昨今環境汚染物質などへの暴露が引き金となり気管支喘息などのアレルギー性疾患への罹患(病気にかかる事)の危険性が高まっている。
これは衛生状態の改善された先進諸国においてより深刻な問題となっている。
衛生環境の悪い国より、改善された国の方が問題?
最近話題になっているのが衛生仮説。
幼少時において感染症の原因となる微生物やウイルスにさらされる機会の減少がアレルギー性疾患に冒されやすい体質をつくりだすのではないかという衛生仮説
それに対する研究発表が、筑波大学大学院数理物質科学研究科 島村道夫 研究員(前三菱化学生命科学研究所)研究グループとハーバード大学、バーミンガ大学との共同研究でなされた。
研究グループでは、幼少期でのインフルエンザウイルスへの感染の経験が成長後のアレルギー性気管支喘息に罹患する危険性を減少させることを、マウスを使った動物実験で実証した。
これに加え、胃などの消化器官の疾患を引き起こすことが知られているピロリ菌から抽出される物質コレステロールの誘導体を新生マウスに投与しておくと同様に成長後の気管支喘息発症を抑えることを発見した。
研究グループでは免疫系発達期にこれらの抗原にさらされる経験が何らかの免疫記憶となってのこり、これがアレルギーになりにくい体質を形成するのに寄与するのではないかと考えている。
因みに成長後にこれらを投与してもこのような気管支喘息に対する予防効果は誘導されなかった。
衛生仮説は幼少期のウイルス感染の減少や、口から入る異物の減少がアレルギーを増加させているのではないかとの仮説で、最近色々な方面からの研究報告がなされています。
しかし気をつける必要があるのは、成人してからは、ウイルス感染や、異物を取り入れてもアレルギーは改善しない。
それどころか、アレルギーの人は、環境汚染に対する注意が必要です。
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