夏の陣

ぼんやりフヌケのような日々を
送っていたら夏の陣のことを
すっかり忘れていて、あわてて準備、
何もかも遅れ気味。
電話が鳴りっぱなしの毎日となった。
考えるヒマもなく働くのはよいことだ。
とんでもない失敗をやらかしそうだけど。

☆ＰＯＧ
ぐりる・23200
えみ・21800
げむ・14000
たいじょー・9800
ちむ・8100
オスカー・8100
あおき・6800
すやま・1800
さいとー・1400

☆入厩のお知らせ
すやまオーナー「サトノソロモン」
栗東・池江厩舎
たいじょーオーナー「カウディーリョ」
美浦・堀厩舎
たかやすオーナー「オーサムウインド」
栗東・友道厩舎
たかやすオーナー「ディグラーシャ」
栗東・池添厩舎

今年の夏の陣は４日からスタート。
今週のウインズ徳山はお休みです。

前にゆむたさんが上野のパンダおみくじを
送ってくれたんだけど、なぜかこいつが
さいとーに似ている。


今はパソコンの右端にちょこんと座って
「しょーさん、がんばれ」と言っている。

台風

台風が通過した、らしい。
このあたりは特に何もなし。
こんなヘンな進路の台風は記憶を
たどってもないので、どんなのが来るか
予測もつかなかったんだけど、
ふつうに雨と風でした。

そういえば、さいとーは台風好きだった。
なかでも「雷」が好きだったなぁ。
空にビリビリの稲光が走るのが大好きで
ひゅーひゅー ! ひゃーひゃー言いながら
窓から外を見ていた。
最近はあまり大きな台風が来なくて
いつもワクワクして待っていて肩すかし。
私ら二人、晴れ女で台風女でした。

いまだに何かの途中で、ふっと
「さいとー、これ好きだったな」と思う。
お中元で大きな箱入りのさくらんぼを
いただいて、去年まではさいとーが
喜んで食べてくれたなーとか、
甘系の缶サワーを１ケースいただいて、
さいとーと一緒に飲んだなーとか。
おやぢは「コードブルー」の映画版を
さいとーと見に行く約束をしていた。
「あんた一緒に行かんよね」
「行きません」
さみしそうです。

恋バナ

私とさいとーが初めて出会ったのは
かれこれ25年くらい前、今の自宅が
新築ほやほやの頃。
出会いはなんと合コンでした。
おやぢが仕切りで、独身者を４人ずつ
集めて今はなき平和通の「パリオ」で
合コンをした。まっちゃんが仕事つきあいの
女の子を集めてくれて来た女子の中に
30才前のさいとーがいた。
メンバーは、まっちゃん、あおき、えみ、
あとクシベだったか、みんな独身の頃で、
女の子はＮＥＣバリバリのキャリアウーマンだった
さいとーが最年長、後輩とか同僚のお友達を
連れてきてくれた。
二次会で全員うちに来て、飲んでしゃべって
結局、まっちゃんとナオミちゃんだけが
結婚までたどりついて現在も夫婦でいる。
あとの参加者もその後次々と結婚して
さいとーだけが独身のまま、うちの子になって
現在に至る。
初対面で「趣味は競馬です」と言った。
よっぽど気が合ったんだろうと思うけど、
それからずっと一緒に人生を歩いてきた。

さいとーがずっと独身でいるとは
思わなかったので恋バナもいっぱいした。
さいとーは、それなりにカレシもいたし
つきあった人、コクられた人、ストーカーまがいに
追いかけられた人、片思いのままで終わった人、
いろいろいたけど
「結婚してもいいと思う人がいなかった」と
言っていた。
どうも誰かさんみたいに、好きな人には好かれず、
キライなタイブに好かれる人だったみたいだ。

飲み会とか食事会のときの、さいとーの
「神対応」はすごくて、特にオジサンからは
絶大な人気があった。
おやぢと私がいつも一緒にいたので、
おやぢの飲み仲間から「ずーちゃんずーちゃん」と
可愛がられ、知らない人はおやぢの愛人だと
思っていたし、私の娘だとも思われていた。
おやぢのルネ仲間のジジイは、さいとーが
亡くなったことを知らされて絶句して
「まだ若いのに…カワイイ子ぢゃった…、
わし一回ヤリたかったのに」と半泣きで言った。

アラフォーくらいの頃に、
「私どうも結婚に向いてないみたいだから
たぶん一生独身でいると思う」と言ったことがあった。
まわりの家庭(特にうち)を見て、結婚しないほうが
幸せだと気付いたと思う。私も結婚なんかしないほうが
いいよと自信をもってアドバイスしていた。
男運に恵まれない者同士^^;　それからの恋バナは
もっぱら「抱かれたい有名人」ランキングになった。
さいとーはダイハードからブルース・ウィリスの
大ファンで、ハゲても許せる唯一の男だと
言っていた。
私はテレビを見ないので俳優さんの名前を
あまり知らない。
「この人となら結婚できる」有名人を言い合ったとき、
さいとーが「西島なんちゃら」と言い、
私が「金本知憲」と言い、同時に「誰それー」と
言ったりしていた。

うちのまわりの男共のみんなは、それぞれ
それなりにさいとーを「女」として
つきあってくれてたと思う。

さいとーがひそかに「この人となら結婚しても
いいと思った人」を２人知っています^^;
これを読んで「もしかしてオレか」と
思ったそこのあなた、違います。

Favorite

さいとーが好きだったもの。
競馬、バナナ、生ビール、もつ鍋、チャンジャ、
お風呂、麻婆豆腐、さくらんぼ、旅行、
動物(爬虫類は除く)　ドラマと映画、
カラオケ、帽子、カシスソーダ、ハイヒール、
コーヒー、お寿司、クイズ番組、堀江淳、
魔女の宅急便、ブルース・ウィリス、
斎藤誠厩舎、レモンスライス、林真理子、
ドライブ、馬連ワイド総流し、トマト、
塩パン、イクラ、チョコレート、
「サザエさん」、土曜サスペンス、
フレンチよりイタメシ、
夏より冬、肉より魚、親より友人。

アパートの片付けが終わった。
業者さんに見積もってもらったら
６万円の消費税、引き取れる家具や家電が
多いので、ここから１万円買取料として
引かせていただきます、と言われていた。
驚いたのは、さいとーのお母さんが
トラック一台持ってきて、全部鹿野まで
持って帰ると言い出したこと。
大きな両開きのタンス、出せないので
当然バラします。バラバラになったタンスを
どうやって組み立てるんだろうと
思っていたら「やっぱりいらん」
弟夫婦、業者さん、私ら全員で苦笑。
それでも、めぼしいものみんな積んで、
結局値引きもなく７万円になっちゃった。
しぶしぶ払ってたけどね。

☆土曜日の出走
札幌1R・コントラチェック・あおき
札幌5R・アルママ・たいじょー
　　　　(馬名意味・あるがまま)
　　　　レーヴドカナロア・オスカー
　　　　(カナロアの夢)
☆日曜日の出走
札幌5R・クラージュゲリエ・たいじょー
　　　　(勇敢な戦士)
　　　　シェーングランツ・さいとー
　　　　(美しい輝き)

おやぢ高熱でダウン。
熱中症かと思った。
室内と室外の温度差があまりに激しいので
体調が狂うそうです。
点滴受けて元気になりました。

後悔

今年に入ってから、さいとーは
週末になると日帰りで温泉めぐりを
していた。これも「いらんお金を残して
おきたくない」と思っていたからだ。
２年くらい前に、あおきさんに頼まれて
ＪＡのキャンペーン中の掛け捨て傷害保険に
入った。安かったのでうちの従業員全員と
さいとーの名前も書いた。
すっかり忘れていたら、あおきさんが
さいとーの保険が出たと持ってきてくれた。
これがなんと、ちゃんとした入院費のほかに
もっぺん２人で函館へ行けるくらいの治療費、
さいとーは「これはしょーさんにあげる」と
わけわからんことを言うので、
そんならこれで「瑞風」に乗って、
九州温泉めぐりを最後にやろうやと決めた。
間にあいませんでした(T_T)

私が５月３日の法要でバタバタしていて
終わったら、と思っていたけど「瑞風」は
半年先まで予約満杯、ゴールデンウィークが
すんだ頃、だんだんさいとーは動けなくなった。
介護保険の申請をして「要介護１」がついたので
週に２回、ヘルパーさんが来てくれることになり、
車いすマークの所に停めていいですよステッカーも
貰えた。満車の駐車場で、入り口に近い
「身障者用スペース」に停められるのは
ありがたかった。
６月中旬に「ぽん多」にゴハンを食べに
いったとき、さいとーはほとんど何も
食べられなかった。ママがさいとーの
喉を通るようにスープとゼリー状の寄せものを
作ってくれたけど、イスに座布団を敷いて
横になって「食べられんから、しょーさん
全部食べて」と言った。
結局これが最後の「ぽん多」になった。
ぽん多ママが思いつめた顔で
「さいとーさん、うちまで来るのもうムリだ、
しょーこさんちで、さよならパーティやろう、
私、なにか作って持っていくから、さいとーさん
寝転がってていいから」と言った。
日曜日の夜にやろうねと言いながら
間にあいませんでした(T_T)

６月も下旬になると、毎朝おやぢが
「ご用きき」の電話をして
「今日のご用は ? どこか行くとこあるかー」と
聞いていた。それも「今日は病院行く日」と
言われて迎えに行くと「しんどいから行かない」と
言われる日々だった。痛みが極限だったと思う。
入院したら痛みはなくなるけど強力モルヒネの
おかげで意識は朦朧となる。
幻覚が出るくらいの状態で寝てるか
痛みを我慢して家にいるかの２択。
７月２日、さいとーは自分で救急車を呼んで
入院した。
午後、知らない番号から電話がかかってきて
「しょーさん、さいとーです、入院しました、
今からお母さんと叔父さんがアパートのカギを
貰いに行くので渡してやって」
これだけしゃべるのに５分くらいかかった。
すでにロレツが回らなくて、何度も
「え? え? 」と聞き返して急いで外に出て
待っていた。
これが最後の会話になりました。

入院して２～３日は意識もあった。
でも自分で電話したりメール打ったりは
もう出来ないから来てくれるほうが
うれしいという伝言がナースさんから
あった。
みんながお見舞いに行ってくれた。
さいとー、これで良かったのか? ほんとに?
「よかったんよ」というさいとーの声が
聞こえる。けど、後悔だらけの日は
しばらく続きそうだ。