どこか遠くでフッチボル

鹿島サポだが裏の顔は日本代表サポ組織「食う軍」の司令。徒然なるままボソボソと。

色弱の立場でのバリアフリー

2005-01-15 | etc
いきなりですが、私の目は色弱です。
正確に言うと“赤緑色弱”、赤と緑の波長識別能力が劣っているらしいです。
この色弱・・・人生に色々(駄洒落ではない)と絡んできたんですよね。
※色弱/簡単に言うと、色盲の弱いやつ

自分が色弱だという事を自覚したのは中学生の時でした。
視力検査の後、色弱を判定する本を見せられ、そこに出ている数字を読んだりします。
カラフルな点で書かれた本の中身。
そこで普通の人には読めない数字が俺には読め、普通の人が読める数字が自分には判読できませんでした。
色弱と知らされると、小学生の時の事が直ぐに思い浮かびました。
なぜ自分だけ先生のところに呼ばれて、変な本の数字を読まされたりしていたのだろう・・・小学校では色弱と言う事は教えなかったのでしょう。
いじめに繋がる恐れも無きにしも非ずなので、教えないようになっていたのかな?
自分が色弱と教えられても、それがどうした?って感じでした。

私が通っていた高校は、2年の時から希望者には理数系のクラスに行けるという制度がありました。
英語を少なめに数学を多めに。
1年終了時、数学が比較的好きだったので理系を希望、2年から無事に理系クラスへの編入。
以後2年間を理系クラスで過ごしていきました。
某大学の付属校だった事もあり、一定以上の成績を収めていると大学へ推薦で上がれる制度がありました。
問題はその時に起こりました。
色弱のハンデを抱えていると、大学の理系学部には入れない事が判明。
では文系の学部へ・・・付属校の理系クラスから文系の学部へは推薦は出来ない制度があって不可となりました。

この理系クラスで学んだ2年間って。

そう言う思いが過ぎりました。
その後他大学の理系学部を調べるも、やはり色弱は受け入れてくれるところがありませんでした。
なぜ色弱が?
この問いに答えてくれた大学担当者の方でした。
工業系で避けて通れない配線の色、またランプのような色、それを間違える可能性がある色弱の方は難しい・・・。

大学を諦め専門学校への道を探しましたが、その中でも色弱者を受け入れる理系学校は少なかった。
結果、自分には選びようがない状況で、とある2年制の専門学校へ入る事が出来ました。

色弱だと理系学部へ行けないと言うのなら、なぜ高校は編入の時点でそれを明示してくれなかったのか?
理数系大学で、色弱のハンデをもった学生が学ぶ事は本当に不可能だったのか?
何にぶつけたらいいのか分からない憤り。
色弱を治せるという可能性にかけ、大学病院で精密検査を受けてみるも、自分の色弱の詳しい等級が分かったのみ。
本などで出ている色弱が治ると言う事は、実際にはないのです・・・そう言った担当医の言葉を上の空で聞いていました。

学生時代を20年近く過ぎた今現在、一度は閉ざされた希望する理系の仕事に就く事が出来ています。
仕事をする上で、色弱がハンデと感じた事は正直わずか。
私が仕事にしている空調設備、給排水設備の設計では色はあまり関係がないからです。
大学は本当に入学を拒否する必要があったのか、学部によって入学を認めてもいいのではないか・・・その念は強くなるばかり。

色弱の人に、赤と緑はどう言った風に見えるのか?
その事をよく聞かれます。
それは色弱の目から見た赤、そして緑に見えるのです。
見ている本人にとっては、生まれたときから見ている赤、そして緑。
それが一般の人と違う色に見えても、それは色弱の人には気づかない。
そして何も問題はないのです。

一見して気づく事はないハンデ、色弱。
あなたの身近な人にはいませんか?