いずれにせよ、自転車より圧倒的に速い鉄道を使うことでツーリングの幅は大きく広がります。
しかし鉄道にも限界があります。
東京を基準にすると、例えば北海道。新幹線で行けるとはいえ函館まで4時間半かかりますし、そこから札幌まではさらに3時間半。道東や道北まで行こうとすれば移動だけで丸1日かかります。
それ以外でも九州は遠いし、四国・山陰あたりも新幹線から離れているため時間がかかりすぎます。沖縄に至ってはそもそも鉄道がありません。これらはちょっと現実的ではないエリアでしょう。
その問題を解決するのが飛行機輪行ですが、普通の輪行に比べて少し敷居が高いのも事実です。
そこで俺の経験を踏まえ、飛行機輪行の疑問点を解消してみたいと思います。
飛行機輪行に対する疑問や不安はおおむね以下の2つに集約されます。
1.輪行袋はどれを使えばいいの?
2.タイヤの空気は抜いたほうがいいの?
まず俺の結論を書いてしまいましょう。
1.輪行袋は普通のものでよい。ペダルやサドルを外す必要もない
2.タイヤの空気は抜かなくてよいが、限界まで空気を入れるのはやめたほうが無難
もちろんそれぞれ根拠はありますので、詳しく書いてみたいと思います。
1.輪行袋はどれを使えばいいの?
飛行機輪行用と銘打った輪行袋はいくつもあります。そのうち比較的扱いやすそうなのはこれでしょう。
俺もこれは持っているのですが、安定しているし安心感があるのは確かです。
しかしこいつは折りたたんでもガンダムシールド並の大きさで、重量も2.5kgあります。とても自転車で運べるような代物ではありません。
空港に着いたらいったん車でホテルに入る、というならばこれで問題ありません。しかし国内ツーリングでありがちな、空港で自転車を組み立てて走り出すスタイルには全く不向きなのです。
ではどうすればいいのか。少なくともJAL・ANAの国内線に関しては普段使っているSL-100で全く問題ありませんでした。もちろんペダルもサドルも外さず、鉄道輪行と同じやり方です。
有人カウンターで預けることになりますが、自転車なんか別に珍しくもないようで手慣れたものでした。ただしどちらを上にするか聞かれたりして少々時間がかかるので、空港には少し早めに行っておくほうが無難でしょう。
2.タイヤの空気は抜いたほうがいいの?
旅客機は高度10000mくらいまで上昇するので、気圧が低くなってパンクしてしまうのではないか?という疑問です。
ネットで探してみると、一応抜いておいたほうが良いとする意見が見受けられますが、その場合は到着してからどこでどうやって空気を入れるのかが問題になります。
空気入れを備えている空港もありますが一部ですし、携帯ポンプやCO2ボンベでは不安が残ります。
さてどうしたものかと悩む方もいるでしょうが、理屈で行けばまずパンクはしないので、空気は抜く必要はありません。
意外と知られていないのですが、旅客機の貨物室は与圧されています。その気圧は客室と同じ0.8気圧程度で、これは標高2000mの気圧に相当します。
2000mと言えば、渋峠や富士山五合目よりも少し低いくらいです。富士山五合目に行く時に気圧低下によるパンクを心配するかというと、普通はしないんじゃないでしょうか。
つまり、そういうことです。
パンクしてしまうとすれば2つのケースが考えられます。
1つは、タイヤの限界ぎりぎりまで空気を入れていた場合。与圧されているとはいえ地上より気圧が低いので、このわずかな気圧差が引き金になってパンクすることは考えられるでしょう。
タイヤの圧力は好みもありますが、ぎりぎり一杯まで入れるのが好きな人は少しだけ抜いておくほうが良いでしょうね。
といっても、GP5000を例にとると最大気圧は25cで120psi・約8.5気圧です。ここまで入れる人はあんまりいないんじゃないでしょうか。
もう一つは飛行機のトラブル。
故障などで客室の気圧が保てず、酸素マスクが下りてきて・・・というシチュエーションです。この場合は貨物室の気圧も下がるでしょうからパンクすることもあり得るでしょう。
しかしそんなことになれば最寄りの空港に緊急着陸するでしょうし、無事着陸できても警察やらなにやらの調査が入るはずです。いずれにしても旅行の計画はおじゃんですから、もはやパンクなど些細な問題です。
飛行機輪行はお金がかかるし、空港まで行くのめんどくさいし、シートも狭くて窮屈だしと欠点が多いですが、やってみると意外と簡単なものです。
覚えてしまえば今まで行けなかったところに行けるようになり、大げさな言い方をすれば世界が広がります。
次は道東にいくぞ~!!
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