神奈川絵美の「えみごのみ」

夜 間 "避" 行 のその後

(前回の続き)

夕刻の東京ミッドタウンガーデン


左上に飛行機が!

クリスマスの時期くらいしか歩かないエリアですが
少し暑さもやわらいだし、暗くなる前に散歩を、と
一度入ったガレリアの反対側から出て……


この景色に出合えただけでも、いい気分転換になりました。



さて、今回のお目当ては

大阪市立美術館コレクションだったのですが
この日はウィークエンドで閉館時刻が遅かったので

せっかくだからと先にこちらを

富士フィルムスクエアで開催中の、植田正治(しょうじ)氏の写真展。
こちら、予想以上に胸を打つものでした。


私はカメラには疎いのですが
ベス単と呼ばれる、大正時代に流行ったメカによる作品だそうで
このくすんだような色や、ソフトフォーカス加減が
私の幼少~小学低学年ころのカラー写真のマチエールに
とても似ていると感じて。

懐かしさのあまり、思わず涙が込み上げてきました。

小さな展示で、さっと見るだけなら5分もあれば十分ですが
個人的に、ノスタルジーに浸りたい方にはおススメです。会期は28日まで。



本命の、サントリー美術館の方は……

左は上村松園、右は北野恒富。

このほかにも長谷川等伯や尾形光琳、柴田是真など
私の好きな画家、工芸家がちらほら。

仏教美術から中国美術、そして日本の江戸~明治の超絶技巧まで
なかなかスパイスの効いた、ユーモラスな作品がチョイスされており
いつもサントリー美術館は私には広くて、途中で疲れたりしちゃうのですが
今回は飽きることもなく、最後まで楽しめました。

ところどころ、サントリー美術館の学芸員による
見どころコメントが掲示されていて、
「平安時代の妖怪ものの絵巻では、武力ではなく論破で退治した」とか
「これは尾形乾山が、光琳の度重なる借金(そして返さない)を非難している手紙」
とか(文言は正確ではありません)
トリビアがたくさん。作品を興味深く観ることができました。

最後の方は、スイスの実業家であり1910年代を中心に
日本美術の蒐集に力を入れていたカザール氏の根付コレクションが並び、
撮影もOK。




というわけで、なかなか良かったです。


ミッドタウンを出ることには、外はすっかり暗くなっていて

ドラちゃんの後ろ姿が、ぼうっと浮かび上がってシュールでした。
これも、都会ならではだなあ
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