カナダのホスピスってどんな様子なんでしょう。
レジスターナースとしてホスピスに勤める野々内美加さんに伺ってきました。
とても大変な勤めであろうに、「こういう環境が好き」と
語る背景に何があるのだろうと思いながらお話を聞き進めました。
BC州では、余命6カ月未満と診断された人は
パリアティブケアプログラムと呼ばれる終末医療を受ける資格が認められ
在宅でケアに必要な物(ベッドや車椅子等々)の貸与が
自己負担ゼロで受けられ、薬代もかかりません。
このプログラムは在宅で最後の時を過ごすことにフォーカスした制度だけれど、
ホスピスで過ごすことを希望する人にはアクセスコーディネーターが
それを手配してくれます。
当地のホスピスの施設は最高でも20床。
患者さん5人に1人の割合で看護師が付きます。
費用はというと、一日約$29。
支払い能力がない人には
ソーシャルワーカーが介入し、経済力に応じて0から75%の
支払いとなるそうです。
患者さんから
「明日の朝は5時半にコーヒーを飲んで、6時にシャワーを浴びたい」
という希望があれば、それを記録し、夜勤の人がそのためのケアをしてくれて、
「11時に起きてホットタブに入りたい」
と希望があれば、そのように手助けしてくれます。
夜勤も日勤も看護師の数は変わらないので可能なのだといいます。
痛みがあって、患者さん本人が痛みを取ることを望めば、
すぐに必要な鎮静剤を打ってくれます。
そういう際の一連の対応が標準化されていて、
看護師の裁量にまかされているところが大きく
医師の判断を仰がずとも処置できるので対応が素速くできる
わけです。
施設の部屋には何を持ってきても良いので、
ある人は大きなテレビとしっかりした洋服ダンスを持ってきたそうです。
家で暮らすように個々人が自由に過ごせる環境を
ホスピスで実現しようとしているんですね。
わたしの疑問を、
「人の死に日々接する仕事は大変重い感じがします。
そんな大変なお仕事をどうしてそう生き生きとできるのですか?」
と言葉にして直接伺ってみました。
Mさんは言います。
「患者さんのために」
と看護学校で教わったけれども
医療の世界の現実は違うと。
病院で患者さんは決まった時間に起きて
食事をして、順番に体を拭いてもらってと、
患者さん側が医療機関に合わせなければならない体制。
いわば
「医師や医療機関の周りで患者さんが動く」
のだけれど、
BCのホスピスでは
「患者さんが中心でその回りで医療者が動く」
というあるべき基本に立ったなケアが行えるので
フラストレーションがないのだそうです。
そしてそうしたことのできる環境のなかで
患者さん本人からも、愛する人の最後を看取った家族の人からも感謝される。
そんなことがMさんのやりがい、生きがいにつながっているのだとわかりました。
お話から学んだこと、また書かせてもらいますね。
美加さんのブログも興味深い体験満載です。
記事を楽しみにしていますね
もう少しで原稿送れると思います~!