東京プリンというユニットの歌に、「私の彼はサラリーマン」という歌があった。その中に、「私の彼は業界の男」というのがあり、「睡眠時間の短いことをやたらと自慢する」という歌詞があった。だが・・・個人的にいえば、今の日本ってみんなでそんな感じではないか。
ちょっと前の記事で、忌引きですらまともに取れないとか、親のガンの手術でも休めないというのを取り上げた。
その続編で、こんなのが紹介されていた。2時間かかっていた仕事を自動化して20分で終わるようにしたところ、残業実績が減り、評価が下がったという記事だ。
これを見て、小生おおいにうなずいてしまった。小生も現役時代、上司のはしくれとして参加した人事評価の会議のときに、「こいつは遅くまでよくやっている」とか、「休日にもよく出ている」という評価を聞いたとき、小生反旗を翻していた。「ということは、残業しないとできないレベルでは」と。
逆に能率が高く、早く帰る人に対しては「一生懸命ではない」と低くみられていた。
小生は決して優秀な人材ではなかったが、そうはいっても人事部の人間から言われたセリフは一生忘れないだろう。
「仕事に対して割り切りがあり、早く帰るときは帰っている・・・君には一生懸命という言葉はないのか」と・・・早期退職のひとつのキッカケとなった言葉である。
小生のいた会社では、自分の仕事が終わっていても早く帰るのは悪であり、評価上マイナスだった。そうして、さらに遅い時間に飲みながら、みんなで忙し自慢をする・・・どれだけ吐き気がしたことか。
何度も言っているが、この国では成果よりも、遅くまで仕事していることの方が評価されるのだ。だから休むなんてとんでもない・・・
となれば、「子供や本人の健診で平日に休むなんてとんでもない」ということになり、保健所に対して「そういうのは休日にやってくれ」と・・・
病院だってそうだ。夜間や休日診療は当たり前だ・・・となる。ましてや入院患者を抱えれば、24時間営業休みなしは当たり前だ・・・となる。
あげく、最近は医師の過労死が増えているという。本末転倒な話だ。コンビニもしかりだが、休まない、いや休めないことを前提に物事が動くから、いろいろなインフラがそれに対応する。24時間お金の振込ができる・・・必要なのだろうか。
トップ写真は堺正人が救命医をやった「ゼネラルルージュの凱旋」だ。彼は、ずっと病院に寝泊りしていて車に草が生えてしまったという設定になっていた。われわれは、それを当然と思っていいのか・・・
先日とある新聞の社説で、学校の先生の話が出ていた。新任の先生が着任時に言われる、「君には授業のほかに部活動も見てもらいます。平日の放課後のほか、土日もやってもらいます。ただし部活動は仕事ではありませんので、残業にはなりません」・・・考えてみればそんなメチャクチャなことを、今の先生はやらされているわけだ。
電通の過労死の話題から、働き方改革とかなんとか言っているが、根本が変わらなければこの国の現場は疲弊の一途だろう。
みんなで遅くまで仕事することで頑張っている(気になる)・・・その結果、実質労働時間はますます延び、生産性はますます下がる・・・馬鹿らしくてやってられないよ。
ああ・・・ときに、この女医さん系の写真は何かって? 医師の過労死についてイメージ写真を・・・でも吉田羊なら・・・って、これまで書いた記事がだいなし(汗)
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