9月も5日を過ぎたが、迷わず能登上布を選んだ。
この夏、何度も着ているのに、
お仕立てくださった山本きもの工房に、「生」の着姿を見せていなかったので…。
同じく工房でご縁をいただいた帯を締め、
いざ、横浜へ。
-暑い中、来てくださって…。-
山本夫妻とお会いするのは、約2カ月ぶりだ。
空調が効いていて、窓が開いているはずもないのに、
どこか「風」を感じる、この空間。
そう、12日まで西表島在住の若い染織家、亀田恭子さんの
作品展が行われているのだ。
私がこの日締めた帯も、彼女の作品。
シアーな色遣いで、顔うつりがとても良いショールを中心に、
秋めいた落ち着きのあるアースカラーのショールやマフラーもいろいろと。
東京の美術系大学を卒業後、沖縄へ渡り、
修行の後1995年に独立。
つきつめてこだわり抜いて、眉間にシワ寄せて…というよりは、
自身の感性を信じて大らかに、「キレイ」と思ったものを自然体で創りだす。
今まで何度か、山本秀司さんにお話しを伺って、
私は勝手ながら、そんな彼女の像を頭の中に描いている。
作品はシーズンレスだったり、夏物もあったりするのだけど、
眺めていると何となく、
頑固に居座っていた今夏の陽射しに、そっと旅立ちを促すかのような
実りをたたえた優しい土や、憂いを含んだ水や風が、透けて見えるような気がした。
亀田恭子展は12日まで。詳細は山本きもの工房のブログをご覧ください。
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