第二部は歌舞伎でもお馴染みの
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0d/4c/466d6932051365c1d79d03b8d6714c9f.jpg)
この舞台。左が雛鳥のいる妹山、右が久我之助のいる背山。
上手、下手ともに床があるのは、私は初めて。
しかも、
妹山側は織太夫さん&呂勢太夫さん、太棹が清治さんという
私にとってはこれ以上ない組み合わせで、語りを堪能しました。
最初の山の段だけでも、一演目として成立してしまうほど
緩急あり、起伏あり、で
久し振りに蓑助さんも拝見できて嬉しかったです。
母の定高と抱き合って泣くシーンは、人間かと思うほど
切羽詰まった様子がリアルにあらわされていて、
クライマックスへとどんどん引きこまれていきました。
さらに素晴らしかったのが
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/21/78/360b043fd46ccbb9a7e74ab39cc33e2a.jpg)
その後の物語、お三輪さんを遣った勘十郎さん。
やきもちを焼く様子など、ちゃきちゃきとした町娘の感じは
人間そのもの。
道行恋苧環の段は、大勢お出ましだった床の印象が薄くなるほど(すみません)
お三輪さんの存在感が大きかったです。
(でも、貫太郎さんの三味線はしっかり、聴きました)
一方、最後の金殿の段は
呂太夫さん&團七師匠の床に重みがあって、
ラストらしく、引き締まった段でした。
通し狂言でも、最後に悪役の入鹿が倒される、という場面は
出てこないのですね。
入鹿、鎌足、帝…といった、物語の中で権力争いをしている
当の本人たちの存在感が薄く
(意外と、蝦夷子が一番露出度が高かったような)
その周辺でうごめく策略と、それに翻弄される人々が
理不尽さも含めて活き活きと描かれている演目なのだなあと
つくづく思いました。