神奈川絵美の「えみごのみ」

フライングお年玉

着物を着始めて10年近くにもなると、
着尺を入手したものの、今、仕立ててもまだ着ないかな…
しまいこんで……なんてこともたびたび、ある。

で、しばらく経って
あれ、そろそろ着てみたいのに……。
着尺が見つからない、なんてことも。

実はここ数年、衣替えの度に探していたものの、
どうしても見つからなかった着尺があった。

それが、今回の大掃除で、ついに発掘。
季節の衣替え程度では出てこない、押入れの奥の方から。。。


私の記憶では、もっと起毛したビロードだと思っていたが
多少厚地だけどふかふかというほどではなかった。

つまり、記憶があてにならないほど、
昔に入手したものということ。
何と、着物を着始めて1年経つか経たないかくらいに、
ネットショップの懸賞で、ただでもらったコート地なのだ。

私は当時、38歳か39歳。
もし自分で買っているとしたら、こういう色目はまず選ばない。

うわあ、地味だけど、着物ってこういうものなのかなー
迷いつつ、
結局、あと数年後でいいや、とそのまましまいこみ

10年近く経ってしまった…

今の自分になら、合うんじゃないかな。
来冬には着られるよう、仕立てにだそう。

もう一つ。


こちらも某呉服店さんで、別の着尺を買ったときに
おまけでいただいたもの。
札には「立絽」(縦絽?)と書いてあるが、
紗のように、透け感が強い。
色は写真よりももっと暗い、臙脂系。

こちらも、紗袷や、深い紺の襦袢をあえて見せるような
長着にしてみようかな。
いただいた当初は、
いやー、長着では地味なので、夏用のコートかなあ
なーんて、呉服屋さんと話をしていたけれど。

ああ、やっぱり確実に、歳は重ねていくものだなあ。
気持ちは10年前も今も、大して変わっていないのに。


というワケで、
約10年前の自分から、今の自分へ「フライングお年玉」。
今の方が、きっと役立つ、きっと嬉しい、と先送りしてくれた、時間のいたずらだ。


おまけに

なーんと、今から26年前の、大学時代の講義ノートも発掘。
故・若桑みどり先生による、西洋美術史のノートだ。
1900年ごろの未来派から、第二次大戦後のアメリカン・ポップアートまで。
特に、マルセル・デュシャンとマックス・エルンストについては
熱弁をふるっていたことを、ノートを見て思い出した。
懐かしいなあ……。このころ、もしICレコーダーがあったら
もっと良かったのになあ……。
今後、観に行く展覧会と被っていたら、
こちらの内容も紹介したいと思います。


今年もご覧くださいまして、ありがとうございました。
31日に、期間限定の記事を投稿後、
新年最初の更新は、2日か3日になる予定です。
どうぞ、良いお年をお迎えくださいませ。

コメント一覧

神奈川絵美
sognoさんへ
こんにちは
珈琲の記事も続編を書かないと、ですね

西洋美術史は、大学の一般教養課程の一つとして
選択しました。
大人数の講座で、能動的に勉強というよりは、
セミナー感覚で、聴講していたという感じです。
でも、若桑さんの講義はとても面白かったです。
sogno
絵美さんのブログ記事では、着物の他に、健康、珈琲、そして美術関係が楽しみです。
西洋美術史、勉強されていたんですね。
神奈川絵美
香子さんへ
あっ、覚えていてくださいましたか。
ブログにも一応、載せていたんですよね。
その後、どこにしまったか忘れ去ってしまい
裏地をどうしようか、考え中です♪
神奈川絵美
セージグリーンさんへ
こんにちは
いやはや、今、見つかってくれて良かったです。
コート地は、もう1、2年早く仕立てたかったのですが…。

若桑先生の講義は本当に、面白かったです。
革新的な方だったのですね。
もう、生(リアル)の発信を得られないのが残念です。

香子
コート地、おぼろげながら覚えてます。
そうですか、いよいよ形になるんですね。
自分のじゃないのに楽しみです~♪
セージグリーン
おぉ、タイムカプセル掘り起こしを観るかのようなお話です。
どちらも満を持してのお仕立てになりそうですね、楽しみです。
透ける着物はあこがれですが、汗かきの私には見果てぬ夢、、、他人様の着姿で涼をお裾分けいただいています。

若桑先生の講義、印象的いや、衝撃的だったことでしょうね。あの頃の保守的な体質の大学では、彼女の才能は窒息寸前だったように思います。良い環境が整い、これからという時にお亡くなりになったので、残念でなりません。

今年も楽しませて頂き、ありがとうございました。
良いお年をお迎えくださいませ。
神奈川絵美
とうこさんへ
こんにちは
>何故お祝いが、これなのだろう
あああ、わかります、わかります。
着物をお召しになるようになって、
お祝いも日の目を見て、本当に良かったですね。

私も、お祝いとは違いますが、
ただでもらったものでして
自分で選んで買うときほどのワクワク感は、
正直、当時はなかったのですが、
今になってじんわり、ありがたさを味わっています。

字はぜんぜん、美しくないですー!
子どものころピアノを習っていた割には
筆圧が弱くて、、、筆書き向きです(笑)。

とうこ
発掘品の数々、すごい!!
私は、着物を着始めて、結婚式のときに長野のかた(話せば長ーい不思議なご縁のおじさま)にいただいた上田紬を思い出し、二十数年ぶりに掘り出し、仕立てました。その時は「何故お祝いが、これなのだろう?」と正直思ったのですが・・・(ごめんなさい若気の至りです)
縦絽?のお着物の色が美しい~。
そして、絵美さんの字が美しい!!です。
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