最終回 柳宗悦と民藝の100年
「茶ニテ アレ 茶ニテ ナカレ」という色紙がありました。
茶道(さどう)の家元制度の窮屈さを批判し、家元からは苦情もきたとか。
ちなみに、最近、茶道を、「ちゃどう」と言っている人がいて、びっくり仰天。
今回、日本民藝館 学芸部長の杉山亨司さんは、「さどう」と言っておられて、ほっとしました。
信と美を追求した、柳宗悦は、哲学者でもあり、仏教絵画・美術への造詣も深かったとか。
浄土教(時宗の開祖)一遍上人の研究書も出して、高く評価している。
杉山さんは、歎異抄の「善人なをもて往生をとぐ いわんや悪人をや」
(善人ですら往生できるのですから、なおさら悪人が往生できるのはいうまでもないことです)をもじって
柳宗悦の美学、美について
「天才なおもて美をうましむ いわんや凡人をや」
(天才ですら美をうむことができるのだから、なおさら凡人に美をうむことができるのは当然です)
と言っているのではないか、とおっしゃっていた。
日常使う普通の器物、食器、道具、着物・・・に、美をみいだす=民藝運動
その極意を、ひとことで言われたのだと思う。
杉山さんの、柳宗悦に対する敬愛の念が、言葉のあちこちに感じられました。
関東に住んでいたら、日本民藝館を、しばしば訪問できるのに、と思いました。
日本民藝館(The Japan Folk Crafts Museum)のホームページをご覧ください
いま、柳宗悦と朝鮮の工芸 11/23まで開催しているようです。
(日本民藝館のホームページからお借りしました)
民藝館の建物も、休館は宗悦が住んでいたところでもあるとか、ゆかしい建物です。
世界の人々が、それぞれの国の文化・芸術を、互いに尊ぶことができたらと思います。