ヒトゲノム(全遺伝情報)の完全解読から10年
人のゲノムは30億の塩基対からなるDNAが基本で、この設計図は生涯不変
DNA上にある2万2000個の遺伝子も生まれたから死ぬまで働き方は、突然変異などの例外を除き同じだと考えられていた。
しかし、ここ数年、生物学の常識を覆す発表が相次いでいる。
遺伝子の塩基配列は同じでも「オン」「オフ」の担うエピゲノムが環境によって変わることがわかった。
そしてこのエピゲノムに異変が起こるとなかなか元に戻らない。
妊娠中のラットに低栄養の食事を与えると、生まれたラットの肝臓で本来「オフ」になっているはずの「倹約遺伝子」が異常に働きはじめ、エネルギーを効率的に消費し、余分なエネルギーを体内に貯めやすい体質となる。
戦争中な飢饉で栄養不足の妊婦から生まれた子供は、ラットと同じように、エネルギーを効率的に消費し、余分なエネルギーを体内に貯めやすい体質となると考えられる。
こう考えると、人間を始め、生物は飢餓の時代を生き残るために、数々の機能を持っていることに感心させられる。
しかし、現在
日本では飽食の時代となっている。
摂取エネルギーが不足して人の話はあまり聞かない。
「倹約遺伝子」は働かないほうが良いと思われる。
そのためには妊婦さんは充分な栄養を考えた食事が必要と考えられる。
無理なダイエットで「倹約遺伝子」がオンの状態になったら
これがリバウンドの現象なのか?
これからの研究に期待したい。
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