JASRACが2017年から音楽教室に著作権使用料支払いを求めていることに対して音楽教室側が無効を求める裁判の一審判決が昨日2/28に出て音楽教室側が敗訴しました。つまり司法は音楽教室といえど著作権使用料を払うべしという判断をしたってことですね。
ちょっとこの判決にモヤモヤしたことを感じずにはいられないのでいま思うところを記しておきます。
音楽を聴かせる対象である「公衆」の解釈の強引さもさることながら、音楽教室は著作権使用料としてレッスン収入の2.5%を払うことをJASRACは定めていますが、そもそもこの著作権料は著作権を持つ作曲者に還元されるはずのものです。それが一律に徴収される2.5%の金額の中からどれだけ著作権者に支払われるのか?レッスンに使用した楽曲を逐一管理していないと著作権者への還元なんて無理だよね?そこまで音楽教室に求めないとJASRACの建前の「著作権者への還元」を信じるわけにはいかない。CD販売からの徴収額が大幅に減少しているからその減収分を埋め合わせたいんじゃないか、って見方を支持したくなります。
それと自分の楽器コントラバスに関していえば、初心者は一朝一夕に曲を弾けるようにはならないので、初期のレッスンは著作権料の対象になるとは思えないエチュードや音階練習を1年以上やってから曲に入っていくわけです。著作権切れしているはずのシマンドルって教本を使って地道に1、2年学習してから楽曲を弾くという。あまりに地道なもんだから今ワタシに生徒いないですよ。でもそういう同業者多いと思う。そんな楽器の学習者を生徒に持つ教師からも「著作権払わなきゃいけない現代曲とかポップスやってるよね?はい、払ってちょうだい!」と言うつもりなんですかねJASRACは。
基本的に音楽教室からの徴収は、ややこしくなるしレッスン料のかさ上げにつながって音楽を習いたいという人の減少にもつながりそうだからしない方がいいのでは?というのが私の考えです。ただし音楽を使って利益を上げているという側面も否定できない事実だから、徴収するなら金額のパーセンテージや楽曲申告方法など使用者と徴収者で制度を詰めてからやるべきなのではないか。現状で著作権料を払え、っていうのは時期尚早だと思います。
音楽教室側もこの先の控訴審で勝てなかったら著作権料を払わなきゃならなくなるから、レッスンで使用した曲、曲を使わなかった回などデータ化してそれを材料に著作権支払い額を交渉したらいい。