NTTの空き地の窪地に
大雨の後 雨水が溜まった
四月下旬
蛙の母さんは
寒天質の紐状に繋がった
数珠子〈じゅずご〉と呼ばれる
卵を産んだ
十日程で孵化したおたまじゃくしが
ウヨウヨと真っ黒に群れて
泳いでいる
おたまじゃくしは
その形から 御玉杓子 と書かれ
一文字漢字では
蛞〈かつ〉
また 蝌蚪 と書いて
かえるご とよんでいるが
俳人たちは カト と
音読みにして使う
早い種類では
1ヶ月半程で
手足が生えて 尾が消える
両生類故 溜り水の水位を
案じる日々も終わりとなる
Aさんから 新美南吉の
“でんでんむしのかなしみ“
といふ絵本を見せていただいた
背中の殻の中は
悲しみでいっぱいと気が付いた
一匹の🐌蝸牛は
友達の🐌蝸牛を訪ねて
“苦しい“と訴えると
その🐌蝸牛も
“わたしの殻の中も
悲しみでいっぱいです“と言ふ
次々同じ答えに
始めの🐌蝸牛は
みんな哀しみを持っているんだと
嘆くのやめにしようと思いました
といふ おはなし
哲学書に出会った思い
時計⏰をイメージさせる
殻の挿絵も また哲学的
作者は 知ってか知らずか・・
🐌蝸牛は 雌雄同体生物
これもまた やるせ無い
初夏の花談義
泰山木 朴の花 山法師
花水木
その白い花は 梢の頂きに
天に向かって咲く
下から仰ぎ見ても
葉に遮られて 定かではないが
高みや 谷を隔てて眺めると
白い花が 目に鮮やかに
見えると言ふ
それはまるで
蓮の花の様であると言ふ
我家の 大山蓮華は
蓮の字を冠されながら
俯いて咲いている
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