数日前の朝日新聞デジタルに百舌鳥大塚山古墳から出土した鉄鏡について興味深い記載がありました。
鏡の両面に竜の図像が象眼されていることがわかったそうで、両面に象眼を施す鉄鏡はほかに確認例がないといいます。
両面ということは鏡面にも象眼のある竜の図像があるってことですよね。なんともカッコいいではありませんか。
百舌鳥大塚山古墳は、世界遺産である百舌鳥・古市古墳群にあった消滅古墳です。
西暦400年頃に作られたとみられる百舌鳥古墳群の中で5番目に大きい墳長168メートルの前方後円墳でしたが、昭和25年~27年に墳丘のほとんどが削り取られてしまいました。
鉄鏡といえば、やはり日田市で戦前に見つかったとされる重要文化財の金銀錯嵌珠龍文鉄鏡ですよね。
三国志の英雄である曹操の墓から出土した鏡とほぼ同じ型式であり、中国本土でも稀な最高級の鏡なのだそう。
なぜ皇帝の鏡に相応しい鉄鏡が日田から出土したのかは不明とされます。
出土地もダンワラ古墳なのかしら?
この鏡、卑弥呼が魏の皇帝から下賜された鏡の1枚であるとの説もありますね。
また、古事記における八咫鏡が気になるところです。
古事記で八咫鏡は鉄で作られた鏡と解釈可能な書かれ方をしています。
「天の安の河の川上にある堅石と天の金山の鉄を取ってこさせ、鍛冶人である天津麻羅を尋ね求め、石斯許理度売命に銘じて作らせた」と。
もし銅鏡のみならず、鉄鏡をも国産していたなら面白いのですが。
でも残念ながら八咫の寸法と一致する出土品、大型内行花文鏡は銅鏡です。
もちろん日田市出土の鉄鏡も百舌鳥大塚山古墳の鉄鏡も中国のものです。
日本にまだ鉄鏡が眠っているとすれば、未調査である大型前方後円墳に副葬されていることでしょう。
残念ながら生きている間には明かされない謎ですね・・・。
宮内庁に管理されている古墳はもう諦めるしかないですよね。
今城塚古墳は百舌鳥大塚山古墳のように消滅しなくて良かったです。
阿武山古墳は再調査、してくれないかなぁ~。