飾らない 素直な 自分らしい毎日に乾杯!

「海が見えた 海が見える」という尾道に来た

「海が見えた 海が見える 五年振りに見る 尾道の海は なつかしい」林芙美子の放浪記である。すんなり読めば、汽車の窓に飛び込んできた海の景色があって、直ぐに走馬灯のように浮かんできた5年前の情景が懐かしくこみ上げてきたのだろう。海の中に見えるその心情が痛々しくも感じられる書き出しである。

かれこれ7~8年は経つだろうか、駅前の商店街も随分と様変わりしていた。目立つのは似たような飲食店の多さである。その店舗の合間にシャッターが下ろされている。手遅れになったのか手つかずだったのか、行政の不備が生んだ、痛々しくもあり健気でもある情景だった。何もしない、何も足さない、何も変えないでは町は波に吞み込まれるばかりである。行政の長たるもの、付け届けを自分の懐に入れるばかりが能ではない。秩序ある発展へとしっかり見張りを立てて、波に逆らうことなく、波と風を自分のものにして前へ前へ進むことが船長の役目である。

千光寺から文学の小道を下りながらそんなことを考えた。
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