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紙を彫る。紙で染める。

喜多方会津型紀行 その2

KIMONOを染める道具「型紙」は伊勢型紙だけじゃないんダヨー!👱

おいおい突然どうしたマイケル┐⁠(⁠ ⁠∵⁠ ⁠)⁠┌



まず伊勢型紙自体も知らない方もたくさんいる中で突然大きな声で失礼しました😅
久しぶりのブログで、相変わらずテンションが迷子のマイケル型屋2110ですこんにちわ。



福島県喜多方市で伊勢型紙の仲間である会津型を見聞してまいりました。
その際の紀行文(という名の思い出日記)やっとその2です。

今回の出張は喜多方市に2泊して3日間に渡り滞在。大事なお役目であるワークショップと講演((((;゚Д゚))))ガクブル
を済ませ
それ以外の時間は何をしていたかと言うと??

会津型をフューチャーしたビッグイベント『会津型ミュージアムウィーク』の散策、そして会津型紙を保存活用する研究会の皆さんとの交流です✨

ミュージアムウィークでは喜多方市による特別展示高校生さん達の取り組みが印象的でした。



まず
前回喜多方市にお邪魔した際も立ち寄った「喜多方蔵の里」では市による特別展示がありました。

活用の原本となる実物の会津型をテーマごとに分けて展示されていました。

細かな模様
ゆるい生き物
はたまた反古紙まで

なるほど伊勢型紙とは違い、文化的資料の面が大きいため、時代背景を映したものとして型紙を見たのは新鮮でした🤔
反古紙として再利用された良家の坊ちゃんの書道の練習や、プロパガンダとしての戦争の図柄などは、まさそれ!といった感じ😌

会津型の特徴としては本来織物であるはずの絣柄をモチーフとした型紙がかなりの割合で含まれていることです。

※この展示会の展示物ではありませんが参考。

とは織物のことで、先に白生地を織った反物に型紙で模様をつける型染めとは違い、糸の状態で染色を施し、織り上げると模様が浮き出る手法です。(久留米絣などが有名)

絣柄の他に絞り柄をモチーフにした型紙も多く見受けられました。



絞りとは字のごとく白生地を糸でくくったり、板で挟んだりして絞り、(圧迫し)染料が染み込まなくなる部分を作ることで模様を浮き出す手法。
凛九では有松鳴海絞り職人の彩さんの技法でご存じの方もいるのでは😊

※彩さんの絞り作品。余計な生き物が見切れてますがお気になさらず。

絞りを模した型紙を「うるみ型」と呼んでいます。
なぜうるみ型と呼ぶのかという点で今回の展示では面白い説が書いてありました。
喜多方の地方では「浸しておく」という行為を「うるかす」と言ったりします。
使い方:食後のお茶碗はうるかしておいてね。
絞りで染めた模様は糸でキュっと引っ張られた真っ白の部分と、じんわり染色がなされ一粒一粒に滲みのような風合いが生まれる部分ができます。
水でにじむ(潤む)という言葉から「うるみ型」と呼んでいるという説が有力なようです。
私の中では有松・鳴海絞りのなるみをもじったのかと思っていました(笑)

うるみ型は2枚型(ときには何枚も)に彫り分けることで、その複雑なチクチクのシルエットを型染めすることを可能とし、なん回かに分けて藍瓶に浸して濃淡を作り、絞りの風合いに似せる表現を可能にします。

彫り分ける?
う~んよくわからない

ですよね?(^_^;)

そんなあなたのために!展示では2枚型の解説のため、小さな型紙が引っ掛けられていました。
手にとって透かして、重ね合わせて確認すると一つの模様が浮かび上がります。


↑青いのが2枚ともを一つの紙に染めた見本。


わかりやすい展示!!


しかも

この触れる型紙は市役所の方が製作したそうです!

(行政の熱い思いよ!!😍🔥)

そんなことにもいちいち感動してしまいました。



高校生さんたちの頑張りについては型屋2110のインスタグラムも覗いていただければ嬉しいです。



会津型研究会さんとの交流については、前回は偉そうにも型屋2110は現役型彫師として技術指導的な目的でお会いした皆様でしたが、今回はアートぶらりーのイベント開催中にお邪魔する形で行ってまいりました。

※行ったらめっちゃお客様に刷り込ませてる最中でした。仕上がりなかなかの逸品☆

研究会のメンバーのお一人の方には、私が平素より販売している型紙キット↓で染めたハガキのお手紙と会津型で染めた作品(型屋2110のロゴを模してある!)の激励のプレゼントまで頂き、感激しました!!😭

喜多方名物の朝ラーからまかないカレーまで😂食の面倒まで見てみていただいたり、文化財である冠木先生のお宅をぐるぐる探検したり...
もちろん会津型についても熱い議論を繰り広げましたよ!

今回は主に型紙を彫り進める方向について。
現在の鈴鹿と喜多方では彫る進行方向が反対向きだということが判明😳
(そのあたり、やってる人でないと実感はないかと思いますが、私としては天地がひっくり返るような驚愕の事実なのです!)

会津型がリアルタイムで製造されていた時代はどうだったのかを検証するため、片っ端から資料を広げたりして見直してきました。
研究会の方(会津型大好き大柄男性)とキャッキャしながらファイルを開き、端から順にしらみつぶしに型紙を拝見してきました😆

結果は、手持ちのものでは決め手になるものが見つけられずわからずじまいでしたがorz...

あー楽しかった😂😂😂



三重県鈴鹿市から遠く離れた福島県喜多方市でこんなにも染型紙を愛する人や街がある。
型紙、更には型染めにも情熱を燃やしている方々がいる。

その事実がなんとも私の胸にあたたかな火を灯してくれました...




突然の寒気で慌てて上着を買った今回の福島旅でしたが、胸の内はほくほく暖かな旅となりました☺

この度このような素晴らしい機会をいただくことができ、喜多方市担当者の皆さんには改めて心より感謝申し上げます。



後日談

会津型研究会の皆さんからは、福島の秋の恵みを宅配していただきました🍁🌾

型紙を制作するのに使う細工蝋(接着剤みたいなやつ)が、良いのがなくて〜という話を前回7月にお邪魔した際聞いていた為、今回鈴鹿からひとつだけ持参したそのお返しが
福島のお米と染織工房れんがの庭になった柿と差し入れの(の横流し)とは!🍁🍄🍁🍂🌾

なんと
なんと過分なお心遣い....😭



日々謎の食生活を送る型屋2110にとって旬のものがどれだけ貴重かつ希少なご馳走であることか!✨
妹弟子にもおすそ分けしつつ、ありがたく頂戴することにしました🙏🙏

なんだか福島に故郷がもう一つできたような気分です😍(やや気が早いか?)



長くなりましたが会津型紀行これにて閉幕🙇
今回も駄文をお読みいただきありがとうございました。
ではまた次回〜(^o^)/
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