🍁めっきり秋めいて、勝手に身体がのんびりしてしまいませんか?私だけ?
暇じゃないはずなのに、今やらなくてもいいことがやたら気になったり....
マイブームは折口信夫(民俗学)の型屋2110です。
誰?
さて
紀行文が向いてないということがわかった前回ですが、なんとかその2ぐらいでゴールまでたどり着きたいと思います(笑)
どうぞ しばらくお付き合いくださいませ。
喜多方市は、三重県鈴鹿市からおよそ6時間程かけてたどり着く福島県ののどかな町。
明治の大火の後、街は家としての蔵、お店としての蔵など蔵造りの建物が増えました。現在もその面影を残し、蔵と煉瓦が印象的な美しい街並みを保っています
そんな蔵の街の様々な場所でアートや工芸の鑑賞や体験ができるのが
「第22回蔵のまちアート・ぶらりー」
2022年10/7〜10/16
そして那須の本命本丸のイベントはアート・ぶらりー併催の
「会津型ミュージアムウィーク」
※期間同上
こちら、福島県指定重要有形民俗文化財『会津型』をフューチャーしたビックイベントなのです!
▷会津型について
とどのつまり、会津型も伊勢型紙と同じ着物などを染めるための染色用具。
伊勢型紙から技術を伝播し、株分けされて発達した、東北地方の染型紙の拠点でした。
ついに10/8(土)
オープニングイベントの日がやってきました!
前日昼過ぎから喜多方入りして会津型展示施設を見学。夜は打ち合わせ。
この日のために無い知恵を絞ってまとめた爆弾原稿を抱えつつ、まず午前中は会津型✕伊勢型紙のワークショップです!
まずは参加者には会津型からいくつからピックアップした図柄の中から1点、型を彫っていただきます。
彫師である私が何の講師をするかといえば、やはり型彫りの指導するためにいるのですが....
なぜか喜多方では私が普段使う1.5倍は厚みがある渋紙を使用するのがデフォとのことで、お手本で少し彫ってみたところ手応えがすごいっっ😅
私でさえ滑らかな線を彫り抜くのはなかなかの難しさ。
ましてや初めての方もいて、ただでさえ刃物に慣れてないだろうに鬼畜の所業か😈と様子を伺いながらヒヤヒヤ💦
こちらでは、染める時の丈夫さを優先してたどり着いた体験用の紙の厚さ、だそうです。
型紙を美しく彫る事に重きを置きがちな鈴鹿とは違う点がこんなところにあるとは驚きました。
紙の厚みに負けず、なんとか皆さん型紙を彫り上げました。東北の人は根性が違うね!
その後私が持参した伊勢型紙も使いつつ、ポーチに模様を型染めをしていきます。
↑染め方解説
布絵の具と刷毛を使って、皆さん思い思いの色や、柄の取り合わせ、レイアウトで、個性豊かなポーチを仕上げてくださいました。
わー👏👏👏👏👏👏
↑雀やツバメが会津型から。アラレや波が伊勢型紙から使用。モチーフによって厳密に分かれているわけではなく、会津型として保存管理された型紙から使うデザインを呼んでいます。なんとなく民藝臭が強く、下手カワな動物は多い気がします(笑)
さて
午後の部はついに会津型ミュージアムウィークオープニングイベントを飾る
ダブル講演のお時間です。
第一部の会津型研究会(代表)冠木昭子先生に続き、型屋2110の出番です。
(冠木先生のお衣装が素敵すぎて目が離せない!→江戸小紋の着物に先生が学生時代に制作した型染め帯。帯揚げは長板中形)
ええと結局型屋2110が何を話したかと言いますと
説明下手なのでとりあえずさわりだけそのまま掲載します😅
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改めまして三重県鈴鹿市で伊勢型紙の彫師をしております型屋2110那須恵子と申します。
先日10/1に修行丸12年を迎えまして只今13年目の中堅型彫師です。
私が喜多方市にお邪魔するのはこれで2回目です。前回は7月のことでした。その際この土地で会津型を保存活用されてきた会津型研究会のみなさま、そして会津型に思いを寄せる多くの市民の皆様と交流することとなりました。
本日は前回とは違い、実際に目の前で彫らせていただく彫刻実演を予定しておりませんので、手持ち無沙汰で落ち着きませんが、精いっぱい務めさせていただきたいと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。
本日私からは
1.伊勢型紙と会津型それぞれの魅力
2.普及活動
3.活用事例
この三つのテーマでお話をさせていただきたいと思います。
まず1.伊勢型紙と会津型それぞれの魅力について。
伊勢型紙と会津型。この二つにはどんな違いがあると思いますか?
どちらも着物などを染色するための染色道具であり技術も素材もほとんど一緒です。それもそのはず、会津型は伊勢型紙から株分けされてこの土地で広まった産業であり、彫刻技術も伊勢型紙の職人が伝えたものだからです。
ここに大まかな違いを表にまとめてみました。
最も大きな違いは、伊勢型紙は技術が継承されている一方で会津型は既に技術が途絶えていることです。
また、それぞれの最も重要な部分が伊勢型紙においては彫刻技術、つまり無形文化財であり、会津型は型紙、つまり有形文化財であるということです。
その他、この表を見ながら伊勢型紙会津型それぞれの長所や魅力について説明させていただきます。
まず、伊勢型紙の魅力について。
伊勢型紙は生きている技術ですので継承自体が非常に難しい面はありますが、常に新たな型紙を新たなデザインで生み出すことができます。素材技術用途など要件が厳しいので本物志向の手仕事の極致としての製品を生み出すことができます。
江戸小紋を代表するような遠目に無地に見えるほどの精緻な模様を彫刻できる技術が魅力です。どこまでも正確。どこまでも神経質。息が止まるような慎重な作業を積み重ねます。磨き上げられた職人技は人を感動させ、畏敬の念を感じさせることもあります。私もそのような感動に突き動かされた人間の一人です。
技術を高めるには時間がかかります。まず刃物をこしらえるのに1〜2年の修行が必要になります。また、製作に必要な道具や材料も時代と共にどんどんなくなっていき、確保するにも苦労している状態です。そのために安価な物を作る事は難しく、背に腹は代えられないからと安価な物ばかり作っていては職人が生きていけませんし、育ちません。
そういう意味では伊勢型紙を呉服業界以外の商品として活用するには高価格帯で通用するブランディングが必須になってきます。そして今まさにそこに苦労をしています。
伊勢型紙の悲哀を伝えたところで次に会津型に行きましょう!
魅力1 おおらかな健康美
まず何よりも会津型を目の当たりにして一番驚いたのは反古紙が使われているということです。
しかも堂々と!
ちなみに反古紙(ほごし)というのは使用済みの和紙のことです。いろんな文字や判がついてあったりします。
伊勢型紙でも一部反古紙を使っていた時代もありました。しかし内側にこっそりと使うだけで表に堂々と使ってあるものは見たことがありません。
あんなに堂々と文字が書いてあるのですから完全なる個人情報の漏洩です。彫ってある柄は見辛いし、型紙を使うのに支障はないのか心配になるほどです。
それが非常に面白いと感じました。
そして染色道具としては重要な模様を連続させるシステムのつけ方。これがかなり大らかであること。なんなら何の目印もないものもたくさんありそうでした。伊勢型紙でこれをやったら親方にど叱られてしまいます。
勘違いをしないでいただきたいのは今までの説明は全て褒め言葉という事です。
紙だって大変貴重だったから大切に使ってた証拠だし、目印が適当で柄が歪んでいるのも愛嬌があって素朴で、なんだかかわいいのです。染める方は大変だったかもしれませんが。
伊勢型紙の神経質な美とは違う、大らかで健康的な美。そんなゆるくてちょっと抜けているところも会津型の魅力の一つと感じています。
魅力2 会津型かどうかの判別がしやすい........続く
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まぁこんな感じで約30分原稿を読み上げ続けるタイプのお話になるわけでございます😵
なんか文体がブログのまんまでお恥ずかしいですが同じ人が書いてるんだからしょうがない!
時々スライドのめくりを間違えて、
「あっ違うわ」とかブツブツ言いながらやってるわけです。
ステージの上で。
思い出すと恥ずかしいったらありゃしない😵😵😵
幸運にも善良な方々がお集まり頂いていたようで、トチっても途中で空き缶など飛んでくることもなく穏便に事を終える事ができました。
ご清聴ありがとうございました😄
(でも笑っていいとこもあったのよ?あれスベった?私スベってた?)
今回も必死で原稿を見つめていたので、ほぼお客様の顔を見る余裕はありませんでした。
何か伝わったのだろうか....
どうなんだろう?わからないけど
とにかく....
とにかくおわった.....(抜け殻白目)
イベント終了後、洗い残した型紙を市の職員さんとお片付けして会場を出ると、蔵の街が夕日に包まれていました。
頑張った日の夕日は目にしみるんですね
( ;∀;)ウゥ
(たまった眼精疲労もある)
大仕事が完了したところで
喜多方会津型紀行
続きはまた今度〜(^o^)/
本日も駄文をお読みいただきありがとうございました🙇