夢みる渚

（連休の中日、海の日直前、というわけで
今回はゆるーくいきます）

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「海へ行こうよ」
私の大学時代（1985～89年）は、グループであれ
一対一であれ、海がデートの定番だった。
夜中の逗子、夜明けの舞鶴、
カメラマンのロケハンに便乗しての伊豆一周、
バイト先の都心でピックアップしてもらい、夜通し走ったベイエリア。

もう遠く霞んだ想い出を、一瞬で甦らせてくれる歌が、コレだ。



杉真理さんの「夢みる渚」。
確か1982年ごろリリースの懐メロだけど、
未だに、これを聴かずして私の夏は始まらない。
今年は、日本の海にこんな穏やかさと明るさが戻りますように、という願いも込めて。

杉真理・・・すぎまり・・・女？
というほど彼（読みは　まさみち）のことを知らない人でも、
石川さゆり他が歌うCM「ウイスキーが、お好きでしょ」の作曲者と聞けば、
少しは親しみがわくかも。

彼を知った経緯は、少し変わっている。
私が中学生のとき、指を痛め通っていた整形外科で
普段は開くこともない女性週刊誌を読んでいたところ、
彼が脳の病気から回復し、復帰した、という小さな記事がたまたま目に入った。

何しろ当時は思春期で何かとデリケートに受け止める時期。
この、何者かも知らなかったミュージシャンに対し
（脳の病気なんて、さぞつらい思いをしたのだろう。助かって本当によかった）と
まるで身内のように思ったものだ。


ところが。


私は見つけてしまった。
ついこの間の帰省時に。
約30年前の音楽雑誌、巻末に彼のインタビューが載っていたのを、
たぶん当時の私は気づいていない。


「いやー、入院中はナースばかり見ていて、隣のベッドのおじいちゃんに
『あの娘かわいいですねぇ』って言ったら、『杉くん、あの娘には彼氏がいるよ』だって。」
「後輩の竹内まりやがオトコでもノー膜炎になるんですかあって見舞いにきて、
『今度デビューするんで、曲つくってもらえませんか』
って。病気したらかえって才能が花開いちゃったみたいで、曲づくりが進む、進む」
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　※文言は記事通りではありません。


・・・・・・。



闘病の実際は知る由もないが、
今なお明るいキャラクターで、夏を届けてくれる杉さんに
30年越しで一杯食わされたなあ。


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さて、話がとんでしまったが、
この歌を聴いて真っ先に思い出すのは、ドキドキするようなドライブでも、
ロマンチックなトワイライトの浜辺でもなく、


京浜急行。


男2人、女2人のグループで、三浦海岸までがたごと行った。
海そのものの想い出よりも、「とにかく電車がひたすら揺れた」という記憶ばかりが残っている。
天井につきそうなサーフボードに、潮の匂い。蛍光灯がついたり消えたりする車両。

うち1人は、風の便りでT大のとある分野の准教授になっていると知った。
彼の友達も、大手商社で海外赴任も経験し、管理職で活躍している。

私も、がんばらなきゃな。