さて、青山一丁目の「アンカシェット」で
ゆったりと、2時間ほどのランチを楽しんだ後、
246の裏通りを散策しながら、外苑前まで。
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ライブ会場内では、
この時期のお約束、紫陽花が静かにお出迎え。
今回も客席がぎっしり埋まっていて、
遠目にしか観られませんでしたが、
ガクアジサイ、西洋アジサイ、そしてアナベルが
古伊万里の花瓶にバランス良く、おさまっていたような。
アルフィーのコンサートにインスパイアされたのか、
今回は“小道具”付きのトークが面白かったです。
「デビュー年のコンサートのポスターがあったので……」と
当時のポスターを披露。
残念ながらネット上には出回っていないのですが、
似たようなアングルの画像を見つけたので
↓
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このアングルで、数年幼くして
70年代のアイドルのようなやや長髪、でした。
アイドル出身ではないのに、ソングライター出身なのに
とてもフォトジェニックで、
会場から「欲しい!」の声も
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お父様が、ポスターの貼られた街角を写真撮影して
回ったという話も、頷けます。
ただ……私とBさんが示し合わせたように
反応したのは、
ヴィジュアルよりも、むしろフォント。
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どのくらいレトロかというと
これもネットで探しましたが
↓
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こんな感じです!
でも一応、私たち小学生のとき、こういうフォント
目にしているはずなのですが……
つくづく、フォントを創る人はすごいなあと思います。
今どきの若い人は、フォントはただで手に入ると
思っている向きがありますが、もっとリスペクトされるべき。
ポスターはほかにも、70年代終わりのものが計3枚披露されて、
いずれもチケット代が1000円~1500円程度だったのが
ことさら時代を感じさせました。
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曲の方は、ベースとのデュオとのことで、
スローテンポが多かったような……
私には「雨に想いを」や「雨の中で君は」といった
好んで歌われるバラードは、いつもよりゆったり遅めに感じられ
確か少し前にラジオで、循環器系を患ったとおっしゃっていたけれど
このテンポで息切れの気配も見せず、朗々と歌い上げられるのなら
今は心配ないのだろうな、と
ついメディカルライター視線で考えながら聴いていました。
特に印象に残ったのは「LAST SHOW」。
初出は82年のポップアルバムで、勢いや気合が十分に感じられる
歌唱と記憶していますが、
今回のアレンジはジャズフレーズが効いていて、
とても洒落た、余裕のある一曲になっていました。
後は「Improvise」かな…
私はやっぱり、彼の3拍子、3連系が好きなのだと思います。
「雨の中で君は」は、美術館での一目ぼれ?の歌ですが、
こちらを聴いていると、国立西洋美術館の常設展の2階、
モネの睡蓮が飾ってある周辺の景色が目に浮かびます。
あるいは砧の世田谷美術館の、庭に面した一角も。
全体的にシックで静かな選曲でしたが、
ディテールはもう忘れてしまったものの、どの曲も
情緒にあふれ、“素敵"な後味が残りました。
踊り弾けるようなバンドサウンドでないにも関わらず
声がいつにも増して明るく開放的で、
私にとっては、ある種の快活さと、温かさに包まれたような
ひとときでした。
アンコールの「あれからそしてこれから」は、
幾度となくライブで聴いているのですが
今回は何故かとても、心に残りました。