現在、テレ朝系でやっているドラマ「ハゲタカ」にどっぷりハマッている小生である。このドラマ、同じ内容でかつてNHKでやっていたが、小生こちらは見ていない。
聞くところによると、ドラマの演出が真逆だという。逆にいえば、今回のテレ朝のドラマのスタンスに小生ハマッたという感じだ。
すでに放映されているのでネタバレは関係ないだろうが、綾野剛演ずるのは外資系のハゲタカファンドの日本法人の代表。
これがバブルに乗ってじゃぶじゃぶ融資を行ったメガバンクと、それに甘えてグダグダになった企業を攻め立てるもの。
ハゲタカファンドという言葉は、日本の企業側から見れば、経営難に陥った企業を悪質に札ビラで買い叩くところから一時期ずいぶん耳にした。
だが、このドラマにおいては、そもそもそこに至るまでの放漫経営やメガバンクのぬるい、そしてとことん自組織を守る体質にスポットが当たっている。
確かに、ハゲタカファンドが買い叩いていた頃、そのことを刺す論調はなかったように思うし、バブルの責任論もあまり聞いた記憶もない。
最初に見たときに、綾野剛が沢尻エリカに「あの時のあなたには、多くの日本人が失ってしまった覚悟があった」というセリフを聞き、わが意を得た気がした。
それは小生が思うに「自ら責任を取る」という覚悟だと感じた。メガバンクがというより、日本のほとんどの企業が「責任の所在を明らかにしない」ことを美徳としている。
その結果、自分が責任者として覚悟を見せることを評価しない、あるいはとらないことを評価する空気が蔓延する。
小生はメガバンクにいたわけではないが、人事部門のいう小生へのコメントとして、「君は責任を取ろうとする、それがダメだ」と言われたことがある。
それはここまでにしよう。不良債権化した借金の山を抱えつつも、社長の座にしがみつこうとするベッド会社の社長(かたせ梨乃)に綾野剛のセリフが刺さる。
「あんたが寝ているベッドはフランス製だ」と・・・これには胸のすく気分になった。
と、ここまできてこのドラマって・・・と思ったのが、半沢直樹を反対側から見たような感じかなと。
池井戸潤氏がメガバンク出身で、銀行側の論理で物語を書くのはいたしかたないところ、半沢直樹もその点では「これ銀行の論理だろ」っていうシーンもあった。
だがドラマでいうと、半沢直樹もハゲタカもメガバンクのやり方に父を殺されたという点は共通していて、そこからのアプローチが違うという形なのが面白い。
ドラマは8月2日の放映で一区切りし、次のステージに向かう。ますます面白くなってくることを期待している小生である。
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