瓦山瓦版

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🟣瓦山瓦版🟣No.93🟣2019.6.1版

2024-10-16 00:16:00 | 日記
  NTTの空き地の窪地に
 大雨の後 雨水が溜まった
   四月下旬
  蛙の母さんは
 寒天質の紐状に繋がった
数珠子〈じゅずご〉と呼ばれる
  卵を産んだ
十日程で孵化したおたまじゃくしが
 ウヨウヨと真っ黒に群れて
  泳いでいる
 おたまじゃくしは
その形から 御玉杓子 と書かれ
  一文字漢字では 
   蛞〈かつ〉
 また 蝌蚪 と書いて
  かえるご とよんでいるが
俳人たちは カト と
 音読みにして使う
  早い種類では
 1ヶ月半程で
  手足が生えて 尾が消える
 両生類故 溜り水の水位を
  案じる日々も終わりとなる




 Aさんから 新美南吉の
“でんでんむしのかなしみ“ 
 といふ絵本を見せていただいた
  
 背中の殻の中は 
  悲しみでいっぱいと気が付いた
 一匹の🐌蝸牛は
  友達の🐌蝸牛を訪ねて
   “苦しい“と訴えると
 その🐌蝸牛も
“わたしの殻の中も
 悲しみでいっぱいです“と言ふ
 次々同じ答えに
  始めの🐌蝸牛は
みんな哀しみを持っているんだと
 嘆くのやめにしようと思いました
  といふ おはなし

 哲学書に出会った思い
  時計⏰をイメージさせる
殻の挿絵も また哲学的
 作者は 知ってか知らずか・・
🐌蝸牛は 雌雄同体生物
  これもまた やるせ無い




 初夏の花談義
   泰山木 朴の花 山法師
  花水木
 その白い花は 梢の頂きに
  天に向かって咲く
   下から仰ぎ見ても
 葉に遮られて 定かではないが
  高みや 谷を隔てて眺めると
 白い花が 目に鮮やかに
   見えると言ふ
  それはまるで
 蓮の花の様であると言ふ

 我家の 大山蓮華は
  蓮の字を冠されながら
 俯いて咲いている





  
  



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