小生お気に入りの噺家の一人、桂米團治はふだんは大阪にいるので、東京の会は貴重だ。ということで、予定が合う限り出かけている。
先日の会もいつものように銀座ブロッサムだった。この入れ物は落語会としては大きすぎるが、やむをえないところだろう。
さて、開口一番は團治郎。始めたのは「阿弥陀が池」だった。上方らしい明るさと声の良さがあっていい。しかもイケメンだ。
そして米團治の一席目だ。いつもながらなんとも上品な、そしてセンスのいい高座着だ。薄い小豆色の着物に、濃い茶色の羽織が映える。
始めたのは・・・おっ、この噺って・・・生では初めて聞くネタだ。「かつぎや」かと思ったが、あとで確認したら「正月丁稚」とあった。内容は同じようだが・・・
続いてゲストの雀五郎。例のヨーデル食べ放題を歌っていた噺家雀三郎の弟子という。始めたのは・・・おっ、「手水廻し」だ。
この手のナンセンス噺って、やはり上方落語の真骨頂だ。勘定板という江戸ネタを思い出しつつ、しっかりツボにハマッた。
続いて米團治の二席目。今度は黒紋付に袴で登場。となれば・・・ネタ出しの「帯久」である。江戸にあるネタだが、上方版に米朝が焼き直したのかしらん?
だが、それはともかく、設定のリアルさもあり、政談ものとしてはたっぷり聞かせていただいた。これは大満足だ。あとで聞くとネタおろしに近く、二度目という。
ここで中入り、そしていよいよトリの三席目だ。出囃子も「さわぎ」にしていて、個人的にはうれしい・・・って、自分が使っているからだが(汗)
出てきた米團治、今度の高座着は薄い緑が入った水色で、ラメみたいな光物が入っている。うーむ、なんともおしゃれだ。
始めたネタは・・・おお、「不動坊」だ。上方では初めて聞くぞ。だが、これがなんとも面白い。やはり上方の演出がよく合う。
特に、ぶら下がる幽霊役がバランスを崩すところなどは斬新な感じがして爆笑してしまった。さらにいえば、それがサゲへの仕込みにもなり、初めて聞くサゲも新鮮だった。
うーむ、さすがに米團治。上品で華やかで、そしてこの日は米朝を彷彿とさせる貫禄みたいなものも感じた。
次回は夏に行われるという。また行くことになりそうだ。
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