風の詩(kazenouta)2

いつも喜び、たえず祈り、すべてを感謝する
そのような日々を過ごしたい。

司馬遼太郎 雑談 「昭和」 1 何が魔法をかけたのか 

2023-08-29 17:45:53 | 歴史

司馬遼太郎さん生誕100年なので

100分de名著では、家康を書いた「覇王の家」が取り上げられました。

そして、NHKに残っている映像(1986年のもの)から、

雑談「昭和」第1回 何が魔法をかけたのか

録画していたのを見ました。

 

司馬遼太郎さんは24歳ころ陸軍の戦車部隊に属していて

栃木県で敗戦を迎えた、その4か月?前までは、部隊は満州にいた。

 

青年の司馬さんは、その当時、自分はどうしてこんな国に生まれたのだろうか?と考えていた。

日本は、ちゃんとした国だったのに、大正末期、昭和元年から20年、

魔法の森になっていた。

何が魔法をかけたのか、、、について探ろうと、

それまでの日本にいたはずの、立派な人物・日本人を探して、見つけて

小説に書いてこられた。

 

けれど、ノモンハン事件について、書こうと思って、調べたり、当時の人物にインタビューしたが

書きたいと思う人物は、いなかった。

ノモンハン事件、中国侵略、太平洋戦争まで

「国というものをバクチ場の賭けものにするような、

こっけいな意味での勇ましい人間が、

愛国者ぶってやることがパターンになった」と司馬さんは言い切る。

 

参謀本部なるものができ、統帥権を振りかざした。

日本は軍部に占領されてしまっていた。

それは、支配ではない。

織田信長が支配するというとき、民のことをも考えての支配だった。

けれど、ノモンハン事件で兵の75%が死ぬという異常な戦い。

 普通は30%の兵を失くしたら撤退するのが常道。

ロシア軍との兵力の違いも計算せず、古い武器で無謀な戦いをした。

その作戦を計画したのは、参謀本部の幕僚、将校、

当時のエリート官僚たちだった。

 

彼等は、国家をたぶらかした。

満州国で味を占めた軍部は、日本国をたぶらかして、自分の国を占領した

魔法の森の占領者は、悪かった。

統帥権という魔物を使い、インチキの理論、論争で、人々をあやつる

異様な時代だった

 

そこへ敗戦後、新しい占領者GHQが来た。

人々は、自然に、新しい優しい、物をくれる占領者に親しんだ。

 

司馬遼太郎さんは、魔法の森の謎を解くための「鍵」手作りの鍵を作ろうと

歴史小説を書いてこられた(放送当時執筆を初めてからすでに40年経っていた)

 

まだまだ読んでいない司馬遼太郎さんの本がたくさんあります。

「竜馬がゆく」が書かれなかったら、

坂本龍馬という人物は、いまほど知られていることはない。

「峠」を読まなかったら、河合継之助を知らない。

 

関西地区限定の放送であるらしいのですが、

あと残り7回、心して見せていただきたいと思います。

なぜなら、日本はまた、おろかな、むなしい戦争に引きずり込まれるかもしれないから。

 

 伊香保の赤い橋  (親愛なる教え子 杉浦譲治君からお借りしました)

  世界の国々をつなぐ、赤い橋はないのでしょうか。

  安心して人々がそこを通ることのできる赤い橋。


8/17 ヤマザキマリラジオ ゲストはマリさんの夫のベッピさんと、磯田道史さん

2023-08-18 19:45:41 | 歴史

不定期に放送される「ヤマザキマリラジオ」

だいたい連休とかに特番のような形であります。

もちろん、お気に入り登録しています。

 

今回のゲストは、比較文学者で作家の、マリさんの夫であるベッピ・キュッパーニさんと

        歴史学者の磯田道史さん。

9時台は、ベッピさんとマリさんが、イタリア語と日本語でぱきぱきおしゃべり。

 早口のマリさんですが、イタリア語も早口なのには、笑いました。

 さんざん家族のことを漫画で描いておられますが、ベッピさんに言わせると、

 OKマリという題で、彼女自身のばたばたを描くべきだと。

  マリさんは、絶対書かない、自分のコケてる姿など、、、と。

 

 マリさんのお母さんと、ベッピさんの祖父マルコじいさんの出会い。

 世界を放浪・旅・留学しておられるお二人の人生の色どりは、素晴らしい。

 

10時台には、磯田道史さんも加わって、ベッピさんが書かれた、イエズス会の記録を調査して

日本の戦国時代を、形而上学的に分析。小説という形で書いている。

題は「救い」

外国人、外から見た日本史・・・こういうのが読みたかったと、磯田道史さんも興奮。

 

とにかく、3人のおしゃべりが尽きない。

深い知識と自分で考える力が豊かな人たち。

ずっとお話を聞いていたくなりました。

面白かったので、もう一度、聴きたいと思いました。

 聴き逃しラジオ、、、ありがたいです。

 それと、同じラジオを聴いている腹心の友T子さんと、互いの感想をおしゃべるできるのも

 本当にしあわせなことです。 感謝。

 異空間の月   (高谷学さんからお借りしました)

  肉眼で見る月と、望遠鏡を通してみる月と、

  空の色にも宇宙を感じます。

   いつもありがとうございます。

 

 


「Never Again 二度と繰り返さない」  内田舞さん ソーシャルジャスティス小児精神科医

2023-08-06 16:43:50 | 歴史

八月六日 広島へ原爆が投下された日

毎年テレビで中継される広島平和公園の映像。

 

私はかなり前、何十年も前に原爆資料館へ行きました。

今はもう新しい原爆資料館になっているらしい。

「Never Again 二度と繰り返さない」

この言葉をめぐって、内田舞さんという精神科医が、アメリカの若者と会話したことを

本にしておられるのを、発見。

 ********『ソーシャルジャスティス 小児精神科医 社会を診る』***********

炎上や論破ゲームに乗らず、分断と差別を乗り越えるためには。

ハーバード大学准教授で小児精神科医・脳科学者でもある著者が、

心と脳のメカニズムに立ち戻り、激動の時代のアメリカ社会の変化を捉え、

三人の子供を育てる母親の立場から考える希望の書。

**************************************************************************************

社会正義。。。

 

原爆投下は正当だったと教えられ、そう主張するアメリカの若者は43%くらいいるらしい。

戦争をやめさせることができたと。

しかし、実験ともいえる広島と長崎への原子爆弾の投下

その結果、どのように甚大で悲惨で長く続く被害者が出たか、亡くなった人たちがいたか、、、

そのことを知ろうともしない世界の国の人たち。

 

若者たちと直接そのことを話す機会を得た 内田舞さん。

 『硫黄島からの手紙』は、クリント・イーストウッドが監督

この映画を見たアメリカの青年は、敵味方というだけではない、

それぞれの家族のことを深く知った。

十代で特攻隊として亡くなった優秀な若者たちの存在。

彼等は死にたくて死んだわけでなない。

 

どちらの側から見るかで、その歴史の事実も、変わってくる。

そう思うと、当然のことですが、私も内田舞さんの次の意見に賛成です。

*****「人生の中で出会える人の数は限られています。

だからこそ、芸術やメディアを通して知ることのできる

他の人のストーリー、経験には価値があるのです。」*********

 

最近、人との出会いの不思議さを感じます。

まだ20代のときに知り合った人たちと、

どういうわけか、またメールや電話でつながりが再開。

97歳になられる元女子寮舎監のM先生、通称おばば様から、お電話をいただいたり、

千葉で学んでいた時の友だち、Y子さんとK君との電話やメールでのやりとり。

離れていた月日を飛び越えて、さらに分かり合える不思議。

ありがたいです。

 

 可憐なピンクの薔薇の花  (親愛なる教え子 杉浦譲治君からお借りしました)

  思えば、譲治君とも、もう何十年も会ってない、それなのに、こうして素敵なお写真を

  しょっちゅうお借りしている。出会いを大切にしたいなあと思います。

   会えた人たち、会わせていただけた幸せ。感謝します。

 

 

 


100分de名著 「ショック・ドクトリン」 第4回 回避するための手段

2023-07-01 20:24:13 | 歴史

「ショック・ドクトリン」を回避するための手段

これが第4回 日本そして民衆のショック・ドクトリン

 

2005年のニューオリンズでのハリケーン被害で、それを口実に

多国籍企業が参入して、8割を独占した。

規制緩和をして、民間契約社員が、公立の学校を

チャータースクールにする。

生徒の成績を上げないと、予算がつかないので、

教師は、生徒にカンニングを奨励したとか。。。

富裕層と貧困層の格差が、ますます広がった。

 

それと違って、2004年12月のスマトラ沖地震では

国は、漁民たちを追い出して、被害を受けた海岸を、リゾート地に開発しようとした。

しかし、タイの村のモーケン族は、自分たちですぐに復興した。

当初は、野営して、住民同士で話し合い、自分たちで決めた。

政府と交渉し、再侵入した元々の自分たちの土地を確保することに成功した。 

 ニューオリンズの人たちは、その再建、再興を見学に来たそうだ。

「自力で復興を目指す人々は、常にその場にあるものを

 ー残った人手であれば誰でも、 

  壊れていなければ どんな錆ついた器具でもー

 有効に使う。」  知性を使う。

 

さて、日本も、1960年代中曽根政権のときに、新自由主義を取り入れ

民営化を推し進める(国鉄、電電公社、専売公社、郵政民営化)

いざというとき、弱者、地方に手が届かない。

では、どうしたら回避できるか。そのチェックポイント。

 ・有事の時に機能するか

 ・教育・医療が守られているか

 ・地域住民がそこに入っているか

 ・国会をチェックするー立ち止まってゆっくり考えてみる

 ・選択肢があるかどうかをチェックするー一度疑ってみる

 

*ふと気がついたのですが、なんでもかんでも急がせる。。。

 これって、詐欺電話の手口。 

 相手に考えるスキを与えず、質問することも遮り、

 どんどん自分のペースで話を進め、相手を不安にして、

 携帯を持って、金融機関のATMへ行かせる。

 

気を付けたいことは

 ・二元論(あれか、これか)にもっていく方法は危険

 ・欲望によってかかわるのは危険

 ・犯人さがしはしない

 ・スマホニュースにコントロールされないようにする

 ・自分が聞きたくないニュース(情報)も聞く

 ・真逆の考えも聞く  脳トレをする

 

*情報量がとてつもなく多くなった現在

 AI(チャットGTPなど)に、支配されないようにしたい。

  ロボットというと、つい、鉄腕アトムを思い浮かべてしまいます。

  でも善良なロボットだけが生産されるとは限らない。(ヨーロッパでは、使用を禁止、規制した)

  人間の知恵と、AI(ロボット)の知識量、、、

*考えることが出来なくなってしまったら、人類は滅びるのかもしれません。

 

「ショック・ドクトリン」は、本当にショックでした。

 鈴蘭  (野口勝利さんからお借りしました)

  チャットGPTで「あなたは神さまを信じていますか」と質問すると

  「私はAIなので、信念、信仰は、持っていません。」と答えたそうです。

  膨大な情報を、分析するのが、とても早いのが、AI・チャットGPTなのですね。


2001.9.11 同時多発テロ 戦争 ショック・ドクトリン

2023-06-29 16:49:41 | 歴史

昨日の続きです。 100分de名著 第3回

戦争 ショック・ドクトリンは、株式会社化する国家と 新植民地主義

この9.11を、テロと位置づけたことで

・戦争の定義は変わってしまった。

・国による国民の監視、言論統制が正当化される

・新植民地主義・・・規模が巨大化

1980年 民営化元年 レーガン大統領のころ マネーが主役=貧困大国化した

 ドナルド・ラムズフェルド国防長官

 ディック・チェイニー副大統領

 ジョージ・ブッシュ(テキサス州知事から大統領へ)

見えない回転ドア・・・民間企業役員が政府の中枢幹部になる

 政府中枢に人を送り込み、法制度を都合よく決める

 民間企業に戻り、私腹を肥やす

国家が、直接的な経済だけで動き始める

 

9.11以降 急進的な新自由主義の進化で

 戦争・災害対応に至るすべてっを、利益追求のベンチャー事業にする

 治安のためと セキュリティブームで監視カメラが巨大マーケットになった

  税金が民間の大企業へ流れる

  *見張られているのはだれか

安全保障の名のもとに、国民のデータを掌握する

 *なんだかマイナンバーカードを連想する

 

2003年3月 イラク戦争=衝撃と恐怖作戦と名付ける

 軍人を派遣社員にする(公務員だと福利厚生に費用がかかる)

  *ワグネル???を連想する

 フセインを失脚させたあと、CPA(連合国暫定当局)を設置して、新たな統治をしようとした

  =文化、伝統、歴史、民俗的アイデンティティを白紙状態にしようとした

  外資に搾取されつくし、イラクは混迷状態になる

結果、より悪いイスラム原理主義を台頭させることになった。

 

占領も、復興も、すべてをビジネスにする=破壊して復興することが、先物商品になった

 現地の人は入っていない。利益を受けていない。

 米国内でも市民が被害者になった=格差拡大で貧困層が増える。

 

人々の欲望は、果てしがない。

新自由主義を唱えたフリードマンも、ここまで進化することは、予測していなかったのではないか。

世界中が、混乱・混迷。恐怖と不安の暗闇の中へ・・・・

 

「目を覚ましていなさい」と、イエスさまはおっしゃいました。

著者のナオミ・クラインさんの分析力には脱帽です。

 夕焼け (高谷学さんからお借りしました)