アモーレ・カンターレ・マンジャーレ

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古墳の謎 田辺昭三著

2021-05-28 06:00:00 | つれづれ

少し前の記事で、お気に入りの渡邊アナが出演する歴史探偵で、中尾山古墳について取り上げたことを紹介した。

 高校二年の時の修学旅行がキッカケで、小生は考古学や古代史にハマってしまったわけだが、帰郷後に購入した何冊かの本があった。

 そのひとつが祥伝社の「古墳の謎」という田辺昭三氏の本だった。この本こそハマる基礎となった、いわばバイブルとでもいう本だったが、久しぶりに読み返してみたくなった。

 

 密林で検索すると中古の文庫版が格安で手に入った。これは小生が最初に読んだ新書版(昭和47年刊)の改定版で昭和61年に発行されたものという。

 さすがに田辺氏はすでに鬼籍に入っているが、読み進めていくうちに当時の新鮮な感動が蘇ってきた。

 

 第一章の箸墓古墳については、倭迹迹日百襲姫命 (やまとととびももそひめのみこと)なんて長い名前の埋葬者を覚えてしまったり・・・

 ただ、その第一章でも当時の初刊から内容が改定されていた。初刊では卑弥呼の墓? という説に対し、西暦248年死亡の卑弥呼と、この古墳の築造年代(四世紀前半)とは半世紀程度の差が埋めきれない・・・なんて書いてあったが、この改定版では可能性も残していた。

 

 同様に、応神・仁徳・履中の三大古墳の築造順についても新たな知見により再考されていたりするなど、新鮮な内容も嬉しかった。

 逆に継体天皇陵と真の継体天皇陵とのことや、中尾山古墳のことは初刊と同じように書かれていて、特に中尾山古墳は文武天皇陵だと推定されていた。

 

 中尾山古墳については、先日の記事でも紹介した通り、発掘によりおそらく真の文武陵だろうとなったわけだが、当時からそれを推定していた田辺氏の慧眼には驚かされる

 田辺氏の分析は、記紀の記述に寄らず、純粋に考古学的なアプローチで古墳を調査し、推論を展開しているところが素晴らしい。

 

 逆にいえば、記紀の記述をベースに古墳を評価したり、あるいは埋葬者を比定したりすることが世間一般に行われていたことを改めて認識してしまった。

 さすがに天智・天武の頃からは記紀も神話でなく記録になってくるので、あてにできる・・・というのが常識だが、それにしたって文武陵の比定はいまだに・・・だったのだから。

 

 さらに京都在住のとき、転勤が決まって引っ越す間際に見瀬丸山古墳を見に行ったことを思い出した。田辺氏は真の欽明陵、もしくは蘇我稲目の墓? なんて書いている。

 全長310mを超える全国屈指の大古墳がなぜか天皇陵に比定されていない・・・これについてもいろんな説があるようだが・・・

 

 まだまだこれから新しい事実が見つかるかも知れない・・・

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