風の詩(kazenouta)2

いつも喜び、たえず祈り、すべてを感謝する
そのような日々を過ごしたい。

金子みすゞ記念館 館長 矢崎節夫さん

2023-10-20 19:15:24 | 文学

NHKカルチャーラジオ 文学の世界

10月~12月は、詩人 「金子みすゞの宇宙」です。

山口県長門市仙崎にある記念館へ、行ったことはありません。

館長の矢崎節夫さんは、若いころから金子みすゞの詩に感動して、その詩を探しておられました。

かなり前(15年くらい?)に、金子みすゞのブームがありました。

やっとこの詩人に光があたった。

その立役者の一人が、矢崎節夫さんだと思います。

 

「童謡は、かみさまへの祈りの言葉です」とおっしゃる。

 

大正時代に「赤い鳥」「童謡」「金の船」といった児童文学の雑誌が創刊されました。

北原白秋、西城八十、野口雨情、、、(後継者として 与田準一さん、佐藤義美さん、まどみちおさん など)

大正15年(1926年)童謡詩人会に入会を認められた、金子みすゞさん

 当時の童謡詩人会の会員は西條八十泉鏡花北原白秋

 島崎藤村野口雨情三木露風若山牧水など。

 女性では与謝野晶子と金子みすヾの二人だけだった。

 山口県から詩を送ってくる女性(金子みすゞさん)は、注目されていたという。

 

26歳で服毒自殺(夫からうつされた淋病を患い、一人娘を残して)

あまりにも若すぎる死。

そのため、金子みすゞの詩は、忘れられていた。

 

1984年に「金子みすゞ全詩集」が出る、

矢崎節夫さんが探し求めて実現。

 その間、3冊の詩集を持っていた実弟にも会うことができた。

 

矢崎節夫さんの言葉の端々に、

金子みすゞさんへの思いが、伝わってきます。

 ただ、私は、あまり人々が騒いていると、引いてしまうタイプなので、

 金子みすゞさんのブームのときは、こっそり隠れていて、同調はできませんでした。

 いい詩だとは思っていましたが。。。

 

 神無月の三日月  (高谷学さんからお借りしました)

  月や星の写真を撮るのは、難しいように思います。

  神秘的な月の光と空の色ですね。


宮澤賢治没後90年 雨ニモマケズ 

2023-09-24 19:16:59 | 文学

NHKカルチャ―ラジオ文学の世界で、ずっと宮澤賢治再読をしています。

講師は 日本大学教授の山下聖美さん

第12回は、「雨ニモマケズ」

あまりにも有名な賢治さんの詩。

小学校の時に習いました。

教室の後ろの壁にこの詩が貼ってあったことを思い出します。

 

今回この詩がたどってきた歴史を知りました。

戦中 軍国主義の時代、大政翼賛会は、この詩を利用しました。

満州国でも、日本人としてのあるべき姿・・として紹介されたとか。

 

ただ、戦後にも窮乏を耐え忍ぶようにとの、激励の意味で、

「雨ニモマケズ」は、広く紹介されました。

 

阪神淡路大震災の時も、東日本大震災の時も、

この詩が、人々を励ましたのは、事実です。

 

賢治さんの手帳に、自分の覚書のように記された詩。

亡くなってから、これほど多くの人たちに愛唱され、励ますとは、

「時間の中に 言葉を解き放つ」と賢治さんは言ったとか。

まさに、時空を越えて、言葉は解き放たれ、響いています。

 

みなさんは、どの言葉がお好きですか。

私がそうありたいと願う姿は

**********

・・・欲はなく 決して怒らず いつも静かに笑っている

1日に玄米四合と 味噌と少しの野菜を食べ

あらゆることを 自分を勘定に入れずに

よく見聞きし分かり そして忘れず

*********

 

今回初めて知ったのは、

ヒデリトキハ ナミダヲナガシの

日照りは、賢治さんのノートには、

ヒドリと書いてあるそうです。

 このヒドリというのは、「日雇い」とか、「ひとり」とか

 いろいろ考察されているそうです。

 

「雨ニモマケズ」は、努力する人を、応援してくれる詩です。

このアメの部分を、試練、災害、苦悩など、自分の置かれている立場に置き換えて、

自分を、「負けるな!!」と叱咤激励します。

 

宮澤賢治さんの宇宙観、、、風や木が教えてくれたことを、自分は書き留めているだけ・・・

自然の中で生活をして、五感が鋭敏になり、風の声も聞こえる。

 ソウイウモノニ ワタシハナリタイ です。

 

じっくり、宮澤賢治全集(文庫版ですが)を、読む時間がほしい。

魂と魂が通じる。

永遠に読み継がれる詩集を残した宮澤賢治さんの魂に触れたいです。

 

 諏訪の星空  (親愛なる教え子 杉浦譲治君からお借りしました)

  素敵な夜空の写真ですね。夜明けが近いのでしょうか。

  満天の星空の下で、キャンプしたいなあ。。。

 

 



 


再読・宮澤賢治 10回 花巻農学校時代

2023-09-08 20:13:15 | 文学

9/7 自分を生きる 再読・宮澤賢治 

第10回は、花巻農学校時代

26歳の時から4年間、賢治さんは、花巻農学校で教師をしていた。

そのときのことは、当時の教え子たちの思いでの記録が残っている。

 

青春時代、情熱にあふれた賢治さんは、

とてもユニークな教育をしていたようです。

実地を重視した教育。

教科書によらない体験型。

後の羅須地人協会に発展していくもののようです。

イーハトーブという理想郷。

 

奇行ともとれるような、自然の中で踊る賢治さん。

月や星と、一体になれる。

幼子のような、少年のような感性を持ち続ける。

 

賢治さんの作品を理解するには、

幼子の心を取り戻さないと出来ない。

そのように思うようになりました。

 

岩手の花巻の自然の中で、賢治さんの本を読みたい。

そんな夢、願いを、持ち続けます。

 

 空が燃える   (高谷学さんからお借りしました)

  良い安息日を。

 

 


『深い河』 遠藤周作 遺作 こころの時代

2023-09-07 18:38:56 | 文学

遠藤周作さんの遺作、『深い河』を

こころの時代で、2回にわたって放送。

若松英輔さん(批評家・随筆家)と

山根道広さん(ノートルダム清心女子大学教授)の対談。

 お二人は若いころ、井上洋二神父の主催なさった「風の家」での仲間。

 

カトリック教会では、幼児洗礼というのがあります。

親の信仰で、子どもが信仰を持つことを願う気持ちから、

本人の意思とは無関係に、カトリック信者になっている(物心ついたときには)

 

遠藤周作さんは、そのお母さんの信仰と向き合うことから、求道者人生が始まる。

「日本人の心に会うキリスト教」を追求して、文学作品を書き続けた。

その遺作、『深い河』は、読んでいませんでした。

 

大学生の時、友だち3人で、遠藤周作の本の読書会をするほどでしたが、

だんだん離れていました。

井上洋二神父と遠藤周作さんは、フランスへ留学する船の中で友人になった。

運命の出会いだったのかもしれません。

 

西洋のキリスト教と、日本のキリスト教、、、、20代の二人は共に模索していた。

 

宗教と信仰。

神学と信仰。

 

生活の次元=生・現実、でのしあわせ、成功と

人生の次元=死と未来、でのしあわせ、満足とは。

 

この作品は、遠藤周作さんが、生涯をかけて追及したこと、模索したことの集大成。

  「宗教多元主義」(しゅうきょうたげんしゅぎ)に共感なさったようです。

  ****ウィキペディによると*****

、  宗教多元主義(英: Religious pluralism)とは、

   さまざまな宗教が同じ社会に存在することを認め、

   お互いの価値を認めながら共存していこうとする宗教的態度、思想である。

   英国の宗教哲学者ジョン・ヒックが提唱した。

**********

 

だから、マザー・テレサの生き方に共鳴し、

マハトマ・ガンジーの言葉に共感する。

 

   真実(真理)は、ひとつであると、私もいつも思います。

いろんな宗教がありますが、カルト宗教・新興宗教でない限り

究極的には同じ。

手は5本の指を持っている。

それぞれの指が、互いを認め、手としての役割を果たす。。。という例を

若松英輔さんが語られていました。

 

『深い河』という黒人霊歌もありますが、ガンジス川と重なる。

図書館で借りて読んでみます。

 生ける川となって   (高谷さんからお借りしました)

 

 


NHKラジオ 自分を生きる 再読 宮沢賢治 「永訣の朝」

2023-08-11 18:40:23 | 文学

聴き逃しラジオの文学の世界で、宮沢賢治さんの「永訣の朝」を聞いた。

あまりにも広く深く不思議な宮沢賢治の世界は、

「自分の賢治さん」を持っていたらいいのだと思う。

 

 「あめゆじゅ とてちて けんじゃ」

 この印象的な言葉

 けんじゃは、賢治にいさん、という少し甘えた言葉だった。

 あめゆじゅは、雪にお砂糖をかけたもの、だった。

 

いままでなんとなく、音の響きから、そんな意味を想像していましたが、

教授のお墨付きとなると、なんだかうれしい。

 

多くの人が惹きつけられる賢治の書くものがたり。

なんども、なんども、よみかえすたびに、あたらしく みつけるものがある。

 

藤城清治さんの描く、賢治さんの絵本が、好きです。

 

銀河鉄道の夜   (無料画像からお借りしました)

 この銀河鉄道の夜のジョバンニとカムパネルラも、

 親友の保坂嘉内と宮沢賢治に違いないと、腑に落ちました。 

  菅原千恵子さんの著書『宮沢賢治の青春』が、もっと評価されたらと願います。