朝早かったので暖かい着物を……
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草木染の紬に塩瀬の椿柄の帯。
ディテールは次回、ご紹介しますね。
この日からちょうど、銀座和光で
色絵磁器作家 佐藤亮さん他の工芸展が始まり(~25日)、
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ご本人もいらっしゃるとのことで、
ご挨拶に寄りました。
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暗いですが、和光の店員さんに
許可をいただいてツーショット。
国立での個展以来、2カ月ぶりの再会です。
互いの価値観や“目線”がとても近く
人生観や仕事観などで共感できることが多いので、
何だか年の離れたお兄さんのように思うことも(図々しくてスミマセン)。
今回のテーマは「歳時記」とのことで
例えば「雪」「月」「花」それぞれをモチーフにした陶板の連作
「雪月花」や、
クリスマスを意識したカラフルな染付の花入れなど、
佐藤さんならではの淡彩色で、四季の風景がファンタジックに
表現されている作品がたくさん。
そのほとんどに、「小鳥」が居ます。
4年ほど前になりますが、初めて和光の展示でお会いしたときにも
「鳥は守り神」なんです、と。
「花や、風を、鳥に守ってもらっている-そういうテーマというか、
思いが昔からあって」
私が今までにいただいた作品にも
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愛嬌のある小鳥がいます。
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こちらはシルエットで(写真左)。
今年の春先に創ってくださった
『銀河鉄道の夜』をテーマにした小鉢にも
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佐藤さんが手紙に「ジョバンニとカムパネルラの友情に思いを重ね、鳥に託して」と
書いてくださった通り、見守るように、そこにいます。
花守りや、防人など、人にもそういう役割の人はいるけれど。
創作の世界では、翼があって飛べる分、上から見渡せる分、
鳥の方が軽やかで、自由なイメージがあります。
人として…ままならぬなら、いっそ、小鳥に。
美しい作品を眺めていながら、ほんの少しの間、
大人げない寂しさに囚われた私の心を引き戻してくれたのは、
「これをぜひ、神奈川さんに観ていただきたくて」との佐藤さんの言葉。
「あれから僕、インスピレーションを得て
続作を創ったんですよ」と、今回の展示作品の中から一客の茶碗を
指さして。
雰囲気は、私がいただいた写真左の小鉢に似ているのですが、
さらに物語を豊かに盛り込んだような、賑やかな感じのお茶碗。
(商品のため、画像はありませんので、展示に行かれる方は
観てみてくださいね)
「絵美さんのおかげで、銀河鉄道という新たなテーマが僕の中に
できました」と、御礼を言われ、
(お役に立てて良かった)
自分の中の、大切なものを見失いそうになる不安が少し、和らぎました。