神奈川絵美の「えみごのみ」

Adieu, 庭園美術館

「目黒の庭園美術館が、今月末で休館するので」
少し前に、awaiさんでばったり会った着物つながりのTさんから
思いがけない情報をいただいた。
-今、館内の公開をしていて、写真も撮れるの-

知らなかった。改修工事のために少なくとも数年は閉鎖されるそう。


少し前に書いたばかりだが、
この美術館-旧朝香宮邸-を初めて訪れたのは今から27、8年前。
高校生のときだった。
「クレー、カンディンスキー、ミロ展」という企画展で、
これがきっかけとなり、カンディンスキーに傾倒していった。
(写真は1989年に同美術館で開催されたフンデルトヴァッサー展の図録)

改めて歴史を確認したら、この美術館は今年で開館28年だそうだから、
私は開館間もないころに、訪れていたことになる。
美術展といえば、竹橋の近代美術館や上野の西洋美術館といった
大きなホールか、日本橋高島屋といったデパート内でしか観たことがなかった私にとって、
こうした、昔の邸宅を活かした美術館はとても新鮮で、強く印象に残った。



秋の雲・・・・・・


群馬から一人で出てきて、目黒駅を出たところで道に迷ってしまった。
交番で尋ねたら
若いぽっちゃりしたおまわりさんに
「その美術館、なくなっちゃったよ」とからかわれ、
真に受けて焦ってしまった・・・そんなことまで思い出した。

そしたら妙に感慨深くなって、
やっぱり一枚、記念写真を撮っておこうと思った。

シャッターを頼んだ60-70台と思われるご夫婦は、とても親切で
せっかくだからバラの前で撮りましょう、とわざわざ移動してくださった。


さっそくの、紅葉帯。
この日は夜、取材があったので、地味目の「スーツ着物」に合わせて。



1933年に建てられた旧朝香邸は、
アール・デコ調のデザインを取り入れ、
イタリア、スイス、フランスなどヨーロッパ諸国の
建材がふんだんに使われている。
左上から時計回りに、応接室、大客室、
家族の冬の憩の場だった屋上のルーフガーデン(ウィンターガーデン)、そして書斎。


照明も、アール・デコに和のテイストを加えたモダンなデザイン。

館内は混みあっていたものの、
圧倒的な優雅さがどの部屋にも漂っていて、
とても高揚した。
同時に、
27、8年前にわくわくしながら展示を観ていた
高校生の私に会えたような気もした。


ありがとう、また会える日まで・・・・・・。
邸宅公開は31日(月)まで。一般800円(庭園入場料含む)
ホームページはコチラ

コメント一覧

神奈川絵美
はつきさんへ
こんにちは
私も着物つながりのTさんから教えていただかなければ、
知らずに閉館となってしまうところでした。
残念ですが、3年後には再開館の見通しとか。

結局、私も高校、大学、社会人の間にそれぞれ1、2回ずつ位しか行かなくて・・・なので秋の定例コレクションのことも存知上げないのですが、
とても印象深い美術館です。

また会える日を、気長に待ちましょう
はつき
知りませんでした!
庭園美術館、今月末で休館とは・・・知りませんでした!がーーん。
開館したときのニュースは今でも覚えています。私が初めて行ったときも、確か秋でした。秋に定期的に朝香宮コレクションを公開していませんでしたっけ?それに大学時代に行ったのです。アールデコというのを初めて見たのもその時でしたね。
絵美さんのおかげで、知らぬ間に休館ということもなく、心の準備ができました。ありがとうございます。
神奈川絵美
すいれんさんへ
こんにちは
わぁ素敵な場所にご新居を構えるのですね。
美術館はしばらく閉鎖してしまうそうですが、
再オープンしたら母娘それぞれの想い出を
共有できる場所になりそうですね。
すいれん
http://www.tomoko-358.com
絵美さま
私、10年前には目黒に住んでいて、庭園美術館は憩いの場所でした。
懐かしいです。でもご縁があって、娘の新居が庭園美術館のそばに決まったんですよ。

神奈川絵美
環さんへ
こんにちは
こちらの情報、ありがとうございました
とーってもいい時間を過ごせました。

目黒はさすがに冒険でした(笑)。
時間はかかりますが実家から一本で浅草まで行けたので、上野や日本橋での美術展にはしばしば足を運んでいました。
逆に○馬の森のような北方面は電車があまりなくて・・・

と、いかにも東京慣れしていたかのような書き方ですが、実は当時の私、
「浅草が東京の入り口」だと思っていて・・・。
北千住や西新井は埼玉だと、かなり長い間思い込んでいました
いらっしゃったのですね。
あの素晴らしい空間にすっと馴染む色のコーデで素敵です。
それにしても27、8年前にもいらしてたなんて!
高校生が1人で上京して目黒って…ハードル高いですね。私の高校生の頃なんて○馬の森がせいぜいでした(笑)

神奈川絵美
straycatさんへ
え~、ぜんぜん気になさらないでくださーい。
私こそしょっちゅう、忘れんぼ
そうそう、ハマショー(笑)とセットで回ったのですよね。

庭園美術館、お時間あったらぜひ

straycat
絵美さん
昨日はメールで失礼しました。私、柳さんの展示は、こちらで絵美さんのレポを読んでコメントまでしてるのに、すっかり忘れておりましたスミマセン。
鶏の頭なんです~
庭園美術館、来週の月曜までなんですか。行けるといいなぁ。
神奈川絵美
りらさんへ
こんにちは
あああ、クンストハウス! 私ウィーンに行ったのに、ゼセッションとシェーンブルンとマリア・テレジア像のある美術館しか行けませんでした。もう20数年前のこと…。
でもフンデルトヴァッサーってホント、はじけていて楽しくて、私も知識はないですが好きです~

朝香宮家は芸術にも造詣が深く、自らインテリアをデザインしたりしていたようです。宮家の一日を写したフィルムも上映されていて、とても興味深かったです。
神奈川絵美
Tomokoさんへ
こんにちは
そうなんです、1カ月くらい前かなあ、タイトル変えたの。
スーツ着物は黒に見えて実は焦げ茶。仕事だったので地味ですが、帯は映えるのでなかなかおりこうさんです。
邸宅、改修されたらご一緒しましょうね
神奈川絵美
やっぴーさんへ
こんにちは
そうでしたか、M野さんとの想い出が・・・。
ここはお庭も見ごたえあるし、館内も程よい広さで(国立新美術館くらいあると疲れませんか?
お友達と行くのに良い場所ですよね。
りら
おお!
丁度今、加藤治子を久世光彦がインタビューした本を読み終わったばかりで、その中に庭園美術館のことがチラッと出てきていました。
邸宅公開、見たかったです。
そしてHundertwasser!
ウィーンでKunstHausに行ったことを思い出しました。
相変わらず詳しい知識は無いのですが、見るものとして大好きな造形です。
Tomoko
http://okakara.exblog.jp/
あら?ブログのタイトル、変わったんですね?今ごろ(?)気がつきました。木枯らし1号も吹いて、秋も本番。いいですねえ~紅葉の帯♪見る人にも秋をダイレクトに感じさせてくれる着姿、好もしい限りです。
(自分は絵は具象を描くくせに、着物は色そのものや幾何学の方が好きなんですよね。なんでかな?)
庭園美術館、再オープンを気長に待つことにいたします~♪
やっぴー
ワタシが初めて庭園美術館を訪れたのも10月でした。
(懐かしいなあ、M野さんと初めてお会いしたのよん)
そうですか、改修でしばらく見納めなんですねえ。
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