今回は、運行や所見についてです。
【車両・運行】
○運行担当:奈良交通葛城営業所(最寄は忍海バス停)
○使用車両:1992年製の日野U-HU3KLA短尺車両が7両
○車両仕様:前ドアのみで乗客定員48名
・最前列ドア直後のみ1人掛け
・最後部5人掛け
・2列目から9列目まで通路を挟んで2+2
・2列目から9列目まで補助席有り
・正座席はリクライニング無セミハイバックシート
・もちろんフットレスト、スポット照明、100Vなどの快適装備はなし
走行距離は公式では八木駅→新宮駅で166.9km、新宮駅→八木駅は166.8kmとあり、おそらく新宮駅付近での経路の違いによるものと思われます。
停車停留所は167か所、整理券番号は109まで、所要時間は約6時間30分となっています。
途中休憩地は五條バスセンター、上野地、十津川温泉の3か所で、上野地では25分の食事休憩が入りました。
乗務は、この日のドライバー氏に伺ったところ、この路線専属で八木新宮を2往復、つまり4日ハンドルを握って1日休みのローテーションとのこと。
【沿線利用】
八木駅から近鉄御所駅までは比較的市街地を走ります。もちろんすべてのバス停に案内が入り進んでいきます。
また五條駅までの区間では沿線利用者も比較的多く、この先、5時間以上も走る車内とは思えない乗客の出入がありました。
その後、十津川村のホテル昴あたりのバス停では熊野古道を歩いた方々の乗車、国道を外れた湯の峰温泉では、温泉に向かう乗客、温泉から帰る方の乗降がありました。
【道路環境】
国道168号線も途切れ途切れではありますが、比較的工事難易度の低い個所からバイパスが造られ開通しています。
しかしながらバスは生活路線ですから、既存の集落を経由する必要性からバイパスを走るのはごく僅かです。行程の大部分はやはりこれまでの狭い道路を走るのです。
【所見】
●特急バスとは言うものの、その実態はほとんどの区間各バス停での客扱いが行われます。
特急バスらしく小さなバス停を通過するのは?と誰しも思うようですが、市街地区間のみでこの便を指定して利用する方はよっぽどの好きものだけでしょう。他のバス走ってますから。
よってバス停はすべて停車扱いでもほとんどが通過してしまう現状では問題ないでしょう。
●全区間において観光場所などの案内が入ります。
路線バスとは言え、かつて西日本鉄道で走っていた福岡~別府「ゆふ号」、黒崎~秋芳洞「あきよし号」の観光特急バスと言う種別を彷彿とさせます。
ここらあたりの施策は、この特急バスをなんとか維持していくと言うネガチィブ思考よりより、より乗ってもらおうと言うポジティブ方向の表れではないでしょうか。
途中、一番の観光地十津川村とタイアップして増々の発展を願うばかりです。
●最後に、地方公共の足として、また観光ルートの足として、道路環境の悪い路線を運行して下さっている奈良交通さん及びハンドルを握るドライバー諸氏に、敬意を表したいですね。
特にドライバー諸氏、毎日毎日、同じ道を6時間以上もハンドルを握るなんて私には到底できません。
雨の日、雪の日、対向車との離合、日々の道路環境の変化があるにもかかわらず、大きな車両を操って無事故で我々を運んでくれるのです。
ホントに頭が下がります。
これからも安全運行で、地域また観光の方々に愛されるバス路線として成長して欲しいものです。
なおデータは、公式以外のものについては、当日乗車した八木駅9:15の便から紹介しています。