今日はK子さんの誕生日。
満80才になられました。
朝、おやぢがプレゼントを渡した。
ごはんの後にはすっかり忘れていて、
テーブルの上の包みを見て
「これは何かね」
「誰の ? 」
「誰が持ってきたんぢゃろうか」
いちいち返事をすると長くなるので
「ふーん」「知らん」と言うと機嫌悪い。
「誕生日のプレゼントよ」
「えーっ、私の誕生日 ? 」というセリフを
言いたいだけなのが丸わかり。
夕方、デイサービスから帰ってきて
彩乃ちゃんに「お誕生日おめでとう」と
言われると、忘れていたくせに
「まぁぁぁぁぁ、よく覚えててくれたねぇ」
ちょっと嬉しそう。
「家の者もデイサービスでも、だーれも
覚えててくれんのよ、あんただけよ」
「いやいやいや、プレゼント貰ったでしょ」
「いーや、なんにも、あら、これは ? 」
朝のおやぢのプレゼントを初めて見るように
手に取る。デイサービスのかばんの中には
「お誕生日おめでとうございます」の
袋が入っていて、中には可愛いソックス。
「うわー、いいもの貰ってるー、
お誕生会があったんだね」
「いーや、知らん」
そこへ前のフクダさんがやってきて
「あら、今日は誕生日なの」
「そうらしいけど皆忘れていて誰も
覚えてないんよー」
「プレゼントもらってるぢゃない」
「そういやー、あんた久しぶりぢゃねぇ」
「なーに言うとるん、昨日来たよ」
「えっ、なして」
「御正忌もずっと来た、初めて御伝鈔を
聞いたよ」
「御正忌 ? 今日は何日 ? 」
「18日、誕生日ぢゃろ」
「まー、よう覚えとってくれたね」
すべての会話がふりだしに戻る。
傘寿老婆、認知症最高潮。
満80才になられました。
朝、おやぢがプレゼントを渡した。
ごはんの後にはすっかり忘れていて、
テーブルの上の包みを見て
「これは何かね」
「誰の ? 」
「誰が持ってきたんぢゃろうか」
いちいち返事をすると長くなるので
「ふーん」「知らん」と言うと機嫌悪い。
「誕生日のプレゼントよ」
「えーっ、私の誕生日 ? 」というセリフを
言いたいだけなのが丸わかり。
夕方、デイサービスから帰ってきて
彩乃ちゃんに「お誕生日おめでとう」と
言われると、忘れていたくせに
「まぁぁぁぁぁ、よく覚えててくれたねぇ」
ちょっと嬉しそう。
「家の者もデイサービスでも、だーれも
覚えててくれんのよ、あんただけよ」
「いやいやいや、プレゼント貰ったでしょ」
「いーや、なんにも、あら、これは ? 」
朝のおやぢのプレゼントを初めて見るように
手に取る。デイサービスのかばんの中には
「お誕生日おめでとうございます」の
袋が入っていて、中には可愛いソックス。
「うわー、いいもの貰ってるー、
お誕生会があったんだね」
「いーや、知らん」
そこへ前のフクダさんがやってきて
「あら、今日は誕生日なの」
「そうらしいけど皆忘れていて誰も
覚えてないんよー」
「プレゼントもらってるぢゃない」
「そういやー、あんた久しぶりぢゃねぇ」
「なーに言うとるん、昨日来たよ」
「えっ、なして」
「御正忌もずっと来た、初めて御伝鈔を
聞いたよ」
「御正忌 ? 今日は何日 ? 」
「18日、誕生日ぢゃろ」
「まー、よう覚えとってくれたね」
すべての会話がふりだしに戻る。
傘寿老婆、認知症最高潮。