すぎな之助の工作室

すぎな之助(旧:歌帖楓月)が作品の更新お知らせやその他もろもろを書きます。

「世界に一つだけの花」のウソ

2005-11-10 00:19:07 | こばなし。。
こんばんは。
ずっと気になっている歌があります。

その名は、「世界に一つだけの花
比べてはいけないよ、ありのままが美しいんだよ、ということを歌っている、いい歌ですね。いい歌ですが。

現実の「植物の在り方」から見ますと、「いやいや違うでしょーそんな訳ないっての!」となります。
その点から、どうしても、ツッコミたくなる歌であります。
おとなげないです。おとなげない私ですが。どうしても、ツッコミたいです。
今夜は、自分の心に素直になって、
……つっこませていただきます。

世界に一つだけの花、この歌を聞いて、どう思ったかというと、
ズバリ「もっと植物のこと知ってね。『見た目がきれいだと生き方もキヨラカ』な訳ないのよ」てなもので。
自然界では、環境に適応し、生存競争に勝たねば、種としての存続はできません。(滅びるってことです)

まずは題名「世界に一つだけの花」
絶滅決定です。自然界の厳しい生存競争にさらされる以前に、交配相手がいないので、生き残れません。種として存続できません。

花屋で咲いている花は……
→多くが園芸品種です。品種改良されていない、いわゆる「野の花」は少ないです。
 それらはほとんどがどれも人の手によって管理され厳しいふるいわけを経て、均一なクオリティで出荷され、 店頭にて売買される「商品」です。

争うこともしないで……
→植物界の生存競争も熾烈です。
「まき倒し植物」つる植物が、そうでない植物に巻きついてそこから養分を吸って成長する。
「アレロパシー」植物が毒物質を分泌して他の植物に害を与える作用。妨害工作ですね。
「いわゆる日照権争い」近隣に生える植物同士で枝を伸ばし葉を茂らせて、自分がより多くの日光(エネルギー)を得ようとする。
虫媒花(虫が受粉をさせてくれる植物)などは、花の色、香り、蜜、模様、などなど、あらゆる手を使って「虫を花におびきよせて受粉を手伝わせよう」とします。ある蘭の花などは、「媒介してくれる蜂のメスそっくりな形」に進化を遂げまして、たかってきたオスの蜂に受粉を手伝わせます。

てなわけでして。
お花屋さんで売られてるお花を引き合いにして、「有りのままで比較せずに生きるって素敵だね!」などとは、決していえません。
園芸用に品種改良された花は、手厚く管理され、厳しくふるいわけられてこそ、店頭に並んで美しく咲けるのですよ。
自然界の花は、自分の持っている、ありとあらゆる能力を駆使して、他との競争に打ち勝ってこそ、美しく咲けるのですよ。

どの生き方も「OK!」なのではないでしょうか。それを認めるのが「多様性を認めること」なのではないでしょうか。
個性的であろうがなかろうが、ありのままに自分の道をのほほんとゆーったり生きるもよし。
管理されてとことん美しく華麗に上質に生きるもよし。
がむしゃらに他人と争いながら力強くしぶとく生きるもよし。
そのうちのどれが一番いい!って決め付けるのはよくないと思われます。多分。

以上、おとなげないつっこみでした……






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