さて、小生のお気に入りの噺家のひとり菊之丞については、いろいろご縁をいただいている席亭さんが主催の「ザ・菊之丞」という会がある。
ほぼ毎回出かけているが、第12回となる今回も出掛けた。会場はいつものように町屋ムーブホール。以前別の会場で行われたこともあるが、このところずっとこの会場だ。
こちらは、町屋駅直結ということで、ロケーションで便利なうえに、なかなか聞きやすいホールだ。今回も優先予約で取れたため、最前列に座らせていただいた。
まずは開口一番、白酒の弟子のはまぐりが登場したが・・・始めたのは、おっ、おお・・・「豆屋」だ。このネタ、かつては前座中心によく聞いたが、最近はとんと聞いていない。
おそらく30年以上は、聞いていないはず。なんとも懐かしい気持ちで聞いたが、白酒のところのお弟子さんなら、きっとこれから伸びてくるだろう。
そして菊之丞の登場だ。いつものようにいい感じで滑り出し、始めたのがネタ出しの「しろうと鰻」だ。これまた生では久しぶりのような。
相変わらず、菊之丞の人物描写は適切で、武士あがり、酒癖の悪い男などきれいに演じ分けている。ネタばれしやすいこの噺でも十分楽しめるのは、その技量があればと。
すっかり堪能したところで中入り。そして再開、まずはゲストの兼好だ。例によって独特の感性と表現でマクラからドッカンドッカンとウケをとる。
始めたのが・・・おお、「湯屋番」だ。これもいろんなところでよく聞くネタだが・・・さすがは兼好、独特のくすぐりがここにもさえる。
大爆笑のうちに、いよいよトリの菊之丞である。さて、何を・・・と思ったら、季節に合わせて「花見の仇討ち」だった。
毎回、この噺を聞くたびに思うのだが、本当によくできた噺である。ただ、この噺ほど季節感でタイミングを縛られる噺も少ない。
その意味では「長屋の花見」と双璧だが、この噺はストーリーもしっかりしていて、毎回楽しめる。もちろん菊之丞のそれも抜群に楽しい。
さすが・・・と思ったが、これから共謀罪が施行されると、「花見の会場で、みんなをあっと言わせる趣向をやろうじゃねえか」なんてネタの話をしていると、たちまち共謀罪に問われたりとかになりかねない(汗)
落語の話題ですら・・・なんて時代にならないことを願いたいものだ。
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