
表扇家(おもてせんけ)と聞くと、茶道? みたいな感じだが、実際は小生ひいきの噺家入船亭扇橋の独演会の名称だ。
よくあるような、ゲストを入れての独演会ではなく、純粋に前座と本人だけという会。小生は初めてだったが、落語仲間に連れられて伺った。
開口一番・・・ではなく、まずは扇橋が冒頭の挨拶をする。兼好の独演会でやっているのと同じ手法か・・・そこで聞いたのが弟子の話。
うん・・・扇橋、弟子をとったのか? と思っていたら、開口一番で出てきた。名前は「扇えん」というと。まだ正式な前座ではないようだ。
始めたのは「たぬき」だが、まだ落語以前のレベルだ。これはいたしかたない・・・後で扇橋が言っていたが、どこを直したらでなく、何から直せばいいのか・・・と。
ともあれ、扇橋師も弟子をとって嬉しいことはよくわかった。さて・・・と始めたのが「棒だら」だ。入船亭ならではの本寸法で、気持ちよく聞けた。
扇橋師さらに進化しているようだ・・・と終わったところで、すぐさまもう一席始めた。これは・・・おお、「お節徳三郎」だ。
生で聞くのは、ずいぶん久しぶりだ・・・ひょっとして学生時代以来か? そして・・・「この先はどうなるのか・・・続けてと言いたいところですが、まだ覚えておりません」と。
中入りをはさみ、再開・・・って、おい・・・これは、覚えてないはずの続編じゃねえか。「刀屋」と名前のつくこの続編は、記憶の限りお初である。
前半といい後半といい、なかなかスッキリとはいいにくい上に、これという聞かせどころもないので、このネタがあまり掛けられなくなったのもわかる。
逆にいえば、はからずもここで、レアものに出会えたのがラッキーだったなあと。
ちなみに、3/11からの10日間、扇橋師は鈴本の夜トリで、しかもネタ出ししている。12日はこの会のため休演。その他の9日は「四季折々、九人の女」という企画になっている。
その上で、この日のお節徳三郎を入れるとまさに十人の女というべきか。本来ならば、トリの期間内に、もう一二回聞きに行きたいが、時間とお財布が・・・(汗)
ひいきの引き倒しを承知で、扇橋は脂がのってきていて旬ですよ~とおすすめしたい。
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