アモーレ・カンターレ・マンジャーレ

自称イタリア人のオヤジが、好きなサッカーやらグルメやら、何でも不定期に気まぐれに書き綴るサイトです。

柳亭市馬独演会

2010-07-12 06:16:32 | 落語
一ヶ月にわたったワールドカップはスペインの優勝で終わった。結果的には、小生の予想どおりとなった形であり、ちょっと鼻高々だ。

 さて、小生ごひいきの柳亭市馬の独演会が昨日三鷹で行われたので出かけてきた。会場に着くと満員御礼とある。なるほど・・・さすがに人気である。

 開口一番は市也、道灌を一生懸命演じている。少しずつだが、よくなってきているようだ。っていうか、市馬のひいきの小生、結果的に市也をよく聞いている。
 というところで市馬の登場、一席目は「かぼちゃ屋」だった。おお、これは久しぶりに聞く話だ。前座噺であるが、さすがに市馬だ。とても自然で面白い。

 ここで中入りかと思いきや、下りずに小唄など歌い始める市馬、お客さんにとってもお約束である。れ当然のごとく出囃子は恩田えりさん。市馬もお気に入りのようだ。
 さあて、中入りかと思っていたら、さらにここから「あくび指南」を始めた。むむむ、これまた軽いがいい仕上がりだ。

 中入り後は、海老一染之助の登場。ああ、まだ生きてたんだあと思いつつも、相変わらずの芸はさすがである。芸歴なんと64年だ。
 もっとも語りの方はさすがに流暢とは言えず、いささかくどい感じがしたが、昭和21年から高座にいるというから、もはやいることに価値があるというべきか。

 さあてトリの一席は「鰻の幇間」だった。この噺は、お客様に絶対さからえない幇間の性を面白おかしく演じながら、結局ひどいめに会うという、ちょっとうら悲しい噺である。
 やりようによっては、陰湿な空気すら出てしまう噺だが、さすがの市馬、展開もよく、安心して聞いていられる。

 途中まできて、だまされたと知った幇間の豹変ぶりが聞かせどころであるが、だんだんと人格が変わっていく姿がすばらしい。
 すっかり満足しての帰り道、しゃべりながら自分が幇間になったような気分になっていた。そう口調が完全に・・・(汗)

 でも、お客様に逆らえないといいつつも、それに徹して生きていられる幇間に、小生ある種、憧れてしまったのも事実
 尽くすだけで報いがない幇間の姿は、確かにうら悲しいかもしれない。でも、尽くすこと自体に喜びを感じられる・・・そんな幇間になりたいなあと

 ちょっと複雑な気分で帰路についた小生であった。
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