かりめろのゆったりのんびりライフ

主婦兼ライターのかりめろです♪中村吉右衛門さん、パーヴォ・ヤルヴィさんが好きです。お気軽にお立ち寄りくださいね。

お世話になった編集者の方にお会いしました(^^)

2017-05-04 | お仕事ネタ

きのうは、知りあいの俳優さんにチケットを取っていただき、

とあるお芝居を観てまいりました。

とても傑作なので、たくさんの方に見ていただきたのですが、

チケットが完売だそうで・・・・おめでとうございます。

歌舞伎とはまったくことなる現代劇ですが、

「むかしは大変だったのですね」と語る若い観客たちの言葉をきいて

昭和は遠くなりにけり、とおもったものでした。

 

さて、実はうれしい再会がありました。

お世話になった編集者の方が、観劇にこられていました。

すぐに私の顔をわかってくださって、

よもやまばなしに花がさきました。

こうした世界は、本当にご縁が大切なので、

うれしかったですね!

チケットをとってくださった俳優さんも

いろいろ真摯にお話をさせていただき、

大変光栄でした。

かれは大変勉強熱心でもあり、謙虚でもあり、

そして、非常に才能ゆたかな俳優さんなので、

きっと大成してくださると信じています。

 

さまざまなご縁に感謝しつつ、

帰途につきました。

また明日からの活力になりそうです!

 


歌舞伎の企画ってどうしたらいいんでしょうね?

2017-04-27 | お仕事ネタ

 

実は、こちらのページと、私のもともとのブログをごらんの方は

御存知だと思いますが・・。

おととい、中村勘九郎さんと七之助さん御兄弟の

赤坂大歌舞伎を見にいったのですね。

ところがこれがさんざんの出来ばえ

一言でいえば、駄作だったわけです

 

で、ちょっと私、気分が悪くなってしまって・・・

途中で失礼してしまったのですね

 

ところが、それが中村屋ファンの方々の逆鱗にふれまして、

本当に大変な目に遭いました。

ものすごくブログが炎上してしまって、もう大変

ツイッターも半分おどしまがいなことを

いってくるひとがいて、とても怖い思いをしました。

もう当面、中村屋の芝居はみたくない!という感じです。

 

中村屋ひいきの方って、あんまりいいたくないけど、

すごく熱狂的すぎるといいますか、

きっちーさまに対しても、いろいろな役者さんにたいしても、

偏見をもってらっしゃる方が多いのには閉口します。

すごく攻撃的になるひとが多くて、

正直、劇評もかきにくいところではあるんですね

うっかりしたことを書くと、もうすごいヒステリックになるし・・・

(これはおとうさまの勘三郎さんのころからそうでした。こまったものですね

 

そのブログでもいろいろお返事やら対応に追われていて、

正直夜も眠れないありさまでした

やれやれ、でも、どうやらおちついたようです。

また、ここで書いて、やきぼっくいに火がつかなければいいのですが、

ここ、一応、きっちーさま応援ブログなので、

中村屋ひいきの方はどうぞごえんりょくださいね。(きっぱり!)

 

で、そのときに、いろいろ反響をよんだのが、

「13000円でなにができるでしょう?」ということでした。

つまり、赤坂大歌舞伎の一等席が13000円なのですが、

それに値する名作を生み出すためにはどういう努力が必要で、

どれほどの傑作を生みださなくてはならないか、という企画開発についても

お話をさせていただきました。

 

歌舞伎の企画開発ってじつは結構むずかしいです。

ほとんどが古典の再演に次ぐ再演ですが、

役者さんの人気のブレイクスルーになる起爆剤になるのは、

実は新作歌舞伎だったりします。

近年だと、猿之助さんの「ワンピース」、

ちょっと前だと、勘三郎さんの「研辰の討たれ」、

さらに前だと海老蔵さんの「源氏物語」などがあげられます。

それぞれ一大ブームを巻き起こし、新しい歌舞伎ファンを掘り起こし、

また人気を再燃させているわけです。

 

ところが、松竹さんの基本的な考え方は、

「襲名と追善で稼ぐ」というやり方ですね。

これもいいことはいいことなんですけど、

役者さんにある程度負担をかけてしまいますから大変ですね。

それに、どうしてそういう価格設定にするのかわからないんですが、

さりげなく、一等席を19000円に値上げしてしまうのは、

企業努力がたりないんじゃないかと思えてならないです。

19000円って、そんなにしょっちゅう出せる大金持ちが

いま日本にどれだけいるとおもってといいたいですね。

 

だからもうちょっと、かりめろとしては

新作歌舞伎や、古典でも、「伊賀越」の「岡崎」のように、

なかなかでなかった古典の掘り起こしに積極的になってほしいとねがっています

 

きっちーさまの場合でいえば、

昨年8月の早稲田大学の記念講演でもおっしゃっていた、

「侠客春雨傘」や「鳩の平右衛門」の復活上演や、

わたしの論文でも書かせていただいた、

「奥州安達原」などの再演をお願いしたいところですね

 

 

また、かつて二代目松緑丈がやっておられたような

翻訳ものも、きっちーさまに歌舞伎化してもらいたいです。

いろいろ、きっちーさまファンの女性ファンの方にうかがうと、

「きっちーさまでロマンスものがみたい」という方、多いですね。

 

たとえば、先日オペラでみた「オセロー」なんか、

とてもきっちーさまに合うような気がします。

デズデモーナが菊之助さんだったら、さらにぴったりですよね

 

で、イアーゴは、たとえば、歌六さんでもいいし、

おもいきって猿之助さん、海老蔵さんにやってもらうとか

企画ってそういう配役の妙だったりしますので(^^)

 

そういう、ちょっと「コロンブスの卵」的な発想で

歌舞伎をとらえることも大事だと思うんですね

 

松竹、国立劇場の企画担当のみなさま、

これを読んでいたら、ぜひぜひご検討くださいませ~(^_^)/(^_^)/(^_^)/

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


論文が掲載されています!ペンネームがバレバレですが⭐😃💟

2017-04-23 | お仕事ネタ

 

「え~っ あなただったの?!この論文かいたの!?」と

呆れられそうですが、実はこちらの雑誌に、わたしの論文が掲載されました

歌舞伎学会の学会誌「歌舞伎 研究と批評」第58巻という雑誌です。

こちらで、・・・私のペンネームがバレバレですが(すみません、だまってて)

きっちーさまに関する論文をかきました



 

ハイ、実は・・・・かりめろとは、「わたし」のことだったのです!!

※でも、ここのページでは、あくまでも「かりめろ」ということで

たのしく日々のことをつづっていきたいとおもっております(^^)

よろしくお願い申し上げます<m(__)m>

 

ほんとうに、この論文が掲載されるまでには

一本映画ができそうなくらいの

いろいろなドラマがありました

でも、結果的にうまくいって本当にうれしいです

 

歌舞伎学会のみなさま、劇評家の先生方、たくさんのお仲間、諸先輩方、

後輩のみなさん、お友達のみなさま、

このブログをお読みいただいているみなさま、

そして、関係各位、また取材にご協力いただいた、

中村吉右衛門丈・奥様・事務所のみなさま、

こころより御礼を申し上げます

 

まずは、とにかく(ちょっと長い論文ですが)

お読みいただいて、

まさにきっちーさまと平成歌舞伎の関わり合いや、

これからのきっちーさまや歌舞伎界の方々の

未来像を真摯にかんがえていきたいとおもっています

 

 
もし、お買い求めいただけるようでしたら
 
こちらのHPからお買い求めいただき、
 
たくさんの方に宣伝していただけるとうれしいです
 
 
 

どうぞよろしくお願いいたします

今後とも、よろしくご指導ご鞭撻のほど、

お願い申し上げます

 

みなさまに感謝です

 

 

 

 


おかげさまで、ようやく刊行の運びに♪♪♪

2017-04-19 | お仕事ネタ

ようやく、ようやく、私の書いた論文が、刊行のはこびとなりました

出版社から連絡があり、本当にほっとしております

おもえば脱稿から1年余。

長い月日でしたが、待った甲斐がありました

みなさんにこうしてPRできますし、

いろいろな方と知り合えた段階で、

世に送り出せるのは、

神様がこの論文をとても大事におもってくださったからではないかと

ひとり考えております

 

雑誌のタイトルと、私のペンネームは・・・

もうカンのいい方ならおわかりかな?(^^)

ちょっとこのブログではナイショにしておきたいので、

お読みになりたいという方は、メッセージかコメントを

くださいませ

 

本当にいろいろな方に応援していただいて、

感謝に堪えません!

 

執筆活動は孤独、というつもりでしたが、

たくさんの方に支えられてできるのだなと思った次第。

やはり共同作業なんですね

ありがたいことです

 

21日(金)に刊行予定なので、

どうぞそれまで楽しみにおまちくださいね(^_^)/(^_^)/(^_^)/


いろいろ仰天することが!!

2017-04-13 | お仕事ネタ

いや~おもわず、「マジっすか!」といいたくなるほど

きのうは驚きの連続でした

まず、先日の歌舞伎座夜の部を拝見したおり、

「帯屋」の場面でぐぅぐぅと居眠りしていた

とある偉い劇評家の方の、劇評が

とある新聞に掲載されました

 

いや~、「こう書いてしまうか!!」という感じですね(笑)

これ、いいですけど、藤十郎さん、まわりのみなさん、どう思うんでしょぅね(クスクス)!

これ、絶対見てないことがばれますね

まぁ・・・人間ですから、パーフェクトなひとはいないですけど、

もうこの方の劇評は、信じないことにしました(笑)

そして、この方の御本などは読まないことにしました

厳しいようですが、これもまた現実

 

でも、私も襟をただしてみなくては(きっぱり)

眠くならないように、気を付けよう

そして、丁寧に感想やレポート、記事を書こう

 

もうひとつ驚くべきことは、

もうひとつ書いているブログがあるのですが、

そちらが「王家の紋章」のレポートを書いたところ、

大変なアクセス数が来てしまいました

 

本当にお礼もうしあげ、感謝したいとおもいます

 

すごかったのは、宮野真守さんのファンの方が

たくさんご来訪なさったこと

いろいろブログの感想も書いてくださり、

うれしかったですね

 

実際に、手ごたえを感じますし、ありがたいです

ブログや記事を書く身としては、俄然やる気がわいてきますね

 

本当にみなさんあってのわたしなので、

どうぞこれからもふつつかものですが

宜しくお願いいたします

 

 

 

 

 


えっ、芝翫型?!・・かりめろ、大失敗の巻(;^_^A そして「型」のおはなし。

2017-04-04 | お仕事ネタ

あーん、きのうはとてもシアワセだった歌舞伎座観劇でしたが、

きょう、大失敗をしてしまいました

 

夜の部に関しては、問題なかったのですけど、

昼の部の感想を(実は別のブログに書いています)アップしていて、

かなり辛口なことを書いてしまったのです

ところが!

あとで、知り合いの劇評家の先生が、特に「熊谷陣屋」について、

「あれは、芝翫型をモチーフにしている」と劇評をアップされたので

おもわず愕然!!

わーん どうしよ~!

なんだか「どうしてこんな不思議な演じ方をするんだろう?」と

おもっていたら、芝翫型だったとは!

 

なにがなんだかさっぱりわからない方のために解説すると、

「熊谷陣屋」というお芝居には、大きく分けてふたつの演じ方があります

 

ひとつは、きっちーさまをはじめ、いろいろな方がやっておられる「團十郎型(だんじゅうろうがた)」と

芝翫さんがこのほど襲名で復活させた「芝翫型(しかんがた)」というのがあります

 

團十郎型と芝翫型の違いは、まず顔のこしらえがちがいます。

芝翫型は赤ッ面(あかっつら)にします。

で、今回幸四郎さんがなさったのも、この赤ッ面なのです。

そして、衣裳も、黒ビロード地に赤地の裃(かみしも)を付けて、

とても派手なやり方です。でも、幸四郎さんは今回、團十郎型の衣裳です。

いろいろ細かいところで演じ方も違います。

 

たとえば、妻・相模(さがみ)への情の見せ方、

高札の扱いの仕方など・・ずいぶん違うのです。

また「十六年はひと昔」という名台詞も

團十郎型は、花道で言いますが、

芝翫型は、本舞台で言います。

ずいぶん印象がちがってきますね

 

舞台の引っ込みも違います。

團十郎型だと、丸坊主にした出家姿で、熊谷はひとりで引っ込みますが、

芝翫型だと、妻の相模(さがみ)と一緒に引っ込みます。そして髪型は

有髪(うはつ)です。

ところが、幸四郎さんは、團十郎型で、ひとりで引っ込みました。

 

どうして今回、そんな型の折衷案をとったのか、

わたしもよくわからないわけです・・・

(といって、まさか幸四郎さんに伺うわけにもいかないとおもうんですが^^)

過去には、二代目松緑丈(いまの松緑さんのおじいさまですね)が折衷型をやっていますが

評価はいろいろわかれたようですね。

でも、幸四郎さんの意図がよくわからないので、

余計に、「なぜかなぁ?なぜかなぁ?」と思っているうちに

芝居がおわってしまった、という感じだったのでした

 

とおもっていたら、幸四郎さんとしては

心情的には芝翫型で演じたかったというわけです

ビックリです!

 

そこを間違えて書くと、大変失礼になるので、

大慌てでブログを直しました。

で、もう一度、昼の部も見に行くことにしました(^^)

「幸四郎型」ということになるのかなぁ・・・。

夫婦愛をみせたい、ということなので、

あらためて、よく見たいと思いますが(^^)

 

実は、歌舞伎というのは、この「型」によって決まる、

と言っても過言ではありません。

大変奥深くて、いまだに私も、いろいろな先生に教わって

うかがっています。

 

型の違いがわかると、歌舞伎はにわかにおもしろくなるそうです。

そういう意味でも、きっちーさまの「型」へのあくなき追求は

すばらしいものがありますし、余人の追随をゆるしません

きっちーさまの舞台を通して、私もたくさん学ばせていただいています

 

この仕事を始めたころは、まだなにもかもよくわからないので

なんでもノートにメモをとってみていました(^^)

「型」にはひとつひとつ、意味があり、

歌舞伎の芝居をとてもスケール大きくする要素があります。

 

たとえば、「吉野川」の舞台ひとつとっても、

精緻な型の美しさを楽しむ芝居でもあり、

録画された方は、特に、きっちーさまの、花道でのお芝居を

よくごらんいただきたいとおもっています(^^)!

 

あー、この仕事は一生勉強です!!!がんばるぞ~(^_^)/

 

 

 

 

 


論文発行が延期に😢

2017-04-01 | お仕事ネタ

毎日、いいことばかりあるわけではなく、

ちょっと残念なお話も

実は3月末に刊行予定だった論文が、

先方の都合で、1か月のびてしまい、

4月末になってしまいました

もうかれこれ1年以上、この論文を

準備してきたので、本当に残念です( ;∀;)

 

論文になにか問題があったのかな?と

心配したのですが、そういうわけではなかったらしく、

なんでも、出版社によれば、ほかの特集の原稿が、

先週になってようやく入稿したそうで

これから校正刷りなのだそうです(怒)

 

わたしの原稿は、もう1か月以上も前に

校了しているので、なんたるお粗末!と

呆れてしまいました

 

でも、原稿の締め切りは、昨年の6月末だったので、

いかに入稿スケジュールがいい加減かということが

よくわかって、おもわず憤慨してしまいました

もしもっと時間的に余裕がある入稿スケジュールでしたら、

もっと最新情報を私の論文の中に

盛り込めたのに!と思われてなりません

プンプン、と怒ってしまいましたヽ(`Д´)ノプンプン

 

論文については、取材協力をお願いした先への

フォローもあったので、恐る恐る電話をしたら、

「心配しなくていいですよ(^^) 力作なんでしょう?

たのしみにしています(^^)」とうれしいお答え。

ココロが広くていらっしゃってありがたかったですね

 

もっと落ち込んだのは、

同じテーマで、私のお師匠でもある、先生が本をかいていたこと!!

先生の場合はもっと総論的なことでしたが、

ぜったい先生のほうが本が売れますしね。

しかも表紙は、そのテーマのお方!!!

先生には、ちゃんとそのテーマの方のことで

仁義をきっておいたので、

「先生、なんでだまってたんだろう?!」と

思わずにはいられません。

 

でも中身を読んだら、正直手前味噌ですが、

わたしの論文はすごく迫力がある、と

オットもいってくれましたし、

先生のご本も読みごたえがありますが、

わたしの論文のほうが、もっと面白い!!と

おもってしまいます(^^)

(すみません、我が子同然の論文なのです)

 

いまから4月末がまちどおしいです。

(まだ1日ですが・・・)

 

がんばります!!

 

 

 

 


資料集めに没頭♪

2017-03-26 | お仕事ネタ
いろいろただいま、次の論文、近松半二論にむけて
資料集めをしています

歌舞伎の研究本となると、
かなり古い本が多くて、
旧字体だったり、古文をひたすら
読み解くものが多いのですが、
おかげさまで、だいぶ読み慣れてきました。

あと、意外な落とし穴は、
わたしたちはどうしても日本史を
西暦でおぼえてしまっているので、
それでとらえがちですけれども、
当然ですが、明治になるまで、
日本は元号だったわけです。
なので、その元号で、作品の歴史を
とらえなくてはなりません

一度、ちゃんと年表を作らなくちゃと
おもっています

近松半二というひとは、1725年(享保10年)、
近松門左衛門の死後にうまれたので、門左衛門に
あこがれ、「近松半二(自分は門左衛門の半分にしか
いたらない、という意味ですね)」という
ペンネームを生み出しました

父・穂積以貫は儒者で、やはり
門左衛門を大変尊敬しており、
その浄瑠璃を愛読していたそうですね
そして、門左衛門がつかっていた硯(すずり)を
ゆずってもらうほどだったとか
よっぽど大好きだったのですね(^^)

この父の影響をうけて、
半二は浄瑠璃作者としての道を
あゆむわけです

半二の作品の特色としては、
いくつかあげられますが、
わたしもいくつか散見して魅せられたのは、
なんといっても、その舞台のスケールの大きさです

とくに「奥州安達原(おうしゅうあだちがはら)」や、
「本朝廿四孝(ほんちょうにじゅうしこう)」、
「妹背山婦女庭訓(いもせやまおんなていきん)」
「近江源氏先陣館(おうみげんじせんじんやかた)」
「鎌倉三代記(かまくらさんだいき)」
といった作品は、雄大で、大胆な歴史感覚を
そなえており、半二の視点のゆたかさを感じさせ、
大好きな作品です

また、今月国立で上演している、
「伊賀越道中双六(いがごえどうちゅうすごろく)」も、
半二の最晩年の傑作です

ことに、「妹背山~」は、
きっちーさまと玉三郎さんの競演で話題となった、
昨年の秀山祭(しゅうざんんさい、と読みます)の
舞台「吉野川(文楽では「山の段」)」の中継を
きょうの21時から23時まで、NHKEテレでやりますので、
ぜひ、ごらんになってみることをおすすめします



舞台装置を上手(かみて、むかって右側)に背山、
下手(しもて、むかって左側)に妹山(いもやま)、と
配置し、ふたつの家のあるじ(大判事、定高)の
こころの葛藤とぶつかりあい、そして迎える悲劇と両家の和解を、
大きな吉野川の流れにゆだねる着想は、
本当に大胆ですばらしいといえます
文字通りの傑作ですね

そしてせりふの華麗さも、半二の場合
群をぬいてすばらしいです

たとえば大判事ですが、

「げにもっとも、嫁は大和(やまと)、
聟(むこ)は紀の国、妹背の山の中に落つる吉野の川の水盃、
桜の林大島台、めでとう祝言させましょうわい」

「せがれ清船うけたまわれ、
人間最期の一念によって、
輪廻(りんね)の生(しょう)を引くとかや、
忠義に死する汝が魂魄(こんぱく)、
君父(くんぷ)の影身に付き添うて、
朝敵(ちょうてき)退治の勝軍(かちいくさ)を、
草葉の蔭より見物せよ」

といった具合に、実に流麗かつ哀切を
おびたものとなっています

この一連のセリフをきいただけで
なけてきてしまう、かりめろです

というわけで、半二の魅力を
あますことなく伝える論文にしたいと
おもいます

がんばるぞ~



早稲田大学演劇博物館にいって参りました!

2017-03-18 | お仕事ネタ
きのうは、わたしにとっては、ほんとうにメッカの、
早稲田大学演劇博物館に行ってまいりました



この独特の外観で、気持ちがほっこりしますね

こちらでは、ボランティアスタッフのガイドさんがいらっしゃることは、
みなさん、ご存知でしょうか?(^^)
私も最近になって、このスタッフの存在をしりました

そこで、きのうはお友達といっしょに、
ボランティアガイドの渡部隆さんにご案内いただき、
博物館を見てまいりました
大変、大変、勉強になりました!
(渡部さん、感謝です!基本的に、ボランティアスタッフは、金・土・日にいらっしゃるそうです)




演劇博物館は、きっちーさまの展覧会をなさったり、
講演会を主催したりと、きっちーさまとも
大変ふかいご縁があります。
きっちーさまも大学は早稲田のご出身ですしね



こちらは昨年8月4日に開催された、
きっちーさまの講演会の模様の公式フォトです(^^)
わたしももちろんいってまいりました。
素晴らしい講演会で感動しました(^_^)/



さて、いま、演劇博物館ではシェイクスピアの特集を組んでいます
博物館自体の建物が、シェイクスピアの時代に立てられた
イギリスのフォーチューン座を模して造られており、
その正面には、ラテン語で、「この世はすべて舞台」と
書かれています

日本でもみなさまご存じのとおり、
数多くのシェイクスピア劇が上演されていますが、
歌舞伎役者さんとも、とてもご縁がふかいです
古くは二世左團次、七代目幸四郎(きっちーさまのおじいさまでもあります)、
三代目寿海などが有名で、
博物館では、二代目松緑(いまの松緑さんのおじいさまですね)の
「オセロー」が展示されています

建てたのは、坪内逍遥博士です。
東京の自宅を売り払って、そのお金で、この博物館をたてたといいます。

教育者、文学者、そして「桐一葉」などの戯曲をうんだ作家としての
さまざまな顔を持った逍遥でした。

「桐一葉」では、初演の五代目歌右衛門に
自ら台詞を読み上げて演出を付けたというエピソードも
残っているくらいです。

文芸協会をたちあげ、松井須磨子や島村抱月、沢田正二郎(新国劇の創設者ですね)を擁し、
日本の演劇のさきがけをつくったのですね

博物館では、逍遥の業績をたたえて、
一室に記念の部屋をつくってありますので
ぜひごらんになってみてくださいね!



そして、こちらは、「双柿会(そうしかい)」という、
演劇博物館を支援する会です。わたしも入ろうと思っています。
年会費3000円で、大きな特典としては、
やはり、演劇博物館の蔵書の貸し出しがうけられるということです(要事前登録)
しらべものをする上では、やはりありがたいサービスですね(^^)

また、演劇博物館では、代々の歌舞伎役者さんの襲名披露の
特集を組んでいます。
昨年は雀右衛門さん、芝翫さんでしたが、
今年は、右團次さん、そして5月からは新・彦三郎さん(亀三郎さん)たちの
襲名の特集です。

今回は、右團次さんの襲名を見せていただきましたが、
右團次さんのおうちも非常に歌舞伎の発展に貢献されたのでした。
もともとは関西の大名跡で、けれん、宙乗りを得意とされていたので
いまの右團次さんにはぴったりですね
今後ますます発展をお祈りしたいと思います。

というわけで、たのしく演劇博物館をみることができ
大変満足しました
ぜひたくさんの方にもごらんいただいて、
日本の演劇史とその発展に思いをはせていただきたいとおもいます


お仕事も順調に♪

2017-03-16 | お仕事ネタ
きのうは、お世話になっている方のお仕事場へお邪魔して、
次回原稿の打ち合わせをしました
一応、テーマも決まりまして、
「よしがんばるぞ!」とはりきりました

テーマは、先日もお話した通り、
近松半二です
いろいろ文献をあたっていくことになりましたが、
いままでなかなか読んだことのない本が多くて、
むずかしそう・・・

とりあえず、本屋さんにもかよって
コツコツ文献集めをすることになりそうです

半二は浄瑠璃(人形劇ですね)作者なので、
文楽のCDやDVDも見ようとおもっていて、
いろいろ買い込んでいます。
しっかり見て聴いておかなくちゃ

打ち合わせのおわったあとは、
歌舞伎座の幕見へ。
19時から舞台を見るので、時間があいてしまったので
巳之助さんの「どんつく」をみました

「どんつく」って本当に楽しい舞踊ですね~。
どんどん、踊りのテンポが速くなっていくのが
おかしいですね!

三津五郎さんの三回忌追善なのですが、
巳之助さんがりっぱに主役をつとめており感無量
お父さまより、実はスケールの大きなところのある巳之助さん、
将来が大変たのしみです
すくすくまっすぐそだってほしいなぁ

夕食をとってから、シアタートラムの
「炎 アンサンディ」を鑑賞
麻実れいさん、渾身の舞台です!
難民キャンプの実態を赤裸々に描いた問題作で、
大変迫力があり、胸をうたれました。

ターコさんは、美しさもありますが、
かなりエキセントリックな演技も披露されており、
長年ターコさんをみてきた一人としては、
感慨深いものがありましたね!

帰ってきたのが、23時近く。
いやいやくたびれました~(^^)
でも充実感は一杯でしたね。

これからもがんばるぞ~





近松半二、という作家について考えています。

2017-03-11 | お仕事ネタ
まだそんなにアクセス数もないと思うので、
お仕事ネタをお話しますね。

実は、きっちーさま好きが嵩じて、
普通の演劇や映画についても書いているのですが、
歌舞伎のことをいろいろ研究する仕事もしています

こんど、研究論文を発表するのですが、
次回の論文をどうしようか、
ということになり、いろいろテーマを考えていました。

そこで、いろいろ思い当たったのが、
近松半二、という作家さんです

いま国立劇場で上演している、
「伊賀越道中双六」の作者でもあり、
昨年9月にきっちーさまの名演で大ヒットした歌舞伎座「吉野川」
(妹背山婦女庭訓)というお芝居の、作者でもあります。



そのほか、「奥州安達原」「日高川入相花王」
「近江源氏先陣館」などの傑作を書き残した方としても
知られています

特色は、それぞれにとてもスケールが大きく、
歴史背景などがしっかりと描きこまれており、
台詞が大変流麗であります。
また、登場人物がそれぞれドラマティックに生きている点にあります。

でも、実はこの近松半二については
くわしいことがわかっていません・・・。
半二は、この名前の通り、
近松門左衛門の弟子にあたるのですが、
彼についての研究が、ほとんどなされていないようなのです

そこで、一念発起してやってみようかと
ちょっと無謀ではあるんですが、
誰もやっていないなら、そこに鉱脈があるではないかと!
そしてきっちーさまがわたしに、ずっと歌舞伎を
みせてくださった恩返しになるのではないかと
おもったわけです

ちょっとどの資料から手を付けていいか、
わからないんですけれども・・。

いろいろなお知り合いの方のご協力を
仰ぎながら、がんばってみようと思っています。

そうなのです

実は歌舞伎って、こうした地道な研究のたまものでもあるわけですね

というわけで、今月国立劇場に通いつつ、
いろいろ図書館や資料室などに通いたいと
思っています

がんばります~