かつて、私の明治生まれの祖父は、生前選挙の開票速報を見ながら某党について「あいつらは国賊だぞ、元々犯罪者だ」と言っていた。
その内容についてここで評価をするつもりはないが、言いたいのはこの国の国民にとっては、内容が正しいかどうかよりも、「マスコミや政治家がそう言った」ことの方が常識になり、後で訂正されようがどうしようが、レッテルははがれないという事実だ。
たとえば小沢一郎氏や事務次官候補と呼ばれた村木某氏が最終的に無罪になっても、その事実はあまり評価されない・・・
そんなことを思い出したのは、こちらの記事を見たときだ。まずはトップ写真をご覧いただこう。美化するにもほどがあるという某首相と、枝野氏にしか見えない悪意にみちたイラストを・・・
これは、参院選(7月4日公示、21日投開票)に向け、自民党本部が配布した「演説用資料」の表紙という。
さらにその表題が、「フェイク情報が蝕むニッポン トンデモ野党とメディアの非常識」というのだからすさまじい。
これによれば、立憲民主党の枝野幸男代表は革マル派に近いそうだし、共産党の志位和夫委員長らしき人物のイラストには犬の耳と手がついていると・・・
これがヘイトでないとしたら、どういうのがヘイトになるのか教えてほしい。あ、簡単だ。どこかの首相を攻撃すればヘイトになるんだ(汗)
冒頭にも書いたとおり、内容が正しいかどうかは関係ない。こうした内容をしかるべき人が言えば、それで試合終了だ。
(たとえが悪いが)ゴーン氏が今後、(仮に)無罪になったとしても、おそらく国民の99%はまともに評価しないだろう。それと同じである。
ただ救いは自民党の石破氏である。そのコメントを少し長いがそのまま引用する。
「選挙が近いので何らかの冊子が(党本部から)配布され、支援者や無党派の方々に配ったりすることはあります。でもこの冊子はあり得ない。自民党はフェアな政党のはず。“何者が作ったのかわからない冊子を選挙演説の参考にしなさい”というのは、私が好きな自民党がやることではない。選挙だから野党を攻撃するのは当然だが、野党を支持する有権者にも自民党を支持してみようかなと思わせることも大切なこと。いかに野党を大事にし、その後ろにいる国民に納得してもらうかを昔の自民党は実行してきました。それがこの冊子のように、“自民党だけ、安倍政権だけが正しい”なんて言うと国民を分断するだけ。政治家のイラストで人格攻撃をし、誹謗中傷、侮辱に近い内容です。これを参考に若手議員が演説をしたら大変なことになりかねない」
少なくともこの資料と石破氏のどちらに共感を覚えるか・・・これは言うまでもないだろう。
石破氏の言っていることがまともだと考える小生だが、その石破氏が今党の中でどういう処遇をされているかを考えるとこの党の異常さが見えると考える小生なのだが・・・
そうそう韓国に対する輸出規制問題。記者からの質問に対して、「報復措置ではない」というのだが、この対策がいいか悪いかの評価は別にして、これが報復でなければ、いったい何なのか・・・
なんとなくとってつけたような感じだが、石破氏の言う、「安倍政権だけが正しい」というのと同じ線にあるように感じるのは小生だけだろうか。
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