、いいですねぇ、私も・・なんて思わず無謀な事を考えてしまいました
神奈川絵美
風子さんへ
こんにちは
わー、そうですか? 調子に乗っちゃいますよ~私
こういう雰囲気の着物、考えてみれば銀座~日本橋界隈でも、あまり見られなくなったような。

三越でお声掛けくださったお三方、
「そんなにいいですか?」と聞き返したくなるほど
褒めてくださいまして、、、
「後をついていきたくなっちゃう」とまで。
やっぱりこういうテイストの着物を見る機会が
あまりないからなのかなーと思ったりしました。
風子
とってもお似合いですう~♪
しっとり やさしげ 新境地 。
絵美さんの新しい面が引き出されていますね。

そんなに褒められてしまうと ちょっと恥ずかしい
けど やっぱり うれしいですよね~。
(って 私には経験ないけれど (*^。^*))
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