魚庵で魚料理

田舎に行ったらいやでも魚づくしとなる。嫌でもというのはいやみに聞こえるかも知れないが、飽きるくらい続くことになる。とはいえ、美味しいものをというと魚になってしまう。

　ということで、家族で一度行ってみようということで、国道沿いの魚料理店、魚庵というところに行ってきた。もともとは、徳造丸という稲取の漁師さん兼魚屋さんらしい。
　しかし、この徳造丸、今では下田から伊東はおろか箱根まで進出している。ということで、国道を走っていると目に付くので、一度行ってみたかったのだ。




　店内に入ると、稲取名物のつるし雛が飾ってある。これは、元々稲取では女の子が生まれるとおばあちゃんが作ってくれるというもので、最近では観光用に常設の展示場もある。

　しかし、おもしろいことに、隣町に行くと、もうこの風習がない。伊豆は、町ごとに産業も違うし、言葉も違う。
　海と山が迫っていて、町が独立している証拠だが、お盆の季節まで違うのだからおもしろい。




　さて、肝心の料理だが、刺身定食と煮魚定食を注文した。ボリュームがありそうなので、４人で２つ頼み、あと単品で茶碗蒸しを頼むことにした。




　いきなり、刺身定食の刺盛りが来た。これで一人前である。少しずつではあるが、サザエ、アジ、マグロ、アオリイカ、イサキ、カンパチ、シラスの刺身が並んでいる。おお、なかなか豪華だ。

　さらに、大ぶりの御椀に、ワタリガニのお味噌汁がきた。これは２人前くらいの量だ。
　刺身はいずれも新鮮で美味い。また味噌汁も出汁がよく出ている。なかなか満足だ。これに香の物と、ご飯につける岩海苔がいい。


　遅れて、煮魚定食が来た。稲取名物金目鯛の煮物だ。金目鯛を砂糖とお酒、醤油でじっくり煮込む料理で、我が家でも必ず出てくる。
　考えてみると、風習は違うが、料理は町を越えて共通である。食べたが（焦って写真なし、詳しくはＨＰで）、田舎の母の料理と同じ味だった。

　愚娘が言った。「これ、おばあちゃんの金目と同じ味付けだ」そうか、実は我々は知らず知らずに、美味い魚を食べていたのだった。
　金目は、この煮魚と味噌漬けが定番だ。もちろん、新鮮なら刺身もいけるが、この二つなら、食事にもお酒にもあう。○○○○さんには最高ではないか・・・（笑）

　と思いつつ、食事は進む。大満足だったが、小食な向きには一人前が少し多い。刺身定食や煮魚定食は、昼食なら人数分より少なくしてちょうどよい感じだ。
　ともあれ、伊豆に来られる機会があれば、徳造丸お勧めである。