清雲寺のしだれ桜

桜の季節である。ここ数日の気温上昇に伴い、一気に咲いた感じがある。まあ、今週いっぱいはもたないだろうと思う。

　そんな中、非常にタイミングよく奥秩父の清雲寺のしだれ桜を見にいくことができた。このお寺、実は６００年以上の古刹であり、お寺としても名所らしい。
　この境内のしだれ桜、何本か立っており、一番の老木は６００年以上の樹齢だという。境内いっぱい花の雨よろしく枝がたれ下がっていた。

　確かに、これは見ごたえがある。は○バスなどの団体ツアーもきていたが、お客さんたちも喜んでいた。
　また境内には、地元の模擬店も出ていて(これが、なんと荒川村と書いたテントで出ていたが)一番嬉しかったのは、拝観料を取っていないことだ。

　別に、拝観料を取るのがセコイというつもりはない。ただ、季節限定とはいえ、臨時で入山料とか、しだれ桜保護協賛金などでお金をとっても自然な場所であった。
　それを無料というのは、なんとも潔い。荒川村の出している絵葉書が販売されていたが、どうもそれが協賛金のかわりらしい。

　実は、歴史上は小さく扱われているが、「秩父事件」という一種の反乱が起こったときに、このお寺は舞台のひとつになったところらしい。
　もろもろあって、お参りしたのだが、その事件のときの火縄銃の弾痕が壁に残ったりしているそうだ。そんな事件の中、桜が被害に遭わなかったことが嬉しく思った。

　日曜の朝、お寺に向かう車の列で付近は大渋滞だった。お寺の周辺では、地元のおばあちゃんたちが臨時駐車場の勧誘をしていた。
　駐車場といっても、ただの空き地だが、一台５００円である。おばあちゃんたちにとって、一年で数日のバイトであろう。ただ、それすらも微笑ましく思えた。

　やはり、このお寺をめぐる空気が清清しいからであろう。唯一ひっかかったのは、地元の秩父鉄道タクシーの屋根に書いてある「ちちてつ」の四文字だけであった・・・(苦笑)