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日暮れどきの銀座四丁目。
とても久しぶりに
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もとじさんへ伺いました。
10日ほど前
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松尾鏡子先生の個展の案内が届き、
一目お会いしたい、とすぐ、唐津の先生宛にお葉書を出して。
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仕事の合間なので、洋服ですが……
そしたら先生
「あなたの葉書、(東京まで)持ってきたのよ」ですって。
嬉しくて、嬉しくて。
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松尾先生の裏表ないお人柄は、私をいつも安心させてくれて、
足元にも及びませんが、内へ内へと突き詰めていこうとする姿勢や
基本シャイなところが、似た者同士かも知れなくて。
素晴らしい家柄の奥様や、芸術家、染織作家さんに
好まれ、生地を納め、お付き合いもある中で
とりたてて箔もつかない私を気に留め、唐津での近況を
折に触れ手紙で教えてくださり、、、初めて和光の展示でお会いして
もう13年、経とうとしています。
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「これはね、最初のころに織ったもので、
〇〇屋(呉服屋さん)の奥さんに“明るすぎる”っていわれたの」
この写真では遠目なので見えませんが、
赤い糸が縞模様のように入っていて
「その糸は私が手でひいて、撚って入れているので、
はっきりした縞ではなく、濃淡があるの」
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今回の展示で(いいなあ)としばし見とれた
スカイブルー×白系の吉野格子の帯も
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「(最近は縦だけ、横だけでも吉野織というそうだけど)縦横入るのが本来で、
いかに引き攣れなく、平らになるように調整するかがとてもたいへん」
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「私はかすりが下手だから、もうやるまい、と思っていたけど」
激レアな、かすり足のある帯も。
さらに激レアな葛の帯も展示されており、
制作過程のお話もいただきましたが、
取材帰りで疲れた頭に定着させることができませんでした
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とにかく、想像を絶する手間。
松尾鏡子先生の個展は明日9日(日)まで。
次はいつになるか…なので、お着物好きな方はぜひ
手仕事の極みを直に、ご覧になってみてください。