アモーレ・カンターレ・マンジャーレ

自称イタリア人のオヤジが、好きなサッカーやらグルメやら、何でも不定期に気まぐれに書き綴るサイトです。

奈川温泉「富喜の湯」

2010-08-25 06:23:48 | 日本秘湯を守る会
完璧にリゾートにしつらえられた、秘湯というにはあまりに快適な宿「岩の湯」を発ち、翌日は夏恒例の秘湯のはしごで、上高地に近い奈川温泉「富喜の湯」というところにきた。

 松本市内から上高地方面に約1時間、ひちすら走る走る・・・途中で上高地方面と分かれてさらに山道を走り、ようやく到着。
 前日の岩の湯とは好対照な秘湯らしい秘湯・・・といえばいい感じだが、快適な施設とは言えず、旅館というより民宿+αという感じ。


 到着するとフロントにいた、ただ一人のお姉さんが迎えてくれて、お部屋に案内してくれた。浴場は内湯と露天が男女ひとつずつ。シャワーもない。
 とはいえ温泉は本物で、夏場のピークを過ぎたせいか、宿は空いていてお風呂も実質独り占め。ゆったりと時間を過ごす。

 さて、ゆったりと過ごした後、お楽しみの夕食だ。チェックインのときにご案内してくれたのが若女将だと知ったが、ご家族だけで切り盛りしているようだ。
 地味目だが、見かけない料理がある。何かと聞いたら、岩魚のイクラだという。食べてみるとこれがまたサケのイクラと違いなかなか美味しい。


 さらにお造りはニジマス(下写真)だった。うーん、なんとも地産地消で嬉しい。岩魚も塩焼きで出たが、何しろ新鮮で美味しかった。
 そしてこの宿の名物を楽しむ時間が訪れた。ここの名物「投汁そば」を〆のオプションで、お願いしていたのだ。

 投汁(とうじ)そばとは、奈川に古くから伝わる郷土料理。具入りのそばつゆを沸かした鍋にそばを入れた投汁かごを浸して食べるもの
 いわばそばのしゃぶしゃぶ。この宿が中心となって、10月2日は「投汁の日」という。なるほど・・・という感じだが、確かに楽しく美味しい料理だった。

 実は、この料理を知ったのは、乳頭温泉なのだ。以前訪れた秋田の名湯「鶴の湯」にここのパンフが置いてあり、そば好きの小生の頭に入っていたという次第。
 考えてみれば、ここ富喜の湯は鶴の湯にも相通じるような感じであり、オシャレなホテルとは対極にあるが、秘湯の宿の真髄かも知れない。


 そういえば、秘湯に出かける前に、職場のスタッフから「桂さん、秘湯って、混浴露天風呂が必ずあるんですよね」という質問があった(汗)
 小生のイメージからそう見られてしまったのかも知れない(汗)が、当然そんなところばかりではなく、むしろ質素で、設備も地味なところの方が多い

 そういう意味では、すべてに素朴で質素なこの宿は、小生のイメージを是正するにはいい宿だったのかも知れない。
 それにしても投汁そばはやはり美味しかったなあ・・・素朴なご主人と女将がもてなす富喜の湯は、さわやかな風の吹く信州の秘湯の宿であった。ちなみに、ここは上高地に行く際の拠点としても便利である。
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