かつて着物の「き」の字も知らなかったころと同じように、
割と「直感」で好きなものを選んでしまう。
前々から気になっていた作家ものを、
遂に「うつわ 一客」で手に入れた。
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中尾万作さんだ。
「この方、確か高温で2度焼くので、丈夫な器になるそうですね」
郡 和子さん(前回の記事参照)もよくご存知だった。
ネットでざっと調べたところ、
その独創的な染め付けで、
九谷青窯に所属していたころから人気があり、
唯一、銘を入れることを許された方だそう。
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大きさの参考にと、サインペンを並べてみた。
横の長さはほぼ同じだ。
目下、この器にはスーパーで買った沢庵と大蒜の味噌漬けを2点盛りしているが
たったそれだけなのに、
なんとまあ、洒落た和食店チックになること!
この柄をしばらく眺めていたら、
(こういう着物があればいいのにな)と思えてきた。
こんなことしたら、作家さんに失礼だろうか。
↓
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中尾万作さんの作品はしばしば
「食卓が楽しくなる器」と称される。
纏って楽しくなる着物と、料理を盛って楽しくなる器。
そこには五感をくすぐる共通点が、きっとある。